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【クソ真面目エッセイ-19】木曜日の憂鬱

 

毎週1回、木曜日がやってくる。今週も来週もやってくる。いつの頃からだろうか? 木曜日が来るたびに気が重くなったのは。「週末の前だから」とか、「1週間の疲れが溜まって」とかそういう理由ではない。毎週木曜日はスウィングの事務員全員が休む日なのだ。

 

スウィングの膨大な事務仕事をこなし続ける後ろ姿には日々頭が下がるばかりだが、その一方で僕が事務員のみなさんに対して「頼むから木曜日も来てほしい」と願うのは、本来の「事務的なお仕事」の部分ではなく、ほぼ自分の精神的な安定や癒しのためだ。

 

スウィングの事務スペース、通称「27教室」には紀野有美さん、田村仁美さん、山北和美さんの3名の事務員さんが居る。僕はひと月のうちに何度もそこを訪れ、一旦、事務関係の相談っぽい話をもちかけた後、どうでもいい、愚痴のような、ひとりごとのような話を聞いてもらっている。最近スウィングにやってきた田村さんと山北さんにはまだ緊張しているし照れもあるので、話を聞いてもらうのはもっぱら有美さんだ。有美さんは僕が照れ隠しに一旦かますカモフラージュの事務相談をさらりと解決し、その後のアホみたいな本題にもうんうんと頷きながら時折静かな口調で返答をしてくれる。そしていつも僕がため息交じりに「○○なんですよね〜……」的な終わり方でその場を去ろうとすると、やさしい笑顔と口調で一言背中を押してくれる。そして僕は心を軽くして現場に戻ることができる。

 

ところが今後、それがどうも難しくなりそうなのだ。というのも今年(2020年)4月から始まる「スウィング公共図書館(仮)」開設に向け、27教室は大きな変貌を遂げつつあるからだ。事務員さんを囲むような形でカウンターが作られ、事務スペースは整理された素敵な空間に仕上がった。ゆくゆくはその反対側(閲覧スペース)に本棚や読書のための机や椅子が設置され、居心地の良い空間ができあがるのだろう。しかし、その一方で僕は「う〜ん、このカウンターがあるとなんだか有美さんに甘えにくいなあ」などと考えてしまっている。「一体おまえは何を言っているんだ?」という声が聞こえてきそうだが、事実なんだから仕方がない。でも、こんなふうに感じているのは僕だけではないはずだ。それくらい有美さんの傾聴力(?)はすばらしく、そして落ち着く。

 

昔、誰かが言った。

 

「有美さんはスウィングのオアシスだ」

 

その通りだと思う。先日、某事業所に電話をかけたところ、そちらの事務員さんにとんでもなく事務的な対応をされ「ああ、これが本来の事務員さんの姿か。そういえば普通、事務員さんってこんな感じだな。……っていうかコイツめっちゃ腹立つ!」などと、「事務員の事務的対応」という本来ならば想定通りのはずの事態に「なんでそんなに事務的やねん!!」と理不尽な怒りの炎を燃やしてしまった。そうだ、有美さんは事務員なのだ。すっかり忘れていた。いや違う。もう忘れていいのだ。忘れたままでいいのだ。有美さんは有美さんとしてスウィングに存在し、僕たちはその存在に信頼や安心を感じている。有美さん自身は「なぜ? なにが?」と実感は沸かないかもしれない。でもそこにもう理由はいらないんじゃないか。自分らしく居られる場所で自分らしく居たら、なぜだかみんなに頼りにされる。最高ではないか。「自分らしさ」が信頼され安心される有美さんに、僕たちはこれからも尊敬と感謝を積み重ねてゆくのだろう。

 

それにしてもあんな静かな空間で女子3人が横一列に並んで黙々と仕事をするなんて、オナラしたくなったら一体どうするのだろう。その遠慮と羞恥心を僕が解決できたならば3人の事務員さんにとても感謝され、もっと仲良くなることができ、もっと甘えやすくなるはずだ。しかも今度は3人だ。3倍甘えられる。そうなれば僕はついに木曜日の憂鬱とサヨナラできるかもしれない。そうと決まればさっそくオナラ問題を解決すべく、すぐに動き出そう。さすがに有美さんには相談しづらいし、まずはスマホで検索かな。Hey Siri!!

(フリーペーパー「Swinging Vol.27」より転載)

 

文:沼田亮平(ぬまた・りょうへい)

1979年生まれ・京都府京都市出身。『Swinging Vol.21』で総力特集されて以来、時々「本物に会えた」と言われる。スウィング勤続13年目。2019年度の後半、長らく担当していた「箱折事業」からも「児童館交流事業」からも離れ、新たに「オレたちひょうげん族」の現場にやって来る。が、一体なにを仕事にすればいいのか……と悩む今日この頃。

 

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