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なんとも言えない残念な空気

 

先日、オランダのアウトサイダーアート美術館『Museum het Dolhuys』の館長である、ハンスさんとジェシカさんがスウィングを訪ねてきてくれた。ICOM(International Council of Museums/=国際博物館会議)に参加するため来日していたのだ。


しかしながら、英語が話せない僕は困ってしまった。

これまでの経験上、てっきり通訳……とまではいかないまでも、日本語が話せる方の同行があるものとばかり思っていたのが、お2人は「Nice to meet you」と、2人だけでやって来たからだ。

 

カタコトにも満たない英語で会話にのぞんでみるが、やっぱりうまく通じない。

わかった! めっちゃ集中して本気出せばいけるんじゃないか?? と思って、気合いを入れてモードを替えてみたけど全然意味なし! 無理なもんは無理!


一方、ハンスさんもジェシカさんも日本語はまるで話せない。

作品の力は言葉を越えるわけだけれど、スウィングではその言葉が作品になっていたりするし、作品だけを作っているわけでもないので、そのへんはやっぱり言葉を交わさないと伝わらない。


(もちろんGoogle翻訳などを駆使して、伝え合う努力はし続けたのだが)なかなか噛み合わない、互いにもどかしい時間を過ごすうち、僕たちの間に流れはじめたのは「なんとも言えない残念な空気」だ。

2人のオランダ人は、わざわざスウィングにやって来てくれた。

ひとりの日本人は、それなりに時間を作り、準備をして待っていた。

……にもかかわらず、残念!

 

 そのとき僕は思った。

 

あ、まったく言葉は通じないけど僕たちは今、まさに言葉を越え、国籍もその他いろんなものも全部越え、「なんとも言えない残念な空気」を確かにshareしているぞ!!! と。

 

これはなかなか稀有なことなんじゃないか。

いいか悪いかで言えば、100パー悪い部類に入る気がするが、とにかく、なかなか立ち会いたくても立ち会えない、稀有な時間なんじゃないか。

むしろうっかり僕が英語を話せていたら、無難なart談義に花を咲かせたりして、こんなshareな感じは絶対に味わえなかっただろう(いや、本当は味わいたくなかったのだ)。

実はこういうのをこそ、artisticって言うんじゃないか(いや、それは絶対違うと思う)。

 

ICOMの会場である京都国際会館へは、スウィングから車で行けば15分程度、すぐ近くだ。

僕はさっと車を走らせ、2人と、そして「なんとも言えない残念な空気」に別れを告げた。

 

次の日、スウィングに出勤すると、僕のデスクの上にそっと小包が置かれている。発送元は「京都国際会館」。

まさかと思いながら封を開けてみると、ああ、やっぱりあの2人からの贈り物だ。丁寧にメッセージまで添えてある。

なんてスマートなことをやってのける人たちなんだろう。これは全然残念なんかではないぞ。


海外旅行に行ったことは一度もないが、またひとつ行ってみたい国ができた。

 

木ノ戸

| スウィンギン・ドキュメント | 19:00 | comments(0) | trackbacks(0)
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