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好きなことばかりしているからって。

 

スウィングでは好きなことばかりさせてもらっている。

好きなように文章を書いたり好きなように展覧会を企画したり好きなようにフリーペーパーを作ったり。

もちろんできれば避けたいことややりたくないこともたくさんあるけれど、基本的にはいつの間にか、好きなことばかりさせてもらっている。

 

なぜ、そんな状況が生まれているのか。 

 

どれだけ綺麗ごとを並べ立てても、「代表」とか「理事長」とか僕が権力者だからだろうか? 恐らくそれもあるだろう。

好きなようにやっていることが、誰かに面白いと思ってもらえているからだろうか? 恐らくそれもあるだろう。

 

 

でもその一番の要因は、スウィングでは、(どれだけ社会的にくだらなくても)好きなように自分を表現することが「是」とされていて……それがその人の「仕事」と揺るぎなく認められていて……むしろそれがスウィングの「普通」になっていて……いや、綺麗すぎる。そんなんじゃなく、これだ。

 

もはや、誰が、何をやっていても、それほど興味も関心も持たれないから。

 

なのだと思う。

実際、僕は最近、スウィングの誰かが表した表現なり作品なりにじっくりと触れることなんてほとんどないし、僕の仕事をあーだこーだ言われることもない。

そしてこれは僕だけではなく、スウィングで日々を生きる、多くの人に同じように起こっている現象のように見える。

 

つまり、それぞれが好きなように表現することが、「空気」みたいになっているのだ。

 

 

が、ここで勘違いをしていただきたくはない。

こんなことを書くと自由でいいなとか、さぞ楽しいだろうなとか思われるかもしれないが、かくしてその実態は「そうでもない」からだ。

 

時々、「スウィングの普通」からはかけ離れた、恐らく常識的な、ちゃんとしたところに行ったりすると、「発狂する自信」をはっきりと感じたりもする。スウィングの普通は世間の普通とは、やはりいい意味でズレているのだろう。

でも、僕たちが喜怒哀楽を持った人間として生きる毎日は、決して「喜」や「楽」ばかりではないし、どんなにいいように見える場所でだって、いろいろあるのが「揺るぎなき普通」なのではないだろうか(あ、「揺るぎなき普通」のことを「普遍性」っていうんじゃないのかな? どうなのかな?)。

 

 

たとえば好きなことばかりしているQさんは、よく意味のわからんことで怒っているし、そうは見られないことの多いXLさんだって、実はまあまあの頻度でイライラを隠せずにいる。

増田さんは今でも些細なことでよく凹んでいるし(もちろん増田さんにとっては些細なことではない)、沼田君の眉間の皺はますます深く刻まれているようだ。

おお、そう言えば向井さんなんてもうひと月以上、仕事を休み続けているではないか。

 

 

半月ほど前のことだ。

(スウィングではなかったけれど)僕は人目も憚らずに泣いた。

封じ込め続けてきた、気づかないフリをし続けてきた感情が遂に出口を見つけ、涙と共に溢れ出し、止まらなくなったのだ(無論、ひとりで泣いていたわけではなく、目の前には受け止めてくれる友人がいた)。

 

どんなに好きなことばかりをしていたって、日々を、ある場所を、喜びや楽しみだけで満たすなんて無理だ。

そんなのはちょっとおかしい。いや、あやしい。絶対、不自然。ムリムリムリ。

 

むしろ喜びや楽しみは適当に放っておいてもいいのだと思う。

だって彼ら(?)は勝手に溢れ出し、知らぬ間に、好きなように拡散してゆく。

それはとても素敵なことだ。

 

 

でも、かわいそうに怒りや哀しみは、このポシティブ志向の世の中では疎んじられ、とりわけ「いい年をした」大人にとっては禁忌事項にされているきらいすらある。

今、この国の「五大疾病」のひとつは「精神疾患」なんだそうだ。

五大疾病ということは即ち、「誰でもなる可能性がめっちゃ高い」ということである。

極端な推論かもしれないが、喜びや楽しみしかないようなフリをしているうちに、蓋をされ、ないことにされ、行き場を失った怒りや哀しみが、遂に「病気」という形になって現れまくっている、そういうことなんじゃないだろうか。 

 

好きなことをしながら、時にQさんは怒り、XLさんはイラつき、増田さんは凹み、沼田君は眉間に皺寄せ、向井さんは休み、そして僕は泣く。

 

怒りや哀しみ、しんどさや弱さ。

そうしたネガティブとされる、でも当たり前の心たちを安心して見せることができる、そんな場づくりをスウィングは続けてきた。もちろんそれは一筋縄ではいかない、今日も明日も来年も5年後も10年後も続く、終わりなき仕事である。

 

木ノ戸

| 考えごと | 19:27 | comments(0) | trackbacks(0)
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