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「これは怪文書ではなくラブレターです。」

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去年のいつ頃かだったか、ある団体から講演の依頼があった。が、お金があまりないらしく、交通費も謝礼も出せないという。

僕は依頼をしておいてそれはないだろうと、反射的に腹を立ててしまった。

ただでさえ忙しいのに、自腹を切って話に来いとは意味がわからない、と。

 

お金の問題に加えてスケジュール調整の難しさ等いろいろあって、結果的にこの話はポシャったのであるが、その後も僕はこの一件について考え続けた。

 

なぜその人たちは、お金もないのに話をしに来て欲しいと言ってくれたのだろう? 

なぜ僕はお金が出ないことに腹を立てたのだろう?

 

 「伝える」とは何だろうか?

 

求められたから、話してほしいと望まれたから伝えるのだろうか? 

 

違うんじゃないか。

 

そもそも、僕には伝えたいことがある。

恐らく必要以上に山ほどあり、それをいつも持て余している。

つまり、求められたからとか収入になるからとかそういうのはオマケみたいなもので、ただ「僕自身に」伝えたいことがあるから、伝えるのだ。

 

よく知らないけれど、かつて仏教やキリスト教を広めた人たちが、何か、具体的な見返りを求めただろうか? 

よく知らないけれど、見返りどころか無慈悲に石を投げつけられてもなお、伝え続けたのではないだろうか。

 

話をしに行く……イコール交通費も宿泊費も、おまけに謝礼ももらえる。

一体僕はいつから、こんなふうにクソ傲慢な、えらそうな態度を取るようになったのだろう?

 

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今年1月、Qさんに誘われ、『ラブライブ!サンシャイン‼』の映画を観に行った(→)。

そしてその流れで、『ラブライブ!サンシャイン‼』の舞台である静岡県沼津市(つまり聖地)にQさんが行きたがっていることを知った。

 

ぬぬぬ沼津? 聞いたことないが、でも静岡にはエシカファームとかレッツとかcocoreとか、スウィングと縁の深い場所も多い。

うおっほう。沼津をググるとエシカファームがすぐそばにあるではないか。

じゃあ、相談してみよう。頼まれてもいないけど、Qさんと沼津に行ってみたいから、話させてもらえませんか? と持ちかけてみよう。

 

そうしてトントン拍子に話は進み、先週末、僕とQさんとそして沼田君は、『ラブライブ!サンシャイン!!』の聖地巡りを主目的としつつ、静岡初講演を敢行したのである。

 

 

……にも関わらず、僕の傲慢は止まらない。

 

こっちは声を涸らしながら話しているのに、二度とは訪れないこの時間をわざわざここで過ごしているというのに、その無反応は何??? と、ひとりの男性を視線の端に捕らえながら、苛立ちを覚えていたのである。

 

僕はしばしば「怖い」と言われる。そう言われて当たり前な風体をしている。

しかし、見た目だけで「怖い」とか言ってるあんたのほうがよっぽど怖いとか思ったりしている。

 

でも、それは即ち自分のことなのだ。

 

人知れず、この人は何をしに来たんだろうと、「そのときの僕の主観的な見た目」だけで苛立ちを感じていた大橋さんの、何と豊かな思索、心模様であったことだろう。

興奮さめやらぬと深夜に送ってくれたメールに込められた思いの深さといったら……。

熱いラブレターに僕は感動した。そして己の傲慢、ケツの穴の小ささを恥じた(大橋さん、マジでお許しください)。

 

死ね、自分。

 

Qさんは「わお!」と一言言ったきりだったが、(当日、緊張しまくっていた)沼田君は同じような気持ちを抱いたに違いない。

静岡に行って良かった。沼津に『ラブライブ!サンシャイン!!』があって良かった。

(ご本人の了承を得た上で)ここに大橋正季さんの、深夜の感激メール全文を公開させていただく。

 

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先日は三島市でのトークショー、本当にありがとうございました。「うわ!生スウィングの人たちだ!」と舞い上がり、緊張と、持ち前の人見知り力でお話ししたくても立ちすくんでしまっていましたが、最後は握手までして頂き幸せな時間でした!浜松市の大橋です。ご記憶に残っていれば嬉しいです。木ノ戸さんとは同じ年ということもあり、本当はもっとお話ししたかったのですが、あの日ほど自分の性格を呪った日はありません。。

 

思いっきり興奮した僕は昂る気持ちを抑えることができず、今回メールを送らせて頂くことに致しました。ご容赦下さい。何分興奮していることもあり、乱文、長文お許し下さい。「愛」だとお受け取り下さい!25年ぶりの「読書感想文」でもあります。

 

帰り道、改めてお話し頂いた「ゆれる」「スウィング」「べき・ねば」「ギリギリアウトを狙う」などについて考えながら運転しておりました。(勝手な解釈になりますが…)

 

そもそも人間の生き方、個性は実に様々です。しかし、それを所謂「まとも」や「常識」は「これはこうするべき」「障害とはこう」「支援とはこう」と狭めていきます。それがまさに「ゆれる・揺れ幅」を小さくしていき、もっと言うと「揺れない」ことに価値をおくようにさえなっていきます。私たち社会福祉の分野で使う様々な指標、チェック表、マニュアル等も、「指針を明確に示し、揺れないようにする」ことを意図したものに思えます。

 

それはそれで完全に否定するものでもないのですが、本来人間は、実に多様です。本来多様なもの、揺れ幅のあるものを、単一の価値観や狭い常識に抑え込もうとするのだから「生きにくくなる」のは当然なのかも知れません。それは所謂障害を持った方々でも、所謂健常と言われる人たちにとっても。本来「スウィング」しているものを「止まっていろ・ゆれるなんてけしからん!」と言われているようなものなのですから。。トークイベントの中でのQさんのお話(乾燥ワカメ)が印象的でした。バキバキに乾いたワカメが、ゆらゆらゆれるワカメに戻っていくという。ゆらゆらゆれているのが自然な状態というか。

 

長々とすいません。何が書きたかったかと言うと、木ノ戸さんのお話を聞いていて、木ノ戸さんが仰る「ゆれる・スウィング」や、よく他で言われる言葉「多様性」というようなことも、実はそれが「目指すもの」であると同時に、ある意味では「本来既に在るもの」でもあるような気がしてきたのです。木ノ戸さんの仰る「スウィング」の意味が、ひとつは「揺れましょう!」という動詞的なものであると同時に、人は本来「ゆれているもの」だというご示唆があるような気がしています。doingとしてのスウィングと、being(存在)としてのスウィングというか。両面あるような。(自分でも何を言っているのか分かりませんが。。)

 

本当に勝手な解釈で申し訳ありませんが、スウィングさんの活動は、日々の様々な「ゆれる」を様々な取り組みを通して「見せる・魅せる」ことで、見た人の心の中にある元来ゆれているものを呼び起こしたり、共振・共鳴させていっているような気がします。他者の何かの表現に「心が揺らされる」という体験も、共鳴・共振するための受動体・受動板みたいなものがないと起こらないとも思うので。その本来ある受動体に何かを投げてみるということを、ものすごく巧みにされている。それは固くいうと「アート」なのかも知れませんが、もっと別な表現がいいのでしょうか。

 

色々長々と勝手なことを書いてしまいましたが、とにかく、僕の心はものすごく揺らされました。感動しています。20年もこの仕事をしてきたのですが、いつの間にか所謂障害福祉の常識に、〇〇するべき、〇〇せねば発想に、知らず知らず「スウィング」すること、本来していることを忘れてしまっていた部分を揺り動かされました。スウィング大好きです。生Qさん、生沼田さんにもお会いできて本当に嬉しかったです。

 

申し遅れましたが、これは怪文書ではなくラブレターです。

 

まだ一度しかお会いしたことがないのにこの厚かましさ、怪文書。これはギリギリアウトなのでしょうか。。是非、セーフでお願いしたいです。

 

この度は本当にありがとうございました。スウィングさんにも、御本にも出会えて良かったです。大げさではなくて、何か希望のようなものを戴いたような気がしています。長くなり申し訳ありません。またお会いできることを祈っております。(三重県にも行きたい…)

 

そしてこの場をお借りして、沼津にラブライブ?があってよかった。感謝です。  

           

大橋正季

| スウィンギン・ドキュメント | 02:41 | comments(0) | trackbacks(0)
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