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研修報告書:アートの評価を考える(講師:椹木野衣氏)

 

障害のある人のアートの「橋渡し」を考えるためのセミナー

第3回:アートの評価を考える

 

・記入日:2019年2月27日

・記録者:木ノ戸昌幸

 

 実施日:2019年2月7日(木)18:00〜19:30 

 場所:京都場(きょうとば) 京都市中京区西ノ京南聖町6-5

 内容:アートを評価するということは、作品の魅力や意義を言葉にし、人に伝えるということであり、「なぜアートが人間や社会に必要なのか」ということを考えていく重要なプロセスです。アートのプロセスや社会的コンテクストを含め、幅広い視点から評価や批評を行ってきた評論家を招き、その価値を図るまなざしを学びます。

 講 師:椹木野衣氏(美術評論家・多摩美術大学美術学部教授)

 聞き手:岡部太郎氏(一般財団法人たんぽぽの家)

 

<参加の目的>

昨今、障害のある人によるアートも【売れる/売れない】【入選する/しない】等の評価軸に置かれる機会が増え、【評価が高い作品=良い作品】といった風潮が生まれつつあることに疑問、違和感、危機感を感じる。表現を、アートを、作品を、評価するとはどのようなことなのか? 椹木さんの考え方を学ぶ。

 

<研修で学んだこと>

●批評は文芸である!

椹木さんは「批評」をする人である。批評と評価は別物。評価はある尺度(評価軸)を持って優劣等を判断するものだが、批評に評価軸はない。なぜなら批評は人それぞれの内なる印象、主観的な自己表現だからだ。よって批評は誰にでもできる! 

 

●表現は、作品は、「関係性」の中で作られる! 

椹木さんは言った。

「もっと関係性を見るべきではないか? 作者も作品名もいらない。究極の理想はキャプションがなくなること」。

近年、障害のある人の「行為」を「作品」として提示する機会が増えており、魅力的なものも多い。が、「作者」とされるその人自身には作品としての自覚がなく、その魅力を発見し、作品として提示しているのは、その人の周辺にいる人(多くは支援スタッフ)の場合がほとんどであるように思う。だとしたらそれは、むしろスタッフの作品ではないのか? あれ? じゃあ「その人」はどうなってしまうのだ? そういう疑問がもやもやと、常に僕の中にあった。

この疑問にひとつの、明快な解を与えてくれたのが「関係性」という考え方だ。ある1つの表現、作品は様々な人との関係性の中で作られている。いや、ほとんど関係性の中でしか生まれ得ない。だとしたら全ての作品は共同作業によるものであり、「作者」は仮の、(「外部との回路」としての)一応の代表者みたいなものである。とりわけ障害者の表現活動には「全てその人の自発性によるもの。周りは何もしていません!」といった神話が伴うことも多いが、特に黒子に徹しがち……というより、なりたがる支援者はもっと堂々と、前に出てもいいのではないか。もちろん、どの程度その人の表現に関与するか?は常に逡巡すべきであるが。 

 

<意見・感想・今後について>

椹木さんは戦い続けている人だと感じた。参加して本当に良かった。

僕は「まともがゆれる」を書いたことが、「自分だけの手柄」のようになっているのに違和感があった(いや「自分だけの手柄」にしようとしていることに後ろめたさがあったと言うべきか)。とりわけ担当編集者さんとは、寝る間も惜しんで一緒になって頑張ったし、その存在失くして本の完成はあり得なかった。編集者の存在、マジヤバいと実感した。が、当の編集者さんはやはり控えめに、黒子に徹しようとする。また、この本にはスウィングの、様々な人の詩や絵が登場するし、僕が書いた本文の内容も、スウィングの実践、スウィングの人のこと、それらを通して考えたことがほとんどである。つまり「書く」という作業は確かに僕がしたけれど、この本はやっぱり、編集者との、そしてスウィング皆との関係性によって生み出されたものなのだ。椹木さんの話を聞いて「僕だけの本ではありません。編集者さんやスウィングみんなで作った本です!」と言っていいのだということが分かって、僕はとにかく、肩の荷が下りたようにほっとした。でも「みんなで作った本です」みたいなことを迂闊に言ってしまうと、どうにも嘘くさい、綺麗ごとな感じが漂ってしまうので、なかなか口にはしづらいのである。

| 考えごと | 20:36 | comments(0) | trackbacks(0)
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