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たぶんフルチンよりフルオープンの方が難しいんだぜ!

 

スウィングには現在、27名の「利用者」と8名の「職員」(うち1名は僕、うち1名は事務員のゆみさん)がいる。「利用者」を言い換えれば「被支援者(=支援を受ける人)」、「職員」を言い換えれば「支援者(=支援をする人)」となり、あるいは福祉サービスという観点から言えば「利用者」は「サービス受益者」、「職員」は「サービス提供者」ということになると思う。

 

スウィングはこのように人間を言葉や立場性で白黒ハッキリ二分化してしまうことに疑問を持ち、こうした構造や関係性(【利用者/職員】とか【被支援者/支援者】とか)の解体を日々の歩みの中で進めてきた。また公的にも「特定非営利活動法人促進法」に基づく定款において「活動会員」(=この法人に所属し、様々な市民活動を主体となって実践する利用者及び職員)という規程を設け、スウィングに属する全ての人が平たく、NPOとして推し進める市民活動の主体者なのだ! という旨を明記している。

 

社会から付与された「利用者(被支援者)性」や「職員(支援者)性」、あるいはその境界を溶かし、「ひとりひとり」がNPOとしての市民活動、そして社会福祉施設としての社会福祉活動の主体者(実践者)となるという試みは、概ねものすごく上手くいっており(なんて雑!)、スウィングという場やそこで培われてゆく文化をイイ感じに醸成してゆく礎になっていると感じている(なんて曖昧!)。ていうか本来「当たり前」であるはずのことを、「当たり前」にしているだけなんじゃないかとも思う。

 

しかしながらその一方で、僕たちが「職員」という立場性や「支援者」という職をもって、「利用者」の何倍もの賃金を得、生活の糧としているという事実も厳然としてあるわけで、僕たちはこの動かし難い現実からも決して目を逸らしてはならない。スウィングは設立以来、フリースクール「わく星学校」さんと仲良くしてきたが、「わく星学校」にも同じような問題(?)があることを数年前に聞いた。即ち、「先生」「生徒」が共に学び合う「わく星学校」だけれども、「先生」はお金(給料)を得、「生徒」はお金(授業料)を払うという、やはり二分化された現実があり、「これってなんかおかしくない?」という議論が巻き起こったりしているらしい。解決しない問題かもしれないけれど、とっても大事なことのように思う。

 

木ノ戸

 

…じゃない! じゃない! 僕が書きたかったのはこれじゃない! 

僕が書きたかったのは四至本くんのことなんだもん! 

四至本くんから食らわされた、あの衝撃(?)のことなんだもん!

 

 

今から8年前、2010年にスウィングの一員となった四至本くんにはあるクセがある。それはほとんど一定周期で「やる気」が失せてゆき、次第に日々の仕事がおろそかに雑になってゆき、明らかにその表情までもがだらしなくなってしまうというクセである。このクセがMAXに、どうしようもないくらいに発揮されたある年、四至本くんはスウィング史上、唯一の「懲戒処分」を受けた。これは「スウィングに来るだけで仕事!」ていうか「生きてるだけで大仕事!」という仕事観が根付いているスウィングにおいてはまさしく異例のことであるが、それはやっぱり四至本くんが「職員」だったからに相違ない。平たく「活動会員」であることを基本としながら、同時にプロの「支援者」(何をもってプロか? は謎!)としてもあり続けなければならない。わお! スウィングって難しいのかも! 

 

話を戻す。

 

この四至本くんのクセが出るたびに僕はどうしているか? その答えは「そのつど四至本くんを叱る」である。すると四至本くんはそれを合図のようにして回復(?)し、翌日から再びいい顔をしてリスタートするというサイクル、いや、むしろシステムを、この8年間、僕たちは採用し続けてきたのだ。

 

先月のことだったろうか。明らかに日々覇気が無くなり、明らかに仕事がおろそかに雑になってゆく四至本くんに気づいた僕は、「もう、そろそろアカンな…」というタイミングで四至本くんを呼んだ。「分かるやんな?」とひと言言うと、即答で「はい」。もちろん僕の中に巻き起こったのは「分かってんにゃん! も〜お!!!」である。そしてこの「分かってんにゃん! も〜お!!!」を無かったことにせず、これまでのように「叱る」ではなく、正直にこう尋ねてみた。

 

 

「おれがこうして話をする時って、自分でもアカンて分かってんの?」

 

「はい、分かってます」

 

 

だと思う。分かっているからこそ「なんのことですか?」ではなく、即答で「はい」なのだと思う。

…しかしここでひとつの疑問が浮かぶ。分かっているならば、なぜ自分自身で改めようとはしないのか? それは果たして四至本くんにはできないことなのだろうか?

 

 

「え〜っと、分かってても自分自身ではどうにもできないの?」

 

「はい」

 

 

正直やなあ、おい! よ! ミスター人任せ!

なんか、段々楽しなってきたわ。よし、もう一歩踏み込ませてもらおう。

 

 

「それはどうして? 自分の中にどんな気持ちがあるの?」

 

 

どちて? どちて? 分かってるのにどうにもできないって、マジでちょっと分かんない。理由が知りたい。

ねえ、どちて? どちて? どちてなの? すると四至本くん、ちょっとはにかみながらこう答える。

 

 

 

 

「いけるんじゃないかって、思ってしまってます」

 

 

 

この答えを聞いた途端、僕は「すっげー!!!!!」と思った。そして思わず大笑いした。「いけるんじゃないか」って!!! つまりこのままではアカンとどこかで分かっていながらも、「いやいや、このままでもいけるかもよ? 誰にも気づかれないかもよ?」という悪魔の囁きにボロ負けし続けていることを、正直に、バカ正直に、この男ははにかみながら言ってのけたのだ。僕はここまで自分を曝け出せるのはマジでスゴい! と感動しながら「でもな、叱る方も疲れるんやんか、やっぱりこのシステム続けなあかんの?」と、「おれを助けてくれ」みたいな感じで正直に尋ねた。正直には正直返しである。すると四至本くんからは更に正直にこう返ってくる。

 

 

「はい、叱ってもらった方がいいと思います。自分ではちょっと…」

 

 

…そ、そうなんや。叱られる側からこう言われてしまっては、一体僕はどうすればいいのか。しばらく考えた末、僕は四至本くんにこう伝える。

 

 

「じゃあ、おれも自分から叱るのはしんどいから、四至本くんの方から叱って欲しいって言ってくれへん?」

 

「はい、やってみます」

 

 

はい! (理論上は)新システム確立! 

この意味の分からないシステムが果たして上手くゆくのかどうか。やってみなくちゃ分からない。しかしながら僕たちはこのやり取りを終始リラックスしながら進め、なんか知らんけど清々しい気持ちで話を終えることができた。

 

この清々しさってなんだろう? 

 

僕は四至本くんを責める気にはなれず、それどころか悪魔の囁きにボロ負けしてしまう自分をフルオープンにした四至本くんに爆笑し、そして感動した。また僕自身も「叱る」ではなく、四至本くんの本当のところを聞きたいと耳を澄ませ、「私、あなたに困ってます!」という自分を露わにした。結局のところ僕たちはウソの無い、素っ裸のコミュニケーションができたのだと思う。そして四至本くんは長い月日のうちに自分の「弱さ」を素直に受け入れ、力に変えつつあるのだと思う。願わくば新旧どちらのシステムも使いたくはない。けれど自分自身を奥の奥まで曝け出し、「弱さ」を他者に委ねた四至本くんの在り方に対し、僕は(余りにもオモシロすぎたので)敬意の念を抱かざるを得ないのである。

 

木ノ戸

| スウィンギン・ドキュメント | 19:58 | comments(0) | trackbacks(0)
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