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「境界線」上の京都人力交通案内

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Q&XLによるヘンタイ記憶パフォーマンス、京都人力交通案内「アナタの行き方、教えます。」。

去る6月27日(火)、我々は前回(→)と同じく、世界的観光都市・KYOTOの玄関口、JR京都駅へと足を向けた。

 

実施場所を決めるにあたって「また京都駅でいいんちゃう?」とサラッと言ったのはXLさんだが、確かに京都駅にはどう行ったらいいのか困っている人が圧倒的に多いし、そして前回「許可とってますか?」問題が勃発したけれど、どこで許可をとればいいのか? そもそも本当に許可が必要なのか? 分からなかったので、僕としてはその確認もしたいと思って今回に臨んだのだった。

 

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今回も様々な発見があった。「迷い人」(=行き先や行き方を探る人たち)の多くは系統や主な行き先が表示された掲示板の前でにらめっこをしている。じゃあ、そこでお役に立てれば! と思って一旦陣を構えてみたのだが、なんだか上手くいかない。スムーズにことが運ばない。…なぜだろう? 

 

それは「迷い人」のみならず、他ならぬQさんやXLさんが掲示板に惑わされまくったからだ。

 

掲示板に表示されている情報は既に頭の中にインプットされているにも関わらず、掲示板があるばかりにそこばかり見てしまう。もう知っていることを掲示板の中から探し出そうとしてしまう。しかも、「間もなく到着します!」みたいなことまで表示されるので、「もう来る! もう来る!」とか、余計なことまで考えてしまい、結果として焦ってパニクる。

 

総じて言うと、みんなが掲示板頼りになって、何より大切にしている「生身のやり取りのオモシロさ」が削がれてしまう。

 

「親切過ぎるモノ」が「それが無くてもできるコト」を奪ってしまうという現象。なかなか深いな…とか思いながら、前回同様、目まぐるしく情報渦巻く掲示板から少し距離を置いたところに場を戻すことにした。

 

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人の流れはなかなか読めない。思わぬ方向から、思わぬタイミングで「迷い人」の皆さんから行き方を尋ねられるが、QさんやXLさんは手慣れたもので次々と的確な案内をささっとやってのける。中にはトイレやATMの位置まで聴いてくる人もいるから「帽子」というコスチュームが持つ効果は絶大だ。ちなみにQさんはこの日、全員が揃ってはじめる前に「ソリスト」として既にお2人の案内をしていたという(ワケあってQさんとは京都駅で直接待ち合わせていたのだ)。

 

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「迷い人」の半数以上は外国の人だが、割と曖昧な情報しか持たないままで行き方を探していたりする。写真のこの方はものすごく英語が上手過ぎて(当たり前だ)非常に聴き取りにくかったのだが、「グッドビュー」「テンプル」「メニーメニースモールショップ」「アップ」「ヒル」等の言葉が聴きとれた(気がした)ため、行き先を「清水寺」と断定。元気いっぱい歩いてゆくというので、「アソコをストレイト!」「ゴジョードーリでライト!」等の完璧な英語を駆使し、完璧な案内をさせてもらった。清水の舞台から落っこちてなければいいのだが。

 

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この方は日本語が堪能でご案内はしやすかったのだが、「2、3時間で行って帰れるええとこな〜い?」みたいなノンビリ屋さんだったので、皆で相談の末、「嵐山」をご案内した。「どこそれ? 全然聞いたことないわ!」みたいな感じだったので良かったのではないだろうか。渡月橋から落っこちてなければいいのだが。

 

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さてさてやって来られた警備員さんたち。今回は前回と違って、代わる代わるいろんな人が、遠巻きに我々を見ていたのが印象的だった。勧誘でもない、宣伝でもない、もちろん営利目的でもない、恐らく「ただ親切をしているようにしか見えない」(事実、そうである)我々にどうアプローチしたらいいのか、あるいはそもそもアプローチするべきなのか迷っている様子が見てとれて、この取り組みが「グレーゾーン」、何らかの「境界線」上にあることを僕は理解した。

 

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そのうちにこうして近づいて来たりするんだけれども、バンバン「迷い人」はやって来る。我々は困っている人に対し、ただ問答無用の親切をしている。だんだんと警備員さんたちが「真の迷い人」になってゆく様子がちょっとオモシロかったが、周りをウロウロされるのも気持ち悪いし、警備員さんに対しても気の毒な思いもする。そして何より「制服を着た人」(=たぶんある種の「力」を威圧的に匂わすもの)が近寄ってきただけで、ものすごく萎縮してしまうQさんの様子がちょっと痛ましかったのだ。

 

 

Qさんのこの委縮は「第43回プチコロリ(in 祇園)」でのあちゃみちゃんの様子に通じる(→)。「きっと理不尽に頭ごなしに、“ただ”怒られた経験がたくさんあるんだろうな…」という想像は僕の勝手なものだが、あながち間違っていないような気もする。でも理屈ではなくQさんは縮こまってしまっているわけで、やっぱり気持ち良く正々堂々と活動したい。そうしてこちらの方から警備員さんに話しかけてみた結果、やはり前回と同じく「看板ははずす。帽子はファッションだからOK」というよく分からない妥協点に落ち着いた。でもまだ気持ち悪い−「境界線」上にいるのはオモシロくもあるが、同時に気持ちの悪いことでもあるようだ、少なくともこの場合においては−。

 

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今度は「許可」はどこで取ればいいのか? 尋ねてみたところ(皆さん、それぞれ違ったことを言うものだから困ってしまったが…)、どうやら「それらしきところ」を教えてもらうことに成功し、実際にその場所に向かって詳しいお話を伺うことにした。

 

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「それらしきところ」へ向かう途中、なぜだかドアを開けてくれるQさん。

「許可は取ってますか?」と尋ねる僕。

皆、笑う。

 

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「それらしきところ」はこの「新京都センタービル」内にある…

 

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…「京都駅ビル開発会社」というところであった。担当者の方はすぐに、そしてとても親切にいろいろなことを教えてくれた。京都駅前のあの広場ひとつ取っても、細かく権利を所有している団体(この会社だったり、なんとか組合だったり、JRだったり)が違うこと。ボランティア活動に使用するという想定(ルール)がそもそもなく(やはり「境界線」)、イベント使用の規約しかないこと、そしてその使用料がとんでもなく高額で、使用するのは「行政」が殆どだということ等々。

 

警備員さんも「困るんですよね〜」と言っていたが、困っているのはその警備員さん自身(「こういうことをしてもらえるのは有難い」とも言っていた)だったし、この説明を受けている時の場合は、やはり僕たちの活動には理解を示しながらもどう扱っていいのか分からない担当者の方であったように思う。でも、僕たちもどうしたらいいのか困ってしまったので、「じゃあ、気持ちよく活動するにはどうすればいいですかね?」と尋ねてみたところ、京都市バスの案内に特化されているのであれば「京都市交通局」に相談してみられては? という(恐らく)グッドアドバイスをもらうことができた。

 

「許可」という「力」が持つ強大さの不思議とともに、きっと世の中のあちこちに存在する「境界線」をどう捉えるか? ということは、その社会が有する許容値(幅)みたいなものを示す、ひとつの指標なのではないだろうか…などと思った。

 

さあ、どこへ向かうか? 京都人力交通案内「アナタの行き方、教えます」。

まだ僕たちの行き方は分からない。

 

木ノ戸

| 【OYSS!】京都人力交通案内「アナタの行き先、教えます。」 | 20:20 | comments(0) | trackbacks(0)
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