2013.07.16 Tuesday
深く甘い夜
どうした、そうたろう?
今日はたくさん遊んで疲れているはずなのに、
興奮して眠れないのかい?
「ニワトリはコケコッコー!!て鳴くの!
アサリはコケコッコー鳴かない!なにも言わない!!」
コレ!暗闇で急に大声を出したらびっくりするじゃないか。
でもオマエはなかなか深いことを言う。
そうだね、アサリは何も言わないね。世の中、おしゃべりさんがとっても多いのにね。
将来は哲学者かい?そんなんで食っていけるのかい?
ん、どうした?手を握って欲しいのか。
まったく甘えん坊さんだなあ!
父ちゃん172センチに対し、アナタ88センチ。
めっちゃ手、繋ぎにくいけど、腕が変な風にひんまがっても、父は喜んで応えるよ。
でも、さすがにバスのオモチャ握った手で、とうちゃんの手握るのは厳しくないかい?
とうちゃんもちょっと苦しいよ。もうそろそろ離してもいいかい?
え!ダメ!?
置くの?ウソ!オモチャ置くの?
オモチャ置いて、父ちゃんと手、繋ぐの?父ちゃん、バスに勝ったの!??
よしよし分かった。涙出てきた。
お前が寝つくまで絶対に離さないから、安心しておやすみ。
そしていつものように布団の上をぐるんぐるん回って、
父ちゃんを布団から追いだせばいい。
畳の上って冷たくって気持ちいいからね。
ん?今度はどうした?急に大声で泣き始めて。
そうか、今日が終わってしまうのがイヤなんだね。
わかる、わかるよ、その気持ち。
父ちゃんにもそんな夜があったよ。
遠い昔の記憶だけれど。
でもね、息子よ、明日もきっといい日さ、きっと。
「うえ〜ん!お茶ちょうだ〜い!お茶〜!!」
な、なんや、ノド渇いてただけかいな。
折角、今日が終わるとかどうとかカッコええこと言うたのに。
ちょっと待ってな、お茶な、注いでくるわな。
恋のような。夢のような。
そんな、深く甘い夜。
木ノ戸
ぐれちゃうかもよ?