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京都人力交通案内「アナタの行き先、教えます。」@オール・ジャパニーズ・ヤングメン

 

なぜか京都市バスの路線・系統を(ほぼ)丸暗記しているQ&XLのヘンタイ記憶を駆使し、観光客やお困りの方にベストな行き方、乗り継ぎをご案内する京都人力交通案内「アナタの行き先、教えます。」。

 

去る3月17日(火)。

 

64回目の出動日を迎えた我々であるが、新型コロナ騒ぎによって観光都市・京都を訪れる人が激減しているのは周知の事実。さて、こんな状況下で我々を必要としてくれる「迷い人」たちが一体どこにいるのか?

ああ、この活動が「観光」によって成り立っていることを改めて痛感する。ただの1円にもならないというのに、この、胸にポッカリと穴が開いたような感じはなんだ?

 

いや、ポッカリにポカ〜ンとするのではなく、今しかできないことをして、少し先の未来の肥やしにしようではないか。つまり普段、案内ばかりしている我々が逆に主要な観光地を巡って、今、実際にどんな感じなのか、自らの目で確かめてみようではないか。というわけでレッツ! リサーチ!!

 

……といっても限られた時間で行けるところは限られるよね。
じゃあ、まずは金閣寺、それから嵐山、最後に二条城というルートはどうかな?

え? なに言ってんの、Qさん。「錦林車庫」って全然主要な観光地ちゃうから。車庫やから。 

え? 清水寺? 確かに行ってみたいけどちょっと離れてるから時間的に厳しいかな〜。

あ、その代わりにこの3つの他にも行けそうなところがあれば柔軟に寄ることにしよ?

 

すごい。

まるで我々がベタな観光客みたいだ。

 

 

さて、まずは言わずと知れたゴールデンテンポー、金閣寺へ。

スウィングからは車で15分程度である。

 

わーわーわー。

いや本当に、バス停にも驚くほど人が少ない。

 

 

わーわーわー。

金閣寺前のこの通りがこんなスカスカなんて信じられない。

 

最近は「伏見稲荷大社」が注目されがちだが、我々の実感としてはやっぱりここが一番すごいのだ。

金ピカの、不動のナンバー1なのだ。

 

 

金閣寺でこうだと他はもっと閑散としてるんだろうな……。

そんなふうに想像しながら、続いて嵐山へと向かう。その途上にある有名どころは龍安寺、そして仁和寺。

 

どちらも立地的にあまり案内が必要とは思えず、この活動をしたことはないのだが、う〜ん、やっぱりガラガラ。

 

 

特に観光バスが本当に少なく、「観光バス業界、だいじょうぶでしょうか?」と美馬君(写真撮影)が心配する……。

 

 

 

 

「もうすぐや」

 

 

さて、嵐山へと向かう山を越えていると(名前は分からないが、とにかく山を越える)、Q氏がこう声をかけてくれる。


もうすぐ着くのは個人的に楽しみにしていた「山越中町(やまごえなかちょう)」バス停。


【金閣寺から嵐山へ】、そしてその反対の【嵐山から金閣寺へ】という鉄板観光ルートの乗り換え地点、それが「山越中町」なのだが、これまで幾度となく「迷い人」たちに案内してきたものの、実際に見たことがないのはもちろん、それがどこにあるのか? も僕はまったく知らなかったのだ。

 

 

このことを皆に話すと、XL氏でさえ今回が「初」らしく、実物(?)を見たり使ったことがあるのはQ氏のみであることが判明。

一同、「おお、ここかあ!」とキラキラ愛に満ちた眼差しで、この山中にあるバス停(っていうか車庫?)を見つめ、不思議な感慨に浸る。

 

 

ちなみにQ氏が「山越中町」バス停を使ったのも随分昔のことらしく、「仕事をサボってバスで彷徨っていた過去の行き先」のひとつだったという。

 

ちなみにちなみに彼が「仕事をサボってバスで彷徨っていた過去の行き先」は「山のほう」がほとんどで、中でも最も重宝していたのは、(僕たちが聞く限りでは)断トツで「大原」だ。

 

 

 

京都 大原 三千院 恋に疲れた女がひとり〜♪

 

 

という有名な歌(女ひとり/デューク・エイセス)があるが、恋に疲れた女ひとりと仕事サボった男ひとりが出会うことはなかったのだろうか?

 

勝手に決めつけてしまうと、当時人生の「迷い人」だったQ氏はバスであちこち彷徨いまくり、そしてヘンタイ知識を蓄えまくった。

 

今、その経験と知識を存分に活かし、世界中の「迷い人」を助けているのだとしたら、いや、やっぱり人生は分からない。

 

 

さて「分からない」のは、目下の状況も同じであった。

 

途中、大覚寺を経由し、やはり閑散としていることを確認。

タクシーの待機所にただの1台も待機していない。

 

この分だと当然、嵐山もスカスカなんだろうなあと行ってみると……。

 

 

おお! おお! いやいや、これは意外!!

 

 

観光バスこそ少ないものの、大勢の人出で賑わっているではないか!!!

 

 

ひょっとしてこのポスターの効果かもしれないねえ。

 

そして想像するに、嵐山がお寺や神社ではなく、広々とした「外」であることも大きいんじゃないだろうか。

 

 

兎にも角にも、この状況ってばアレができるんじゃない? 我々の本来のお仕事であるアレが!

 

昨年11月は京都駅・南口のリサーチで「やってない」。12月は年末で慌ただしいから「やってない」。1月は銀閣寺で「まあちょろっと」。2月はQ氏の失踪事件もあって「やってない」。つまりここ4ヶ月でアレしたのは1月の「まあちょろっと」だけじゃないか!

 

 

全員、異議なし。

 

急遽我々の本分であるアレ、人力交通案内をこの地で実施することとなったのである。

 

 

さて、一発目のこの方たちは二条城に行きたいと。ほおほお、鉄板な感じですね。

実は僕たちも今日行くつもりだったんだよ。でも君たちの姿を見てあんまり嬉しかったもんだから、ここに留まることに決めたんだ。

さあQさん、XLさん、さっさと案内しちゃってください!

 

 

「あれ?? 出てこーへん!」

 

 

この活動において、いちばん言ってはいけないことを思い切り口走るXL氏。

片や考え込んだまま、黙り込んでいるQ氏。

 

まさかのフリーズ!! 

まさかのポンコツ!!

 

なるほど、彼らのヘンタイも「月イチ発揮すること」によって磨かれ続けるわけか……。

なんとかヘンタイを奥底から絞り出し、案内を終え、その後は尻上がりに調子を取り戻した2人。

月1回でも続けるってマジ大事。継続性の大切さを身に沁みて実感した瞬間であった。

 

 

え? 「西ノ京円町」に行きたい?? えっとそんな何もないけど、そこからどこへ??

ああ、やっぱり金閣寺ね。すいてたよー。さっき見てきたよー。

スマホを見せてもらうと確かに「西ノ京円町」で204か205に乗り換えるルートが表示されている。けれど我々のおススメはやっぱり「山越中町」経由ルート。こっちのほうが混まないし、スイスイ行ける(と思ってる)んだよ。ついさっき通ってここまで来たしね。

 

通り向こうのバス停から11に乗って、「山越中町」で59に乗り換えてね。

ほんで最後は「金閣寺前」で下車してください。

ところでどこから来たの? ああ横浜! いいねー。 

じゃ、「メリーさん」って知ってる? 知らない? そうかあ、知らない世代なんだねー。

 

……話が急に飛ぶが、金閣寺の近くには「金閣寺前」バス停と「金閣寺道」バス停があり、このことについては以前詳しく書いた(→)。

しかし先日、3月20日のダイヤ改正によって「金閣寺前」バス停は「休止」されることになったという。

不便を感じておられる地元の方もいるようで、本日の京都新聞(3/26付)に記事を見つけたのでここに転載する。

 

 

京都市交通局がこのほど実施した市バスのダイヤ改正に伴い、一部系統で経路変更のため、停留所が休止になることに住民が不満を募らせている。市は観光客の増加で生じた混雑対策のためと説明しているが、設置から60年も経過するバス停の休止に住民らは「観光客の利便性のため、どうして住民が犠牲になるのか」と反発している。 

 

休止になった停留所は、北区のきぬかけの路にある「金閣寺前」と「衣笠総門町」。立命館大学前と三条京阪前を結ぶ12号系統と、山越中町と三条京阪前を結ぶ59号系統が停車する。両停留所は1959年に設置された。  

近年の観光客の増加に伴い、金閣寺前の停留所に利用が集中して両系統が混雑しており、市交通局は2016年秋から春秋の観光シーズンの土日を中心に2カ所のバス停を休止している。きぬかけの路を通らず、西大路通を経由するルートに変更してきた。  

同局は、この混雑緩和策に効果があったとして、ダイヤ改正した20日から試行的に通年で実施することを決め、今月3日に住民説明会を開いた。参加した近隣の女性(72)は四条烏丸方面に仕事で週5日利用しており、「観光シーズンの経路変更は我慢してきた。それが通年なんておかしい。市バスは『市民の足』ではないのか」と憤り、「高齢者が多く住む地域なので、自宅近くのバス停がなくなるのは死活問題」と訴える。  

同局は「試行的に休止するので廃止ではない。短期間で経路変更を再び行うことは困難だが、利用状況を見ていきたい」とする。住民がバス停を利用する赤阪町町内会の吉田実会長(68)は「試行的とするなら住民の意見を聞き、その意見を反映して元に戻してほしい」と話している。

 

以上

 

 

ところで今回我々が案内したのはなんと全員! 日本人の若者たちであった。

全部日本語で事足りたことなんて、一体いつぶりだろう。

お土産屋の店員さんにその辺りのことを尋ねると、最近は海外からの観光客、そして年配の方はほとんどおらず、やはり(着物を着た)日本の若者ばかりということであった。

 

その若者たちに今回僕が必ず尋ねたこと。

それは上記の通り「どこから来たの?」である。時々答えたくなさそうにしていた女子たちがいたような気もするが、その目的はただひとつ、東京・恵比寿「ACM gallery」で開催中のXL個展を、隙あらば紹介するためだ。

 

 

……と「千本釈迦堂」に行きたいという渋い案内を求めてきたこの若者に「どこから来たの?」をかましてみると、僕と同じ愛媛県出身。

それも詳しく聞けば、なんとなんと実家から車で15分程のところに住んでいることが分かった。

 

世間は狭い。

 

 

はいはい、え? 「ばえる」ところに行きたい?

それならやっぱり「伏見稲荷大社」じゃないかなあ、ほら、千本鳥居。

「へー、そんなとこあるんだあ」ってどこから来たの?

なに? 京都の人!?? 知らなかったの?? そんなことあるんだあ……。

 

ここから(京都市バスじゃなくって)「京都バス」の72か73か76か77に乗って、京都駅で今度は「京都市バス」に乗り換え。

「のりば」がややこしけど、何とか見つけて南5か急行105に乗って「稲荷大社前」で降りてください。

 

 

お次はまたまた二条城へ行きたいという、この2人。

もうスムーズやでー。京都バスの62か63か66か67に乗って「堀川御池」で下車。

そっから歩いてすぐですよ。

 

で、どこから来たの? 

え? 東京? 池袋??

遂に見つけた! 近所やん! 

ACM galleryのもう近所やん!

 

しかしXL個展も会期途中での一時中断が決まった。

ACM galleryの杉本志乃さんは「状況を見極めながら再開の日程を決めたい」と言って下さっている。

事態が落ち着き、安心して皆さまに足を運んでいただける日が来ることを願うばかりだ。

 

 

あっと言う間にときは行き過ぎ、この日の案内は無事に終了。

 

行き先で一番多かったのは、やっぱり断トツで金閣寺。オール・ジャパニーズ・ヤングメンを相手にしても、その圧倒的強さはさすがであった。

 

 

もう時間も遅かったが、心地よい疲労感とともに二条城へと車を走らせる。

偶然世界一イカした喫茶店を見つけ、「今度行こう」と心に誓う。

 

 

二条城はガラガラだったが、もう16時を過ぎていたのでなんとも言えない感じ(16時受付終了/17時閉城)。。。

 

 

正直、僕はこの日の道中や案内がとても楽しかった。それにこの状況下だから、できるだけ早くレポートを書くつもりだった。

でも次年度に向けた予算立案やらを優先しているうち、およそ2週間のタイムラグが生じてしまった。

 

2週間前は、まだ楽しい気持ちそのままに書けていたように思う。でもジャスト今は、こんなレポートを書くのは「不謹慎!」と言われかねない雰囲気が漂っているように感じる。

見えないウィルスも感染の広がりも確かに不安だし、そもそも諸行無常の世の中だ。

 

でも。

 

 

先日、テレビのない我が家に念願のラジオを導入して驚いたのは、新型コロナウィルスについての、あまりにも多くの情報量である。聴いているのが辛くなり消してしまうと、当たり前だが穏やかな静寂が訪れる。

 

耳を塞ぎたいわけではない。

 

現に毎日のように行政からは関連メールが送られてくるし、Facebookのタイムラインに流れるトピックの多くも、新型コロナ関連のものだ。けれどウィルス以上に感染が拡大しているのは有象無象の情報であり、それに掻き立てられる「不安」のように思えてならない。

 

 

花を育てていると、ご近所との会話が弾む。

仕事が休みだった昨日(3月26日)の午前中、シクラメンの世話をしていると近所のO島さんがやって来て、立ち話になった。

世間の空気はどこ吹く風、ひたすら「胃腸の健康」について話をしたのだが、去り際にO島さんは空を見上げて清々しくこう言った。

 

 

「天気が良ければ、それだけで気持ちがええなあ!」

 

 

強い!!! と思った。

 

次回、京都人力交通案内「アナタの行き先、教えます。」は一応4月27日(月)、木ノ戸の誕生日(そしてQ氏の誕生日の翌々日)に京都のどこかに出没予定である。

 

木ノ戸

 

★お願い/視察・見学について★

・大変ありがたいことに、日々視察・見学の依頼をいただいております。

・が、その対応(連絡・調整)に担当者が追われまくっている、という状況があります。。。

・スウィングの見学日は毎月第3水曜日と第4金曜日となります。 

・時間、料金、定員、プログラム等の詳細については下記ブログをご覧ください。

 

2019.03.04 Monday

見学日を月2回(毎月第3水・第4金)とさせていただきます。

http://garden.swing-npo.com/?eid=1400635

 

どうぞよろしくお願いいたします。

 

NPO法人スウィング

木ノ戸昌幸

| 【OYSS!】京都人力交通案内「アナタの行き先、教えます。」 | 16:21 | comments(0) | -
京都人力交通案内「アナタの行き先、教えます。」@Q失踪事件の顛末

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なぜか京都市バスの路線・系統を(ほぼ)丸暗記しているQ&XLのヘンタイ記憶を駆使し、観光客やお困りの方にベストな行き方、乗り継ぎをご案内する京都人力交通案内「アナタの行き先、教えます。」。

 

去る2月25日(火)、我々一行は「京都のどこか」に向かうはずだったのだが、この日朝からQ氏の姿が見えず、それは出動前、午後1時を過ぎても変わらなかった。

 

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Q氏が何の連絡もなく、「気分ひとつ」で仕事を休むことは少なくない。心配してかける電話に出ないこともしばしばだが、この場合はなんらかの被害妄想によって、ふて寝をかましていることがほとんどだ。けれど着信さえ残しておけば、後から地獄の底から這い出てきたかのような声でかけ直してくるのが通常なので、この日もXL氏と2人体制で時々電話を入れるようにしていた。

 

……が、「おかけになった番号はお客様のご都合によりお繋ぎできません」のアナウンスが流れるばかりで、遂に出発の時間までコンタクトを取ることはできなかった。

 

Q氏は京都人力交通案内という仕事に、大きな責任感を持っている(と思う)。

この仕事ができるのは自分とXL氏しかいないことは分かっているだろうし、「迷い人」(どのバスに乗ったらいいのか困り、案内を求めている人)が大勢いることも肌身で実感し続けているはずだ。

 

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でも、ま、責任感よりも「気分ひとつ」が優先されがちなことも我々はよく知っている。

だからスウィング出発時点での心配度はそれほどでもなく、とにかく(寝ているに違いない)Q氏を迎えに行って、それからどこかに出没しようと決めたのだった。なんせ彼の家からは「伏見稲荷大社」も車で15分ほど(近い!)だし、「三十三間堂」にはちょっと歩けばすぐに着く。

 

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撮影の美馬君も交え、ダラダラ喋りながらQ氏の住む、京都市内某所のマンションへと向かう。

ちなみにQ氏とXL氏は同じマンションの、隣同士に住んでいる。もちろんこの活動のためでもなければ、特別仲良しだからというのでもなく、もっと複雑な事情があってのことだ。

 

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着いた。

 

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この時点で考えていたことは「Qさん、起きてすぐに出れるかなあ」と「今日はどこで案内しようかなあ」という2点のみ。

 

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よく知るQ氏の部屋の前に立ち、ピンポ〜ン! とベルを鳴らす。反応がないので何度か繰り返す。

……あれ? おかしい。Q氏の眠りはめっちゃ浅いので、ピンポ〜ン! で起きないはずはない。

起きていても出てこないのはQ氏ではなく、親キャバ増田さんのはずだ。

 

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にわかに不安が高まる。

 

郵便受けから部屋の中に向かって声をかけるが、それでも反応がない。

扉を叩いてもやはり反応はない。

メーターを覗きこんだXL氏が「電気が止まっている」と言う。

 

……いない?? 

 

しかし、いなければスウィングに来ているはずだ。性格は悪いがこの仕事をすっぽかしてどこかに遊びに行ってしまうほど無責任な人ではない。それにふて寝から目覚めたのなら、電話をかけ直してきているはずだ。

 

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本気の不安、心配に変わる。

 

Q氏には糖尿病の持病もある。美馬君の表情も固くなり、「これをこのまま撮っていいのか……」という迷いが生じはじめている。大家のFさんに電話をし事情を説明すると、すぐに鍵を持って駆けつけてくれる(本当にありがたい)。

 

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仕方がない。鍵を開け、部屋へと入る。

Qさん、無事か? だいじょうぶか??

 

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……いない。……どこにもいない。

しかしいつも彼が背負っているマカロン柄のリュックサックはある。

……なぜだ? 余計に不安が募る。

 

いるはずの人がいないとき、捜す側はどんな行動を取るか知っているだろうか?

その答えは「何度も何度も同じところを捜す」。

冗談ではなく「便器や洗濯機の中まで、棚の引き出しまで開けて捜す」。

 

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とにかく部屋にいないことは間違いない。

すぐにマンションを出て、リュックサックを置いたまま行きそうなところ、つまり近所にある「行きつけの店」を捜す。

 

1件目はコンビニ。いない。

 

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2件目はマクドナルド。いない。以上。

落ち着いて考えなければならない。

 

1つ目の推理。京都市バスの中で何かめっちゃ嫌な思いをして、「こんな仕事やってられるか!!!」とふてくされてどこかに行った。

 

あり得るが可能性としては低い。

 

2つ目の推理。昨日(祝日)から部屋に帰っていない。即ち何らかのトラブルに巻き込まれ、どこかでどうにかなってしまっている……。

 

残念ながらこの可能性が一番高い。

 

 

スウィングや、展覧会や講演などのイベント(?)で、ご機嫌なQ氏を見た人にはイメージがつきにくいかもしれないが、彼は今でも日常的に(主に「相手が当たってきた」という被害妄想や信号無視などのルール違反に端を発する)ストリートファイトを繰り広げる人物だ。

ファイトと言っても殴り合いではなく、言い争いがほとんどのようだが、最近は「怒鳴ってからダッシュで逃げる」という戦法を取りはじめたため、「えらい! それはいいね!」と称賛していた。

 

だが、頭の片隅ではいつも考えていた。

いつか何事かに巻き込まれ、逃げ切れない事態が生じてもおかしくはない……と。

 

 

……いや、待てよ。今日はひょっとして通院の日なんじゃないか? 

Q氏がT病院に行くのはいつも火曜日、前回通院はちょうど1ヶ月前くらいだったはずだ。交通案内は通常月曜日に実施しているが、今回は祝日もあってイレギュラーな火曜日実施。しかも3連休の後で通院日とも重なり、Q氏はうっかり忘れてしまっているんじゃないか。

 

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これなら何もかも、辻褄が合う。

 

スウィングに即、電話。情報の確認をする。Q氏からは「何も聞いていない」らしいので、T病院からなんとか情報を得て欲しいと西川君に依頼する。

 

その間、美馬君と大家さんは再びQ氏の部屋へ。部屋に今週のスケジュール表があるかもしれないと考えたからだ。西川君とのやり取りが終わった頃、2人が戻って来るがスケジュール表はなかったらしい。

 

けれど晴れやかな顔をしている。

何か手がかりがあったのだろうか?? 

 

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なんとQ氏の炊飯器が「保温2時間」となっていて、つまり少なくとも3時間ほど前までは彼は部屋にいたんじゃないかというのだ。

なるほど、Q氏が「予約」で米を炊くとは思えないし、だとしたらそうに違いない。

 

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「炊き上がったご飯をなぜ食べていないのか?」という謎は残るが、この日の夜はヘルパーさんに焼き飯を作ってもらう予定らしく、きっとそのための準備なのだろう。

 

Q氏捜索隊一同に50%くらいの安堵感が広がる。

これで病院に行っていることさえ確認できれば……。

 

後は西川君からの連絡を待つしかない。

Q氏の消息は心配だが、その間にやるべき仕事をしよう。

そうして相談の結果、我々は日本一の人気観光スポット「伏見稲荷大社」(昨年3月以来2度目)へと向かったのであった。

 

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Q氏の自宅から15分ほど車を走らせ、前回と同じ駐車場に車を停める。

制帽やら案内用紙やら必要物品を積んだバックドアを開けたたちょうどそのとき、西川君からの電話が鳴る。

どうだった? 病院に行ってた? それとも??

 

 

「Qさんからさっき電話がありました! 病院じゃなかったんですけど、今日も休みやと勘違いして普通に遊びに行ってたそうです。今もう家に帰ってはります」

 

 

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なんですと!???

 

でも、良かった。心底ホッとした。

3連休やったしね。いつまで休みか分からんくなって間違えることも、まあ、あるある。

……いや、あんまりないと思うけど、そうかあ、元気に遊びに行ってたのかあ。本当に良かった。

 

「最悪どこかで土左衛門」の絵づらまで浮かんでいた我々にとって、これは朗報でしかなかった。

 

Q氏に電話をかけるとすぐに繋がる。あらためて事情を聞き、あらためて安堵する。

そしてひとしきり話をした後、誘ってみる。今から一緒に交通案内しないかと。

Q氏はこの一件をやたら謝っていたし、責任感が疼いてるんじゃないかと思ったからだ。

 

よっしゃQさん、今から迎えに行くわな!

 

 

 

 

 

「それはちょっと無理やな」

 

 

 

うわお! 考え過ぎてた! 責任感とか関係なかった!

今、お昼ご飯食べてるから無理なんやって! 

 

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自宅で昼食中のQ氏を残し、深い安堵感と共に改めて伏見稲荷大社へと向かう。

おお、空いてるね。間違いなく新型コロナウィルスの影響やね。

 

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そう言えばもう15年以上前、XL氏やアッキーと一緒に初詣に来たことがあった。

あの頃はまだ、ここが日本一の人気観光スポット(2013年から6年連続らしい。ただし調査元によって順位は異なる)になるなんて、誰も思ってなかったんじゃないだろうか。

 

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ああ、しかし今日はゆっくりできるねー。千本鳥居もゆっくりできるねー。

あの初詣のときにここまで来たかなー。思い出せないなー。

 

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いやあ、ゆっくり過ごせるって素晴らしいことだねー。

Q氏は無事だったし、伏見稲荷も堪能できたし、もう今日は今さら交通案内なんてしなくっていいねー。

 

 

いずれにせよガラガラやったしね。

 

あ、そう言えば「マカロン柄のリュックサックを持って出ていなかった謎」について後日Q氏に尋ねると、「上着とコレが入ってる」と、お気に入りのジャンパーとなんかのアニメの人形が入っているのを見せてくれた。全然答えになっていないけど、まあ、いいか。

 

というわけで次回、京都人力交通案内「アナタの行き先、教えます。」は、Q氏の失踪や新型コロナウィルスの影響でどうなるか分らないが……一応3月17日(火)、京都のどこかに出没予定である!

 

木ノ戸

 

★切実なるお願い/視察・見学について★

・大変ありがたいことに、日々視察・見学の依頼をいただいております。

・が、その対応(連絡・調整)に担当者が追われまくっている、という状況があります。。。

・スウィングの見学日は毎月第3水曜日と第4金曜日となります。 

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2019.03.04 Monday

見学日を月2回(毎月第3水・第4金)とさせていただきます。

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木ノ戸昌幸

| 【OYSS!】京都人力交通案内「アナタの行き先、教えます。」 | 16:37 | comments(0) | -
京都人力交通案内「アナタの行き先、教えます。」@ガラガラワラワラ銀閣寺編

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なぜか京都市バスの路線・系統を(ほぼ)丸暗記しているQ&XLのヘンタイ記憶を駆使し、観光客やお困りの方にベストな行き方、乗り継ぎをご案内する京都人力交通案内「アナタの行き先、教えます。」。

 

2017年8月以来およそ2年半ぶり! 去る1月23日(月)、我々一行は「銀閣寺」へと向かった。

 

ところで11年半に渡って「135回」も続けてきたのに滅多に雨の降らない清掃活動「ゴミコロリ」に対し、この京都人力交通案内は雨が降ったり、「なんだかなあ……できるかなあ……」といった微妙な天候に見舞われ、実施するか否か、あるいは実施場所の判断に迷うことが多い。

 

 

原因としてすぐに思いつくのはQ氏の「性格の悪さ」だが、でも本当は優しい人だし、第一「ゴミコロリ」にも毎回参加している。

 

いや、「性格の悪さ」がなぜ天候に影響するのだ??

 

じゃあメンバーの中に雨男がいるのだろうか? だとしたら「ゴミコロリ」には参加してない美馬君(撮影)ということになろうが、そんなん一度も聞いたことがないし、でも明日確かめようと思う。

 

そう。問題なのは次回の実施がもう明日なのだ。今は2月24日(月)だから、25日(火)ということどす。でも、このレポートをアップするのは25日(水)の予定だから、ややこしくって仕方ないどすね。

 

 

個人的な話になるが、「2月はヤケクソ」と決め、とにかく仕事をしまくっている。

相変わらずスケジュール管理は超ヘタクソ、「いける!」と思って予定を詰め込んだ過去の自分を呪っても仕方がないので、ヤケクソと開き直ることにしたのだ。忙しいと「休まなければいけない」という気持ちになる。だから休んでみるのだが、結局仕事をしてしまったり、頭ん中が忙しいので休めない。そこで気がついた。

 

あ! 休めないときには無理して休む必要ないのだ!

 

すると「休まなければいけない」病から解放されて気が楽になって、結果として心が休まったりするんだから、嗚呼、生きるって難しい。

 

とにかく! 前置きが長くなったが明日はもう目の前なので、そして他にもやらなあかんことがまだまだたくさんあるので、前回レポートは簡潔に完結させていただくことにします(うまい)。

 

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はい、1月23日(月)。この日も雨がパラパラ降ったりやんだり微妙な天候。でも、ま、とにかく行ってみようと、久々の「銀閣寺」へ向かったのは誰の発案だったか全く覚えていない。

 

現地につくと……おおう! ガラガラ!! 

まだこの頃は新型肺炎の話なぞ全く出てなかったと思う。知らんけど。

しかし天気一発でこんなにも閑散としちゃうのねー、正月ムードも去った1月末だしねー、こりゃあ、今日は楽できるぞーと喜んでしまう我々は一体何がしたいのか?

 

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でも、不思議不思議。

さっきまでの景色がウソのように、時折、どこからともなく人波がワラワラと現れ出るから不思議不思議。

 

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さて、我々が陣取ったのは「銀閣寺前」バス停。

ここは「のりば」がひとつだけなのだが、ちょっと離れたところに「銀閣寺道」バス停が、それもABCD4つも「のりば」がある点がややこしいところだ。

 

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この日の案内で最も多かった行き先は「京都駅」。

 

【前乗り後ろ降り方式】の「急行100」に乗ってもらえば一発である。

 

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ちなみにQ氏によると、終点「京都駅」到着時には前と後ろの扉が両方とも開くらしい。

なるほど、前乗りしたときに先に運賃は支払ってるわけだから、そういうことできるのね。

 

しかしやっぱりヘンタイ!

 

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トリッキーな案内もあったよ。「〇〇まで行きたい」じゃなくって「『急行102』に乗りたい」って。

でもどこに行きたいかが分からないと案内しにくいんだ。だって、ほとんどの系統がそうなんだけど、北行きがあれば南行きがあるし、東行きがあれば西行きがあるからね。

 

 

でも、ここでもQ氏のヘンタイが炸裂したよ! 

 

急行102の南行きは「錦林車庫」が終点だから、つまり車庫に行っても意味がないから、恐らく行きたいのは北行きが向かう「金閣寺」じゃないか? って。

 

そしたら当たってたよ! 「Golden Temple?」って聞いたら「Yes!  Yes!」って!

 

 

でもねー、金閣寺に向かう急行102に乗れる「銀閣寺道/Bのりば」を案内するのがちょっと難しかったんだ。だからすぐに「ジャンヌ・ダルク」(「Follow me!!」と後を付いてきてもらうやつ)を発動、いつも通りXL氏が案内したんだよ。

 

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だって僕が行っちゃうとさ、紙に案内を書ける人がいなくなるし、Q氏はそういうの「向かない」からね。

 

適材適所、役割分担ってやつだね。

 

 

……しかししかし、ここでひとつの疑問が湧き上がる。よく見ると金閣寺へと向かう急行102は、「銀閣寺道/Bのりば」だけでなく、「Cのりば」も経由するようなのだ。なんでなんで? どちてどちて? おかしくない? ややこしない? そしたらここでもQ氏のヘンタイが冴え渡る。

 

「両方、乗れる。46の四条大宮といっしょや」

 

両方乗れる、つまり急行102は同じバス停の、2つの「のりば」から乗れるんだって!

よー知らんけど、「46」も「四条大宮」で、なんかそんなことになってるんだって!

ややこしさの解決にはなってないけど、やっぱあんたのヘンタイ、すごいね!

 

あ、この後のやり取り、ぜひ動画でどうぞ!!

 

 

Q氏が「BUS MANIA」であることを認めた瞬間を収めた貴重な映像。

楽しんでもらえたかい???

 

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僕もさ、ファインプレーひとつしたから自慢していい??

「『慈照寺』に行きたい」っていうこの人。すぐにピンと来たよ、「慈照寺」=「銀閣寺」だって!

銀閣寺の正式名称は「慈照寺」。金閣寺の場合は「鹿苑寺」。たまに海外のマジメなスマホが正式名称出すんだよね。その昔「日本史」がまあまあ好きだったことが今になって役に立つとはね。人生って分かんないね。

 

というわけで以上、簡潔に完結!!!

次回、京都人力交通案内「アナタの行き先、教えます。」は、昨日2月25日(火)、京都のどこかに出没したはずである。

 

木ノ戸

 

★切実なるお願い/視察・見学について★

・大変ありがたいことに、日々視察・見学の依頼をいただいております。

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・スウィングの見学日は毎月第3水曜日と第4金曜日となります。 

・時間、料金、定員、プログラム等の詳細については下記ブログをご覧ください。

 

2019.03.04 Monday

見学日を月2回(毎月第3水・第4金)とさせていただきます。

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木ノ戸昌幸

| 【OYSS!】京都人力交通案内「アナタの行き先、教えます。」 | 16:10 | comments(0) | -
京都人力交通案内「アナタの行き先、教えます。」@狂乱の京都駅・南口編

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完全に失敗した。

 

その結果として、あまりにも多くの人たちに、あまりにも大きなご迷惑をかけてしまった。

 

人生に失敗はつきものだし、人は迷惑をかけ合いながら生きてゆくものだ。けれど今回の大失敗は、どう考えてもさすがに限度を超えていた。反省している。猛烈に反省している。だから本日実施予定だった京都人力交通案内(第63回)は活動を自粛することとした……。

 

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なぜか京都市バスの路線・系統を(ほぼ)丸暗記しているQ&XLのヘンタイ記憶を駆使し、観光客やお困りの方にベストな行き方、乗り継ぎをご案内する京都人力交通案内「アナタの行き先、教えます。」。

 

去る11月27日(水)午後2時前、我々一行はこの活動史上初! 「京都駅・南口(=八条口)」へと足を踏み入れた……だけなら、さすがにあのような混乱は生じなかっただろう。

 

しかしながら僕は11月20日(水)にアップした前回レポート(→)の最後に、このように書いている。

 

次回、京都人力交通案内「アナタの行き先、教えます。」は11月27日(水)、京都駅・南口を第一候補としつつ、京都のどこかに出没予定である(たいてい当日まで決まらないんだな!)。

 

そう、「行かないかもよ?」とうっすら匂わせつつも、「京都駅・南口を第一候補」と明言しているのである。

 

朝日新聞夕刊トップ掲載(2019年6月15日)をはじめ、この活動への注目が国内、いや世界的にも高まっていることはうっすらと感じていた。だからファンの皆さんに「彼らはひょっとして来ないかもしれない。でも、でも、かなり高い確率で現れそう!!」という当たり前の心理が働くことは、ちょっと考えてみれば想像できたはずなのだ。

 

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慢心。いや、油断と言うべきか。

 

Q氏もXL氏も意欲は十分だったものの、近年、急速に整備・開発が進んだ京都駅・南口の実態をよく知らなかった。だから今回、案内自体は実施せず「まずはリサーチをしよう」と決めたことは、冷静な判断だったと思う。

 

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実際、南口には想像をはるかに超えた15の「のりば」があり、これは数だけで言えば真反対、京都の表玄関「京都駅・北口」(=中央口、烏丸口)とほとんど変わらない。

 

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しかも京都市バスだけでなく、観光バス、高速バス、空港リムジンバスなど様々な種類のバスが混在している点も加味すると、そのややこしさは北口を優に上回っている。

 

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京都駅と京都大学附属病院とを繋ぐ「hoop」(KYOTO UNIVERCITY hospital loop bus)の存在もはじめて知った。

 

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京都女子大学と市内の要所を結ぶ「プリンセスラインバス」は十数分おきに発着していた。ちなみにQ氏はもちろんこのことをよく知っており、必要以上に興奮していた。エロいヤツだと思った。

 

でもその興奮は、実は僕の中にも激しく巻き起こっていたことをここに告白したい。

 

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プリンセスラインバスはなんというか、思い切って言えば「女子トイレ」のようなものだと思う。しかも誰でも、勇気を持ってお金さえ払えば入れてしまう女子トイレだ。そんな女子トイレが他にあるだろうか。

 

「女子トイレに入る」という、あの禁断の行為に伴う甘美な背徳感を知る人は、あまりそうとは口に出さないだけで、決して少なくないだろう。ああ、プリンセスライン最高。

 

ジェンダー的な観点から見れば最低野郎であることを自覚しつつ、それでも自身の内に今、間違いなく在るこの感情に、真摯に目を向けようと思う。

 

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とっても赤くって、「プリンセス」っていう名前がついてて、京女生ご用達なのに誰でも乗れちゃう女子トイレみたいなプリンセスライン最高! 最高、最高、最高!!!

 

……違う違う。「よく知らない南口のリサーチに専念する」という判断自体は間違っていなかったのだが、同時に「リサーチだけなら、まあだいじょうぶだろう」と、うっかり高をくくってしまったのが、やはり大きな油断だったのだと思う。

 

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でも、我々に会いに、あんなにも大勢の人たちが集まってくださったことは、本当に本当に嬉しかった。油断と言ってしまえばそれまでだけど、まさか我々の人気がビートルズ級(たとえが古い。ていうか彼らの来日当時、生まれてもいない)にまでなっているとは夢にも思わなかった……これが嘘偽りのない、正直な気持ちであることは分かってほしい。

 

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あの人波。

おびただしい数の警官。

そして幾多の人たちの足を止めてしまった交通規制。

 

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言い訳にしかならないけれど、天皇皇后両陛下が来られるタイミングと、まさに丸かぶりしてしまったことも、あの大混乱の、ひとつの要因だったのかもしれない。

 

あまり知られていないと思うが、通常この活動の実施日は、毎月第4月曜日と決まっている。それが今回11月25日……つまり第4月曜日にとある研修会に僕が参加したため、また、その次の日はQ氏の都合が悪かったため、やむなく2日ずらし、この27日水曜日実施となったのだ。

 

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もし「我々だけ」だったなら、3分の2、いや4分の3くらいの人出ですんだんじゃないか。


この世に「もしもボックス」が存在するならば、今すぐ言いたい。もしも前回レポートに出没地点を書かなかったら……もしも両陛下とタイミングがかぶらなかったら……。

 

 

いや、ここへきてまだクヨクヨしている自分を情けなく思う。意図せずではあるけれど、既に大きな社会的影響力を持ってしまったこの京都人力交通案内の意義を今一度深く自覚し、新年1月、気を引き締め直して再出発を図ること。我々にできるのは唯一、それだけしかない。そして12月は何だかんだと気ぜわしいから、来年以降も実施しないでおこう。あ、8月も暑すぎるからナシね。

 

ファンの皆様、また関係各位に多大なるご迷惑をおかけしましたことを、ここに深く深くお詫び申し上げます。

そして厚かましいお願いとなりますが、この活動のこれからを、今後も温かく見守っていただければ幸いに存じます。

何卒、どうぞよろしくお願いいたします。

 

京都人力交通案内「アナタの行き先、教えます。」一同

 

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……とまあ、長い冗談はこれくらいにして、この日のリサーチの最後、僕は期せずしてじ〜んと胸に響く言葉と出会う。

 

京都駅・南口は想定外に相当ややこしく、果たしてここでの案内が上手くいくのか、僕にはまるで自信が持てなかった。だから2人に尋ねてみたのだ。実際にここで案内をやるかやらぬか、どうする? と。

 

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「う〜ん」としばし考えた末、Q氏が「やってみないと分からん」と言う。すると、XLも同じように「うん、やってみんと分からへん」と。

 

そうだ。上手くいくかどうかなんて、やってみないと分からないのだ。いや、たとえ思惑通りにゆかなくとも、そんときはそんときで「上手くいかなかったね」とさらりと言い合えばいいのだし、実際、そんな感じでやってきたのだ。

 

知らぬ間に守りに入り、失敗を恐れていたのは僕だけであった。

 

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それにしても、Q氏は(それがたとえ身近な存在であっても)人に対する警戒心が極度に強い人だったし、XL氏は「知らん」「できん」「無理や」の3ワードが挨拶代わりみたいな人だった。その2人が「やってみないと分からない」って。

 

こうして我々は互いに足りない「何か」を補い合いながら、京の街に「迷い人」ある限り、来る年も勝手におせっかいを続ける所存である。

 

次回、京都人力交通案内「アナタの行き先、教えます。」は、(第4月曜日がまた無理なので!)2020年1月23日(木)、京都のどこかに出没予定である。

 

 木ノ戸

 

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| 【OYSS!】京都人力交通案内「アナタの行き先、教えます。」 | 14:36 | comments(0) | -
「境界線」上の京都人力交通案内 episode 2

 

なぜか京都市バスの路線・系統を(ほぼ)丸暗記しているQ&XLのヘンタイ記憶を駆使し、観光客やお困りの方にベストな行き方、乗り継ぎをご案内する京都人力交通案内「アナタの行き先、教えます。」。

 

去る10月28日(月)。

 

月イチの出動日であるその日、Q氏の姿が朝から見えない。

まあ出動は午後からだし、彼が遅れてくることはしょっちゅうなので……て言うかスウィングには「遅刻」という概念すら無いに等しいので、最初は誰も気にも留めなかったのだが、お昼前になっても来ないとなると、さすがにちょっと心配になる。

 

 

電話をしてみるが、出ない。

自分からかけた電話に出ないと怒るクセに、出ない。

きっと前日の「命の渚コンサート」に疲れてしまってグーグー寝ているのだろう。

 

ビッグチャンス到来である。

 

2017年6月に実施した「JR京都駅編」(=「境界線」上の京都人力交通案内)は、著書『まともがゆれる』にも加筆修正して収録した名エピソードだ(言うよね〜)。

 

何がどう「境界線上」なのか? は前回のレポート(→)に委ねるとして、我々は、いや、Q氏を除いた3人(木ノ戸、美馬君、XL)は再び京都駅に出動するタイミングを慎重に探り続けてきた。

 

あのとき、Q氏が警備員から受けたストレス。

 

特技のひとつに「人を威圧すること」がある割に、威圧的な人にはめっぽう弱い彼の性質を僕たちはよく知っている。

 

だからこの間、「今度、京都駅に行くときには普通のカッコして、普通の人のフリをしながら、おれたちを助けて」「ほんで警備員が近づいて来たら、すーっと遠ざかって」などのアイデアを提案したりしていたのだが、とにかく強烈な苦手意識を持ってしまった彼にとっては「行かない」ことが最適。

でも「自分の仕事だ」という責任感も強いので「行かない」という選択もしづらい……じゃあ、どうしよう?? という状況から、なかなか前に進めなかったのである。

 

しかしながら、出動日にも関わらず来ないということは、彼に遠慮をしたり妙な工夫をする必要もないし、また彼自身が悩ましい選択や判断をする必要もない。

 

これはもう行くしかないではないか!!

Q氏よ、最高の無断欠勤をありがとう!!

 

何度も電話して出られてしまっては困るので、「心配で電話したよ?」という足跡だけをちょろっと残し、我々3人は実に2年4ヶ月振りにJR京都駅へと向かった。

 

 

前回はまだ美馬君(撮影やデザイン担当)もチームに加わっておらず、ユニフォームもなかった。

朝日新聞夕刊トップを飾ったのも最近のことだし、つまりはこの活動の知名度も今よりずっと低かった(今でも大したことはないが)。

 

さあ、警備員とのコミュニケーションに変化はあるのか、ないのか?

 

やってみなくちゃ分からない。

 

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前回と同じく情報が渦巻きすぎるやかましい電子掲示板前は避け、まずは京都市内や駅周辺の「案内図」前に陣を構える。

紅葉シーズンにはまだ早いこともあってかニーズはそこそこ、しかもなぜか日本人へのご案内が相次いだ。

 

どうしてかしら?

 

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Q氏の意見を聞いたり遠慮したりする必要がないからか、XL氏が繰り出す案内はいつにも増してスムーズだ。

 

もちろんQ氏を邪魔者扱いしたいわけではない。

 

2人のヘンタイ知識や案内の仕方にもやはり違いがあって、XL氏の案内は「速攻&スタンダード型」、対してQ氏は「熟考&トリッキー型」(「アーティスティック」とも呼べる)と言えるだろう。

 

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異なる個性を持つ2人が補い合うからこそ良い案内ができるのであって、即ちこの日のXL氏の案内には「もっといい行き方があるのかもしれない」という可能性が常につきまとっていたように思う。

でも、ま、京都駅は何に乗っても始発だし、間違えた案内をしているわけではないのだからそれでいいのだ。

 

可能性って求めればキリがないし、時々とっても厄介だよね?

 

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「河原町三条」への行き方をご案内している途中、我々の背後をひとりの男が通りすぎる。

確実に笑っている。確実に怪しい。

 

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この方の正体は「Lanka」(鹿児島)の有馬さん!

お久しぶりの再会!

 

しかし、こんな偶然ってあるんかいな。

 

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雰囲気に慣れてきた頃、恐る恐るややこしい電子掲示板前にも行ってみる。

やはりここは異常にニーズが高い。

が、ひっきりなしにやって来る「迷い人」への案内をスムーズに行えたのは、「混乱するから電光掲示板は見ない」という鉄則を事前に決め、守ることができたからだろう。

 

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この方たちは「Golden Castle」に行きたいと。

もちろん正解は「金閣寺」。さすが世界中でいろいろな呼び方をされているようだ。

「B2のりば」から、205、急行101、もしくは急行111に乗っちゃってください。

 

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……そう、ただの「Bのりば」ではなく「B2のりば」からね!

 

同じ「のりば」名なのにAとかBとかCとかDとか、場所によったら10ヶ所くらいあったりする、ややこしい京都市バス。

ここ京都駅はそのややこしさの極致! 市バスだけで15ヶ所(JRバスも含めると18)もの「のりば」がある。

 

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「バスターミナル」としてきれいに整備されているからコツさえ掴めば結構分かりやすいのだが、慣れない人にとってはやはり混乱必至だろう。

だから行き方を案内しても「で、その『のりば』はどこ?」と質問が続く場合が多く、そんなときにはターミナルの近くまで行って「指差し確認」をして丁寧に案内を完遂した。

 

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老舗百貨店「京都大丸」に行きたいというこの方(中央、案内用紙を持っている方)。

「A1のりば」から5系統に乗り、「四条高倉」で降りるようご案内するが、直後にXL氏があることに気づく。

 

「あ、五条通のヤツは行かへん」

 

……よく意味が分からないが、どうやら5系統であっても「四条高倉」へは行かないバスがあるらしい。

 

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男性を追いかけるように「A1のりば」へ行き確認すると、なるほどそういうかことか。

5系統にも2種類あって、「五条通/5」は通常の5系統とは違うルートを辿るらしい。

 

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まったくもってややこしいが、それよりなんでそこまで知ってるの??? あなた!!!

 

あらためてXL氏のヘンタイ知識に驚愕をしているうち、もうそろそろ営業終了の時間が近づいてくる。

 

足りない。何かが足りない。

 警備員が足りない。

 

これでは前回と比較できないじゃない? と妙な焦りを感じていると、美馬君が「出てきました」と耳打ちをしてくる。

 

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おお、ほんまや。……でもスルー???

いいやん、いいやん! 分かっちゃいるけど、スルーって最高やん!

 

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あ、いや、やっぱりガッツリ来た。

さあ、ここからだ。

 

「何をしてるんですか?」

「迷っている方たちにバスの乗り継ぎ案内を」

「おお、それはご苦労様です」

「いやいや、警備も大変でしょう。こんなに大きな駅だから」

「まあ仕事ですから。お互いがんばりましょう!」

「ありがとう!」

 

……とは全然ならなかった。

それどころか前回のようなファッションの話はすっ飛ばされ、「許可を取ってやってください」の一点張り。

 

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そして(前回と同じく)一点張りの間にも迷い人は続々やって来る。

そりゃそうだ。困っている人たちにとって、許可もクソもあったもんではないだろう。

 

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ほらほら、上手く案内できないじゃない?

だからね、別にお金が欲しいわけでもなく、宣伝がしたいわけでもなく、ただの親切をやってるだけなの。

 

「ええことしてまんなあ!」までいかなくとも、「変わった人たちもいるもんやなあ」では済まないのだろうか。

 

しかし、どれだけ説明しても言葉を尽くしても、「許可」が何より大切らしい。

前回、その許可を取るところにも行ったけれど、「ボランティア活動に関する規約がない」って言われた経緯も説明するが、そんなことは知らん、とにかく許可!

 

前回レポートの締めに書いた一節が、激しく脳裏をよぎる。

 

「許可」という謎の、強大な力に縛られ、弾力を失ってしまった社会に心が白ける。そして世の中のあちこちに存在するグレーゾーンをどう捉えるかは、その社会が有する許容値(幅)を示す、ひとつの指標と言えるのではないだろうか。

 

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けれど白けていても進歩がないので、じゃあ、どこなら許可を取れるのか? とダメ元で尋ねてみると、前回とは違う「〇〇管理組合」いうところを教えられる。

う〜ん、なぜ違うのか。でも違うってことは「前回とは違う回答が得られるかもしれない」とプラス思考を働かせ、○○管理組合はどこにあるのか? と再び尋ねると「知りません」だって……。

仕方がないから電話番号だけ教わり、我々は「まだ分からないぞ」と勇みながら帰路についたのだった。

 

そして早速テレフォン。

結論から言うと〇〇管理組合は前に相談したのと同んなじところで……なんや名前が複数あるのかな? もう分かんない!

でも担当者が以前とは違っており、うちではなくって京都市役所のある部署に相談して欲しいと言われる。

おお! これで活路が開けるのか!? とまだプラス思考は止まらなかったのだが、程なくこれが例のヤツだということに気づかされる。

 

たらい回し。

 

その部署の担当者・K氏はとても親切に対応してくれた。

でもとっても困ってしまっていて「権限を持つのは〇〇管理組合さんで、使用する際にはうちもお願いをしている立場なんです」と。

 

むふーーーー。

まぎゃくーーー。

 

とにかく面倒なことは十二分に分かったし、もっかい〇〇管理組合に問い合わせる気は起こらなかったので、一応最後に尋ねてみる。なんかいい方法はないですかね??

 

「う〜ん、そうですね……。あ! 南口でやるのはどうですか???」

 

K氏の声が明らかに華やぐ。

基本的にネガティブ満載のやり取りの最中、この前向きな声はかなりうれしかった。

 

……でも、南口???

 

なるほど、僕たちが今回も前回もややこしい事態に陥ったのは京都駅・北口のほう。

普通、「北口」とはわざわざ言わないのだが、それは中央改札もあるし、(上述の通り)でっかいバスターミナルもあるし、真ん前に京都タワーもあるし、京都市内中央部のほうを向いているし、「南口」なるものがあることを感じさせないくらい、明らかに「表玄関」だからだ。

そして「南口」と区別したとしても、「烏丸口」とか「中央口」といった呼び名のほうが一般的である。

 

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対して南口(こっちは「八条口」が一般的な呼び名だと思う)は言うなれば「裏」のほうだから、なんちゅーか地味っちゅーか、盛り上がりに欠けるっちゅーか。

でも、近年は南口自体がかなり整備されたり、お店が増えたり、近くにデカいショッピングモールができたりで、以前とは比較にならないくらい人の往来もある

 

これはひょっとして、アリなんじゃないか。

 

 

どこでも平気なXL氏はいいとして、後日「北口」に過大なストレスを感じてしまうQ氏にこのことを伝えるとニヤリ。

 

いいかも。いいかも。

これは実験してみる価値あるかも。

 

次回、京都人力交通案内「アナタの行き先、教えます。」は11月27日(水)、京都駅・南口を第一候補としつつ、京都のどこかに出没予定である(たいてい当日まで決まらないんだな!)。

 

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| 【OYSS!】京都人力交通案内「アナタの行き先、教えます。」 | 18:05 | comments(0) | trackbacks(0)
京都人力交通案内「アナタの行き先、教えます。」@「南座」近くのあの辺り編

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なぜか京都市バスの路線・系統を(ほぼ)丸暗記しているQ&XLのヘンタイ記憶を駆使し、観光客やお困りの方にベストな行き方、乗り継ぎをご案内する京都人力交通案内「アナタの行き先、教えます。」。

 

去る9月30日(月)、我々は前々から「行きたいね!」って言ってたけど、これまで一度も行けてなかった「四条京阪前」に向かった。

 

「四条京阪前」とは、歌舞伎公演で著名な「京都四條 南座」があるところだ。

 

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……んだがね、これがちーとややこしいわけさ。

 

「四条京阪前」バス停、A、B、C、3つの「のりば」が位置するのは、観光都市・京都のメインストリート「四条通り」と、鴨川沿いを南北に走る「川端通り」が交わる交差点の周辺である。

 

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が、その交差点の名称は「四条大橋」。

 

これ、今回行くまでマジで知らなかった。

いや、「知らなかった」というより「意識してなかった」と言うべきか。

僕は京都に住んで20年以上が経ち(結婚してた数年間は滋賀在住だったけどね! てへ!)、Q氏とXL氏なんか、もう半世紀くらい京都に住んでるのに。

確かに四条大橋はすぐそばにあるのだが、我々、この日まで交差点の名前もてっきり「四条京阪前」だと思い込んでいたのである。

 

んー、別に日常生活には一切! なんも! 影響ないけど思い込みって怖いね。

ちなみに後日スウィングの朝礼で「あの交差点の名前は?」クイズを出したところ、なんと正解者ゼロ。

ちなみにちなみに「川端四条」という回答が一番多かった。

 

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さらに「四条京阪前」ということは、「はあはあ、なるほどね。近くに京阪電車の『四条』駅があるのね」ってピンと来ちゃう人も少なくないと思う。

 

が、“微妙に”そんな駅は存在しないんである。

 

はい、今を遡ること11年前、2008年・秋。

京阪電車は「丸太町」を「神宮丸太町」に、「四条」を「祇園四条」に、「五条」を「清水五条」に、それぞれ駅名を変更したのだ。

以下、「烏丸経済新聞」(2008年3月3日)記事より抜粋。

 

「四条」は1915年に、「五条」は1910年に開設された歴史を持つが、同社は「観光のお客さまに分かりやすい駅名にすることが大きな目的」と話す。全国的にも知名度の高い名称を使うことで他線との差別化を図り、京都の観光路線としてのイメージを強化して旅客誘致につなげていく狙い。

 

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このニュースを聞いたときの違和感ははっきりと覚えているし、今でもこれらの新しい駅名は全然しっくり来ていない。

なんかね、観光客へのアピールが露骨すぎてね、いやだなあって思ったのがずっと消えないのだ。

だってー、「祇園」はともかく、「清水」って言ったら「清水五条」駅からまあまあ遠いでっせー。きもーい。

 

ああ、しかし2008年と言えば、「ゴミコロリ」や「オレたちひょうげん族」が始動した、スウィングにとっては記念すべき年だ(ちなみに京都人力交通案内のはじまりは2012年)。

懐かしいなあ。

 

ともかくひとつの場所に、こんなふうに複数の名前が存在したら混乱しちゃう気がするのだが、でも「四条」というワードは全てに共通してるし、この辺の待ち合わせには「南座」前を使いがちだし、誰かがこのことで困ったという話も聞いたことないし、別に大した問題ではないのだろう。

 

コラコラ。

「大した問題ではない」ことを書くために一体どれだけの時間を費やしているのだ(90分くらい?)。

本題にひとつも触れられてないじゃないか。

 

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はい! 我々がこの日最初に陣取ったのは「南座」前にある「Bのりば」。

金閣寺や二条城といった鉄板の観光地へのアクセスはこの「のりば」が一番いいし、他の「のりば」と比べて写真映えしそうだったし。

 

しかしまあ、ここでなんとたくさんのドラマが生まれたことよ!!

 

実は我々、8月はこの活動をお休みしている。

「猛烈な暑さ」に加えて、Q氏がその「猛烈な暑さに猛烈に弱い」ことがその理由だ。

夏は毎年、Q氏にとって「鬼門」とも言うべき季節で、疲労困憊して心身ともにグチャグチャにコンディションを壊しがちだ。

 

百聞は一見にしかず。

たとえば去年の8月の顔がこれ。

 

 

はい、アウト。レッドカード。ハルマゲドン。

 

誰がこんな顔した人間に案内を求める???

ま、でもQ氏のみならず真夏に無理はいかんよね、無理は(もちろん高校球児もね)。

観光客の皆さまも夏の京都は避けたほうが無難かと思われます。

 

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はじめて採用した「8月お休み作戦」は功を奏し、2ヶ月ぶりの「現場」に勘を取り戻すのに四苦八苦する僕をよそに、Q氏は開始早々、絶好調であった。

Q氏の好調の目安として「っぽいアナウンス」が出るかどうか、がある。

 

百聞は一見にしかず。

どうぞ。

 

 

「っぽい」でしょう? 

「京都市バスの関係者っぽい」でしょう?

 

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ついでに僕も「っぽい」でしょう?

 

でも違うんですよ〜。ぽいけど、なりきりはしないところがポイントなんですよ〜。

まあ、なりきりたくっても無理なんですけどね〜。関係ないから。

 

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毎回、最初にすることは人の流れを見たり、3人がぞれぞれバス停のどこにポジショニングすればいいか? という考察だが、次々にやって来るバスを注意深く見ているうち、僕はこの時はじめて、あることを疑問に思った。

 

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バス(の乗り口)って、バス停のどこに合わせて停まるのが正しいの?

 

バス停には当然「バスに乗りたい人たち」の列ができるわけだが、京都市バスはその列(=先頭の人)からズレたところに停まることも多い。

これが電車なら「オーバーランだ!」とか大騒ぎになりそうなものであるが、京都市バスにおいては恐らく「あるある」として市民に認識されており、「ああ、ちょっとズレた」とか思いながら、乗り口を目がけてテクテクと歩く……というのが普通の風景である。

 

 でも、本来、どこに停まることになっているのか? 

 

これは即ちどこに並べばいいのか? の答えにもなるわけで、う〜ん、どうなんやろ。マジでわからん。

絶好調のQさん、こんなん知ってへん?

 

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「ここ」

 

 

即答であった。

調子のいいヘンタイは、自信満々にあるところを指さしたのである。

 

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なるほど!! 点字ブロックのとこ!! 

知らんかったけど、言われてみればなるほど!

確かにそこに合わせて停まんないと、目の不自由な人は困ってしまうよね!

 

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Q氏のヘンタイ知識にあらためて感心していると、嘘みたいなタイミングで目の不自由な人がやって来て、嘘みたいにバスはズレズレにズレて停まった。

するとその人はバスの車体を手でなぞりながら乗り口へと向かい、我々もスムーズな乗車ができるようサポートし、お礼を言われたりした。

 

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京都市バスのズレる停車(上の写真はドンピシャです)。

大勢にとっては「普通の風景」になっていること。

でもそれってやっぱり「大勢」の見方なのであって、「大勢」の中に入っていない人たちにとっては結構大変なことなのかもしれない。

 

しかしながら、ここで正しい場所に「ピタッと停まらない」市バスや運転手に「もっとちゃんとしろよ」と言うのは簡単だし、なんか違うと思う。

もちろん運転手の皆さんには正しい停車場所に停まらなければ困る人たちがいることは知っておいて欲しい。

でも、そんな、毎度毎度ピタッってわけにはいかないだろうし、市バスにイチャモンをつける前に、もっと普通に手助けすればいいのだと思う。

 

もし困っている人がいれば、そばにいる人が助ける。

 

以上。

 

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僕がこの活動を続けてきてよかったなと思うことのひとつに、三者三様に「ソロ活動」を行うようになったことがある。

Q氏やXL氏は、制帽をかぶらずとも困っている人がいれば個人的にバス案内をしているというし、僕は「まだ乗る人がいるのに発車しようとする不届きなバス」の乗り口に半身を突っ込み、扉クローズを阻止し、「どうぞ!」といざなう紳士のような、ヤカラのような活動を主に行っている。

 

いろんなものが足りすぎているが、でも絶対的に不足しているもののひとつが「おせっかい」だと常々思う。

見返りなど求めず、拒絶されても気にもせず、でも気になった風景をスルーしないこと。

皆、もっともっと恐れず、「おせっかい」をかましまくればいいんじゃないだろうか。

 

ああ、こんなことを言いつつ、ややこしい文章を書いたことを今思い出した。

 

これです。

 

 

ふう。さりげなくnoteに誘導することに成功したぜ。

このブログからの転載だってことはヒ・ミ・ツ!

 

だー!!!

いつの間にか説教臭い内容になってるし、相変わらず本題(=案内の様子)に触れられてないじゃない!

 

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はい! この日絶好調だったミスターQ。

たとえば、この方たちはここから案外アクセスしにくい京都駅に行きたがっていたのだが、彼の案内は実に冷静だった。

いつもは「乗り換えなしの、市バス1本!」とか意味不明なこだわりを見せがちなのに、「ここから四条河原町まで歩いて、マルイの前から205とか4とか17に乗ってください。四条河原町まではバスでも行けるけど、混んでるし歩いたほうが早い」と。

 

まあ日本人だったからできた案内ではあったが、なんてスマートで柔軟!

さらに補足情報として「一応、『Aのりば』から(京都駅行きの)臨時が出てるけど本数が少ない。土日やったら86も走ってるけど」だって。

 

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わ、ほんまや……。きも。

 

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わ、ほんまや……。きも。

なんでこんなん、知ってんの???

 

また、やはりここでも「金閣寺へ行きたい」人たちは多かったのだが、全くもってややこしいことに、金閣寺へは「Bのりば」からも「Cのりば」からも行けてしまうというのだ。

 

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ね?

 

Q氏いわく「『Cのりば』から乗ったら三条京阪をグルッと大回りして結局『Bのりば』に来るから遠回りになる。だからBから乗ったほうが遠回りせずに早く着く」のだそうだ。

なるほど。でもややこし! 

 

ほんでやっぱり、なんでそんなん知ってるん???

 

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そんなわけで金閣寺に行きたいけど「Cのりば」と「Bのりば」で迷っている人には「Bのりば」を猛プッシュしたのだが、たとえばこの方たちの場合、なぜか「一体私たちはどうしたらいいの???」くらいに激しく混乱していた。

 

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でも流暢な英語にほとんどついていけず、とにかく「ここで合ってるから! 信じて!」で押し通して落ち着いてもらったのだが、続いて「トイレに行きたいんだけど」と言い出さはったので、さあ、今度はXL氏の出番である。

 

トイレ? もちろん知ってますとも!

我々が今回車を停めたのは市営駐車場で、そこにはもちろんトイレがありますとも!

 

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即、「Follow him!」と「ジャンヌ・ダルク」システムを発動、ふたりは仲良くトイレへ向かって歩き出した。

「一期一会で一緒にトイレ」ってなんかいいね。

 

ああ、今回活躍したのは2人だけじゃないぞ。

僕もちゃんと仕事したぞ。

 

 

「Bのりば」から「Aのりば」へと移動し陣を構え直した後、このお2人が「行きたい」と見せてくれたスマホには「Okazaki-jinnzenn」の表記。

岡崎神前??? ひょっとして……。

 

「Rabbit??」

「Yes! Yes!」

 

お、やっぱり「岡崎神社」のことだぴょん。

行ったことないけど、ここがウサギの関係で人気スポットらしいことは知ってたんだぴょん。

というわけで、「203に乗って『岡崎神社前』で降りてください」とご案内。

 

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そして忘れてならないのはこの人、「ジェシー(仮名)」との出会いだ。

産寧坂、つまり清水寺らへんに行きたかったジェシー。

彼とこの2日後に「嵐山」で奇跡的な再会を果たし、でもとっても悲しかった涙の物語はこちらをお読みください。

 

2019.10.03 Thursday

★哀しきヒーローの定め Thank you Jesse, and Good bye.

 

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前置きだらけで案内の様子にはほとんど触れられなかったが、でも、2ヶ月振りに「現場」復帰して感じたのは、「やっぱりこの活動はオモシロい!」に尽きる。

今回は美馬君(写真撮影)に加え、佐藤君(修士論文を書くため)も同行したのだが、2人は「このオモシロさって現場にいないとなかなか伝わんないですよね〜」的なことを語っていた。

 

そうなんよねー。

頑張ってこうしてレポートを書いてはいるものの、毎回いろんなドラマが起こりまくり、三者三様に知恵を振り絞りまくり、世界各国の人たちと「バスだけ」を通して繋がり合うこの活動の魅力は、リアルな「現場」じゃないと伝わらないと思う(いや、ま、なんだってそうかも)。 

 

でもノンフィクション作家・川内有緒さんが、この活動をとっても嬉しく評してくれていたので、ここに紹介させていただく。

 

このやたら親切な道案内は、果たしてボランティアなのか、趣味なのか、アートなのか、もはやその線引きは誰にもわからないけれど、とにかく愉快だ。何が面白いって、既存の境界線を踏み越え、障害者という既成概念をぶっ壊すその姿。

(「わくわく!」で世の中を照らす「美術館らしくない美術館」猪苗代はじまりの美術館/未知の細道 No.146より)

 

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ああ、嬉しい。

 

そうなのだ。

京都人力交通案内のみならず、スウィングがやってることは全部こんな感じなのだ。

大切なのはカテゴライズではなく「何をしているか?」。

 

あらゆるラインをガシガシと、でも丁寧にぶっ壊し、越境し続けたい。

 

次回、京都人力交通案内「アナタの行き先、教えます。」は、10月28日(月)、京都のどこかに出没予定である。

 

木ノ戸

| 【OYSS!】京都人力交通案内「アナタの行き先、教えます。」 | 21:35 | comments(0) | -
京都人力交通案内「アナタの行き先、教えます。」@クロワッサンと京都市交通局と二条城とYシャツと私

 

なぜか京都市バスの路線・系統を(ほぼ)丸暗記しているQ&XLのヘンタイ記憶を駆使し、観光客やお困りの方にベストな行き方、乗り継ぎをご案内する京都人力交通案内「アナタの行き先、教えます。」。

 

去る7月22日(月)に出動したのは二度目の「二条城」であるが、まずはその直後に起こった嬉しいニュースを一発お伝えしたい。

 

 

7月29日、こんなん出ましたけど〜。


『Dr.クロワッサン 新装版 疲れないコツ』 (マガジンハウス刊)!!

疲れないコツ。

知りたい! できれば疲れずに生きてゆきたいもん!

 

 

そして、そん中にこんなん出ましたけど〜。


そう! なぜか京都人力交通案内(嵐山編)の密着レポートを皮切りにスウィングの記事が!

なぜか「認知症はこわいですか?」っていうコーナーに! 

 

とても丁寧に取材をしてもらったその内容はぜひぜひ買って読んでいただくこととして、いや、「マガジンハウス」さんの本に出れたことは個人的にとても嬉しい。

『an・an』とか『Tarzan』とかはまあ、どうでもいいんだけど(失礼な!)、昔から僕の本棚にはマガジンハウスの漫画がけっこうたくさんあって……いや、たくさんはない、ほんの数冊だけれども、若い頃に買って読んで、ず〜っと大切にし続けているのだ。

 

 

(一度たりとも読んだことないにも関わらず!)もちろん『クロワッサン』も昔から知ってるチョー有名な雑誌だし、まあ本当に人生というのは何が起こるか分からない。

こまりんは「スウィングと言えばゴミコロリと思ってたけど、交通案内が出るのってなんか新鮮ですね」と。


確かに。


『クロワッサン』と京都人力交通案内。あるいは認知症と京都人力交通案内。

不思議な組み合わせである。

 

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そして「何が起こるか分からない」と言えば、遂に遂に京都市バスの元締め! 京都市交通局運輸課からお2人の職員さんが、この日の活動を視察に訪れてくれたのだった。

やっぱり新聞、それも全国紙の力って大きい(ゆえに怖いとも思う)。これまでも京都新聞には何度か取り上げてもらったことはあったのだが、交通局からの「見に行かせてください!」アプローチは、朝日新聞夕刊(6/15付)一面掲載直後のことであった。

6月は直前すぎて都合が合わなかったため、この日の活動内容を伝え、直接、現地(「二条城前」バス停)で待ち合わせてご対面……っていうのが何かとってもいい感じだった。

 

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ああ、市バス内での不快な出来事(主に「運転手が挨拶をしなかった」というもの。ダルい……)に対し、しょっちゅうクレームの電話をかけているQ氏が、もしもブラックリストがあれば確実に載っているに違いないQ氏が、その京都市交通局の職員さんと仲良く市バス談義に花を咲かせている。めっちゃ話が弾んでいる。

 

何という不思議な光景だろうか。

 

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活動前半はドシャ降りだったり、後半はすっかり止んだり、この日の天候はとっても不安定だったが、僕たちの心は終始晴れやかであった。

別に誰かに認めて欲しくてやってるわけではないけれど、やっぱりこうした思いもよらないことが「現場」で起こるのはとても嬉しい。やってきて良かったなって思う(ちなみにこの日はまた別の見学者も来て下さっていた)。

 

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さて、ここからは通常のレポートとはちょっと趣を変えて、時々忘れそうになるけれど「Q氏とXL氏はやっぱりヘンタイ!!!」と、この日感じたエピソードをいくつか紹介したい。

 

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 敍鷯鮠襦Χ盂媚エクスプレス】が【急行111】になったことを当然知っている。

かつてヘンタイ2人ですら把握していなかった系統番号のない幻の超特急【二条城・金閣寺エキスプレス】。文字通り「二条城」と「金閣寺」という世界に名だたる観光名所をほぼ直通で結んでしまうという、まるで観光バスのようなエキスプレスだ。

さすがにその後の情報はしっかりと追跡しており、知らぬ間に【急行111】になってることに驚く僕を「は? 常識やん」みたいな冷ややかな目で見つめくさった。

ムカつく。

 

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△修痢攀濤111】が、北行き(「金閣寺」行き)は14時台で終わり、南行き(「京都駅」行き)は17時台まで走っているのを当然知っている。

うまくできている。「二条城前」バス停(「のりば」で言うとB)から金閣寺へと向かう便は、(恐らく)金閣寺の参拝時間(17時閉門)に合わせて14時52分で終わるが、逆方向(「のりば」で言うとA)から京都駅へと向かう便は、(恐らく金閣寺を17時に出る人に合わせて)17時49分が最終であった。

……を「は? 常識やん」みたいな感じで知っている。

ムカつく。

 

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さらに【急行111】の「方向幕」はLED化されているので、「最終バスが分からない」とちょっと残念がる(Q氏)。

「方向幕」とはアレのことだ。バスの前面、後面の上部にあって、このバスは何系統ですよー、どこそこへ行きますよーと示している、時々クルクル回るアレのことだ。アレは本当に「幕」らしい。

Q氏いわく、その方向幕がですね、最終バスの場合は赤く光るっていうんですよ。そんなん知らん知らん!!! 

さらに最終1本前のバスは緑色に光るっていうんですよ。だからそんなん全然知らん知らん!!! 

でもね、これを教えてもらってから注意深く見てみると本当にそうなの! これ、結構役に立ちます!

 

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が、【急行111】(だけではないかもしれないけど)はその方向幕がLED化されているのでQ氏は「最終バスが分からない」と鋭く、ちょっと残念そうに指摘するわけですよ。

はい、先ほど(視察に来てくれた)京都市交通局運輸課さんに問い合わせてみると、まったく彼の言う通りで、最終バス&その1本前表示については「ただ今、対応中です」ということでした。

つまり将来的には分かるようになるようです。

ムカつかない!

 

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というわけで2人は常にヘンタイ記憶を更新しつつ、次の出動に備えている次第である。

 

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……しかしこの猛暑でしょー? 特にQ氏は昨晩「もうヘルパーやめる!!!」と怒りの電話を(自宅からスウィングに)かけてくるくらいコンディションを崩しつつあるし、8月の出動は見送ろうと思っている。

我々の案内によって迷わずに済んだかもしれなかった皆さん、すみません。

きっと真夏の京都で迷える旅も、振り返ってみればいい思い出になるに違いありません。

 

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ちなみにQ氏の「ヘルパー(の利用を)やめる!!!」発言については「分かりました! おれのほうから連絡する? それとも自分で?」と即答するとしばらく黙り、「やっぱりもうしばらく続ける」となった。このしばしば発生する「やめる!!!」発言には強い被害者意識と同情してもらえるに違いない意識が満ち満ちているので、「でもね、Qさん、気持ちは分かるけど続けたほうがいいと思うよ?」などと間違っても説得せず、このように「そのまま」を返すことにしている。

フハハハハハハハ!!!!! 受話器を取ったのが私で残念だったな!!!!!

 

 

はい! ここで前回と同じ告知です!

ただ今Q&XL、ヘンタイ2人が「はじまりの美術館」(福島)で開催中の展覧会「わくわくなおもわく」に出現しております。 

会期が長いので僕たちも見に行ければなあと思っているのですが、ぜひぜひ皆さま、足を運んでみてください。

様々な「おもわく」がわくわくしながらお待ちしております♡

 

●詳細についてはコチラ! →

●お! 美術手帖にも載ってるよ! →

 

次回、京都人力交通案内「アナタの行き先、教えます。」は、(8月はすっ飛ばして)9月30日(月)、京都のどこかに出没予定である。

 

木ノ戸

| 【OYSS!】京都人力交通案内「アナタの行き先、教えます。」 | 20:40 | comments(0) | trackbacks(0)
京都人力交通案内「アナタの行き先、教えます。」@あきらめの清水寺 〜後編〜

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(前篇のあらすじ)

「『山本鳥居』に行きたい」と言われて僕たちは困ってしまいました。→

 

 

あれ? ひょっとして「山本鳥居」って「千本鳥居」のことちゃう??? 

 

 

「山」ってなんとなく「千」に似てるし、「千本鳥居」と言えば伏見稲荷やん!!!

なるほど。「伏見稲荷大社」より「千本鳥居」のほうが有名になって、ほんでちょっと間違えて「山本鳥居」になってしもたんやな。

スウィングに置き換えるとしたら「スウィング」より「ゴミコロリ」が有名になって、「タマポロリ」とか「ヘソチラリ」とか間違えられてしまう感じやな。

とにもかくにもTrust me! Please go to the Senbon Torii(=Fushimi inari Taisha)!!

 

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いやっはあ、今日はとにかく調子ええわー! こうなりゃどんどんイレギュラー放り込んでこーい!!

 

……うへ? 金剛能楽堂?? キミら修学旅行でそんな渋そうなとこ行くのんか??? 

ていうかマジではじめて聞いた。ごめん、ちょっとスマホ見せて。なるほど、なるほど、市バスやったら「烏丸今出川」バス停が最寄り、地下鉄やったら「今出川」駅(6番出口)が最寄りやね。

 

と、ここでQ氏が妙にやる気を発揮する。

 

「バスは混むし、地下鉄つかったほうがええと思う」

 

なんと。いつもは(頼んでもいないのに、そしてムダに)「バス1本で行くこと」にこだわりがちな男がなんたる柔軟性……。

でも分かる。違っているかもしれないけど、僕には分かる。もう彼とは長い付き合いだから、もう分かってしまう。

Q氏はどちらかと言えば、仮に「ロリコン」と「非ロリコン」で分けるとしたら、完全に「ロリコン」だ。

ロリータのコンプレックスの側のお方だ。

何も悪いことじゃない(よね?)。

 

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そして今回の場合、この女子中学生はめちゃくちゃキュートで愛想が良かった。

だから、だ。

だからQ氏の心も表情もゆるみ、結果として案内すらもゆるんだのだ。

あくまでこれは推測に過ぎない。が、僕の中ではこの推測を「確定」とし、話を前に進めることにする。

 

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ヘイ。キュートなお嬢さんたち。このミスター・ロリ氏が言ってる通り、市バスと地下鉄を組み合わせて行ったほうがいいと思うんだ。OKかい? それじゃあね、まずは向こうの「Cのりば」から207に乗って、「四条烏丸」で降りてください。そこから地下鉄に乗り換えて、「今出川」駅で降りるんだ。出口は6番でよろしくね。おおっと、地下鉄は国際会館方面行きだ。決して間違えるんじゃないよ。じゃあね、バイバイ。あ、もしも迷った時のためにLINEだけでも交換しとくかい? ぜんぜん遠慮しなくていいよ。 え? いい? そうだよね。いや、決して変なアレで言ったんじゃないんだ。でもこのことは一応先生には黙っておいてくれるかな。「旅のしおり」に書く時には「親切な紳士たちが行き方を教えてくれました。世の中、捨てたもんじゃないなって思いました」って書くんだよ。いいね?

 

ああ、こういうのを書きはじめると楽しくて止まらなくなってしまう。

悪い癖だ。

 

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最後にこの日のクライマックス的エピソードを。

 

前々回の三十三間堂編の折、我々は京都市バスの運転手たちから「ありがとう」とか「ご苦労さま」とか、それまで思いもよらなかった言葉をかけられ心震わせた。そして朝日新聞夕刊(6/15付)一面掲載直後、京都市バスを管理管轄する京都市交通局からは「ぜひ活動を見学したいのですが!」という熱いラブコールをもらった。

そしてこの日もある運転手さんからは「暑い中ご苦労様です!」と労われ、そしてまた別の運転手さんはウキウキした様子で「新聞見ました! 有名人ですよ!」という車内アナウンスを轟かせてくれたのだった。

 

さすがにこれには(前はそれほどでもなかった)Q氏もXL氏も、嬉しそうな表情を浮かべていた。

 

 

全国紙一面掲載の反響は未だほかでも大きく、たとえば講演やトークイベントなどで「どや!」と見せれば「おお!」となるし、さらに前日の一面記事が「アメリカとイランの緊張高まる!」的なものだったことを付け加えると、その落差に必ず笑いが起きる。

これらはもちろん嬉しい反応だ。

でも残念なことに、そんな状況を素直に喜びきれない自分が今、ここにいるのである。

 

ああ、この「全力で喜んどけばいいのに、どこかモヤモヤしてしまう自分」に、これまでどれだけ貴重な「アハ体験」を邪魔されてきたことか。

あ、「アハ体験」って本来別の意味かもしれないのだが、僕の場合は「思わずちんちんをギュッ!と握りたくなるくらい、アハ!ってなるハッピーな体験」をこう呼ぶようにしている。予めご了承ください。

 

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「京都人力交通案内」とは一体なんなのだろうか? 僕の煮え切らないこのモヤモヤは一体なんなのだろうか? 

……とか考えはじめてる時点でつまらないのは承知の上で、それでも考えてみようと思う。

 

「京都人力交通案内」はQ氏とXL氏というナイスな2人が持つ、アホみたいにものすんごい知識をこのまま眠らせておくのはもったいない! アホみたいな知識をアホみたいなままに、何とか活かす方法はないだろうか? と考え、とにかくはじめてみた試みだ。

 

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そしてこの活動における肝心要のキーワードは、ここに繰り返し書いている通り「アホみたい」なのである。

極論、人は皆「アホみたいな存在」だと思っている。

それは卑下でも悲観でもなんでもなく、「それぞれに弱く、不完全な存在」みたいな意味合いだ。

 

だからこの仕事を通じて伝えたいメッセージが仮にあるとすれば、「アホみたいな我々一同は、アホみたいなままに真っ昼間からこんなんやってますよー! 皆さんもアホみたいでいいと思いますよー!」というものであり、どうやら僕の素直に「アハ体験」できないモヤモヤは、このメッセージがうまく届いていないもどかしさが原因であるらしい。

 

つまり「アホみたい」(=普遍的! つまり自分ごと!)ではなく、むしろ「ものすんごい」(=特別! つまり他人ごと!)に光が当てられがちな現状、ひいては「私たちとはやっぱり一味違う障害者が、ものすんごい知識を使ってめちゃいいことやってる!」という「特別視」を生み出してしまっている、僕自身の矛盾に端を発しているのである。

 

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でも、まあ、いいか。

 

 

思うに任せないのが人であり人生であり世間であり、マジメに考え尽くしたら一周回ってどうでもよくなるこの感じが大切だと思うし、けっこう好き。好き好き大好き。

 

ここ数年、「あきらめる」とか「手放す」とか「減らす」とか「やめる」とか、このファッキン社会にあっては一見マイナスに捉えられがちな言葉や行動が、実はとても大きな意味や力を持つんじゃないかと感じており、この感じはどんどん強くなってゆく一方だ。

 

はい、いったんあきらめる。

あきらめて、もっかい今この瞬間から清々しくスタートだ。

 

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この日の仕事を終え、1万円札の両替に快く応じてくれた「京cafe cha-cha」で美味しいワッフルバーを購入、モグモグ食べ終わった後の棒にはこんなんが書いてあった。

 

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こちらこそ、おおきに♡

 

 

 

さて! ここでいきなり展覧会の告知どす!

来る7月27日(土)より「はじまりの美術館」(福島県耶麻郡猪苗代町)で開催される展覧会「わくわくなおもわく」に、スウィングよりQ&XLが出展……いや、出現します!

存在感抜群の2人の姿を通して、スウィングの実践やポリシー、そして「共同性」というこの展覧会のテーマを伝えられればと思っております。

会期は11月10日(日)まで。

ぜひぜひ皆さま、ご来場くださいませ!!

 

●詳細についてはコチラ! →

●お! 美術手帖にも載ってるよ! →

 

 

次回、京都人力交通案内「アナタの行き先、教えます。」は……先日「二条城」前で実施(京都市交通局の方々、来ました!)したところなので、次々回8月26日(月)、京都のどこかに出没予定である。

 

木ノ戸

| 【OYSS!】京都人力交通案内「アナタの行き先、教えます。」 | 15:40 | comments(0) | trackbacks(0)
京都人力交通案内「アナタの行き先、教えます。」@あきらめの清水寺 〜前編〜

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なぜか京都市バスの路線・系統を(ほぼ)丸暗記しているQ&XLのヘンタイ記憶を駆使し、観光客やお困りの方にベストな行き方、乗り継ぎをご案内する京都人力交通案内「アナタの行き先、教えます。」。

去る6月24日(月)、我々は古都京都を代表する寺院であり、世界的観光地のひとつでもある「清水寺」へと向かった。

 

 

清水寺にやって来るのはこの活動史上、2度目だ。

前回はまだユニフォームも着用していない2017年11月(→)。

思えば「バス停に陣を構える」という不動のセオリーが確立するきっかけになったのはこの回である。

 

 

「京都人力交通案内」はもう8年も続けてきた試みではあるが、この1年半でドンドンその様が変わってきた事実に改めて気づかされる。

現地同行&写真(時に動画)撮影、ユニフォームや案内用紙のデザイン、PVの制作等、我々のボランティア活動にいつしかボランティア(つまりボランティアのボランティア)として加わってくれ、今ではすっかりチームの一員になっている美馬智さんにこの場を借りて感謝したい。

……いや、「自分が好きでやってますから」とか言って、こんな一方的な感謝を美馬君は嫌うに違いないから、即、今の感謝は取り消すことにする。

 

 

じゃあ、この行き場を失った感謝はどうしよう? 

この活動には一切、何の関与もないけれど、今、なぜかパッとひーちゃんの顔が思い浮かんだので、彼に感謝を捧げ直すことにする。

 

 

ひーちゃん、いつもありがとう。

最近はもうワン切りじゃなくって毎夕3コールくらい鳴らしてくれてありがとう。

 

2018.09.20 Thursday ワンギリー・ホプキンス

http://garden.swing-npo.com/?eid=1400595

 

おまけに毎朝8時半くらいの約3コールもありがとう。

でもこれが10コールとかになってきたらおれも多分「考える」から、そんときはよろしくね。

 

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さて、清水寺に舞台を戻す(清水寺だけにね!)。

 

既に「バス停に陣を構える」ことを鉄板のセオリーとしている我々が第一に考えるのは、じゃあ、どのバス停の、どの「のりば」に陣を構えるかだ。清水寺最寄りのバス停は「清水道」と「五条坂」。前回は確か「清水道」でやったから今回は「五条坂」バス停に決定。そして続いて「のりば」については歩道が広くてゴミゴミしていない、つまり我々の仕事を行いやすい「Aのりば」を選択することにした。

 

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中国の方と思しき最初の「迷い人」の行き先は烏丸五条の「吉野家」。

この類の「チェーン店に行きたい」リクエストは意外なことに時々あり、中でもなぜか「寿司のむさし」が多い(気がする)。

烏丸五条に「吉野家」があるのかどうかすら知らないが、とりあえず「のりば」を間違えていたので通り向こうの「Cのりば」から80系統に乗るようご案内した(「烏丸五条」で下車)。

美味しい牛丼、お腹一杯食べてね!!

 

 

はいはい、続いて出たな〜、毎度、圧倒的な勢力を誇る「金閣寺」!!!

でも意外とここからは行きにくいよー。

まずは「Cのりば」に移動して206に乗ってください。で、「洛北高校前」で204か205にバスチェンジ(乗り換え)、最後は「金閣寺道」で降りてくださいね。

 

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お次、「『九条七本松』へは207やね?」とマニアックな確認を求めてきたのはさすがに日本人だ。

ちらっと路線図を見て「まあ間違いないだろう」と思い、僕が独自判断で「そうです!」と答えると、すかさずXL氏のフォローが入る。

 

「207は『西大路七条』で曲がるから違う。202!」

 

すると今度はQ氏によるこのフォロー。

 

「いや、207が曲がるんは『九条大宮』!」 

 

ま、とにかく207は間違いで202ってことね。「九条七本松」へは202に乗ってください!

いや、それにしても素晴らしいチームワークではないか。

て言うか、改めて何なん? あんたらのそのヘンタイ知識!!!

 

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ちょっとミスって誰かに助けてもらったら、挽回したくなるのが最近の我々の傾向だ。

 

お! この韓国の若者は1万円札しか持ってなくってExchange(両替)したいとな。そうそう、京都市バスでは1万円札の両替は基本、無理やからね。

よっしゃ、おれについてきな!!!

一軒目! 京都陶磁器会館! なんか雰囲気的にダメそうだけど、ダメもとで!

 

「あの、1万円札の両替をしてほしいんですけど。彼がバスに乗れなくて困ってて」

 

「すみません、両替はできないんです」

 

まあね、何となくわかりますよ。別によくあることですよ。「ごめん! ○○な店やったわ!」と彼に告げ、続いて近くの「京cafe cha-cha」というお店へ。

 

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「いいですよ。5千円札と千円札5枚でいいですか?」

 

 

なんて親切!!! 

後で絶対なんか買いに来ますね!!!

 

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1万円札を両替したい韓国の若者との小さな小さなトリップ。

こういうの、こういうの、たぶん絶対忘れられないやつだと思う。

 

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若者よ。さらばじゃ。

彼女とええ旅するんやで。

 

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ところで最近、取材や見学者も多いこの活動。この日もわざわざ現地まで足を向けて下さった方がいた。

今後も基本的には見学自由なのですが、原則現地集合、京都市バスをご利用の方、迷い人、歩行者、犬、猿、キジ、そして我々の活動の妨げにならないようちょっと遠巻きに見ていただきますようお願いいたします。

活動時間は概ね14時から15時半までですが、「現地」は毎回変わるため、直接スウィングまでお問い合わせ下さい!

 

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続いては金閣寺には及ばぬまでも(我々の経験則)、やっぱり強い「伏見稲荷大社」!

なに? 「臨時」!? 「臨時」に乗ってもらうの!? もう来てるし急げって??

よーわからんけど、「臨時」に乗って「京都駅」まで、南5か急行105にバスチェンジしてGOALしちゃってください!

 

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いいね! いいね! とにかく今回は我々いつにも増してのってるね!!

はいはい、お次は……は? なに?? 「山本鳥居」?????

 

確かに迷い人(たぶん中国の方)が手にするスマホ画面に表示されている名は「山本鳥居」。

なんじゃそれは。完全に聞いたことないぞ。仕方ないので自分のスマホで調べてみるが、やっぱりそんなんない。全然そんなんないぞ。

 

ここであきめたらアカン。考えろ。フォーカスしろ。

海外のスマホは微妙に間違ってることがこれまでも幾度となくあったではないか。……あったっけ? 「金閣寺」が「鹿苑寺」で出てたことはあったけど、あれは「金閣寺」の正式名称だったし、むしろ感動しちゃったよね。

とにかく小事に囚われず、大事を見つめるのだ。

 

(夜も1時を回ってしまったので後編に続く!! →

| 【OYSS!】京都人力交通案内「アナタの行き先、教えます。」 | 15:15 | comments(0) | trackbacks(0)
京都人力交通案内「アナタの行き先、教えます。」@全国紙一面!! 嵐山

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2019年5月27日(月)、午後2時前。ところは古都京都の名勝・嵐山。

我々がこの地を京都人力交通案内の舞台に選んだのは2度目のことだ。

この地には世界各国からの観光客がわんさかいて、それと比例するように次の行き先にどうやって行ったらいいのか小首を傾げる「迷い人」が大勢いることも経験上知っている。

そして「迷い人」が大勢いるということは、我々の仕事がとっても忙しいということだ。

 

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我々は出没地点を決めるとき、「今日はなんかバリバリ頑張りたいね!」とか「最近疲れ溜ってるから人少なそうなとこ行こうね……」とか、気分や体調によって「かなり適当に」決めている。

が、この日は違った。気分や体調ではなく、「朝日新聞」と「マガジンハウス」という、大手(だと思う)メディア2社の同行取材に合わせて、取材的に盛り上がる、絵になるところに行こうと「かなり打算的に」考え、嵐山行きを決めたのである。

 

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しかしまあ、いつも写真撮影をしてくれる美馬君に加えて、記者、編集者、ライター、カメラマン。

こんなにも大勢の人たちに見守られなが……いや、オモロがられながらこの活動をする日が来るなんてね! 

 

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そしてまあ、想定通りの大忙し! だからはじまってしまえば我々のやるべきことは全く変わらなかったのだが、案内をし終わった人たちに記者さんが果敢に聞き込み(?)をしていたり、我々がいつも通りにしていることを編集者さんがなんか知らんけどゲラゲラ笑っていたりしているのは、横目で見ながらとても楽しかった。

 

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案内自体は3つの点が印象深かった。

 

1つ目。「のりば」間違いをしている人に正しいのりばを伝えるのが難しい場合、もう言葉では無理だしかえって時間がかかるから、「このおっさんの後をついて行っちゃって!」システムを結構な頻度で発動したこと―ほとんどの場合、「このおっさん」はXL氏である。僕がいなくなると紙に書く人がいなくなるから案内自体が機能しにくくなるし、Q氏にXL氏のような柔軟性はない。ないものはない―。

 

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のりば間違いは観光客にとって致命的だ。

下手をすると、真逆のルートを辿り、とんでもない時間をかけてしまったり、全然違う場所に連れて行かれたりしてしまう。

ところで僕はこのシステムを発動するとき、「Follow him! はっちゃん(XL氏の愛称)、よろしく!」とか言うのだが、なんとなくその昔公開された『ジャンヌ・ダルク』(1999年公開/リュック・ベッソン監督)という映画にその様が似ているな、と今思った。

 

 

ミラ・ジョボヴィッチ演じるジャンヌ・ダルクがたくさんの兵士たちに向かって、勇ましく「Follow me!!!」と絶叫する、あのシーンに似ているな、と今思った。

だからこのシステムを今この瞬間、「ジャンヌ・ダルク」と名付けようと思う。「はい、はっちゃん、ジャンヌ・ダルクよろしく!」「OK! Follow me!!!」。

 

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2つ目。前回、三十三間堂前での案内において、我々は京都市バスの運転手から労いの言葉をかけられるという感動的な瞬間に出会った。決して望んで得たものではなかったのだが、震える心に嘘はつけず、思わずグッと来てしまった。

 

……が、今回はどうだ?? 運転手の態度のそれはそれは悪いこと!!

 

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別に我々が何か言われたとかではないのだが、バスを乗り間違えた人たちに「早く降りてください! 次のバスが来ますから!」と冷たく言い放ったり、今にも乗り込もうとしている人を置いてきぼりにして走り去ったりした。

基本、大混雑で運行ダイヤが乱れまくっていたから、運転手に余裕がなかったのだとは思う。

でも、これが残念ながら我々が良く知る市バス運転手のありがちな姿だよな、とも思う(もちろん皆が皆、そういうわけではないが)。

そしてこの拭いがたいマイナスイメージがあるからこそ、我々は前回の「ありがとう」とか「ご苦労様」の声に震えたのだろうし、これは例えば普段粗暴な振る舞いの多いQ氏がちょっと親切っぽいことをすると、皆が歓声を上げる仕組みと同じなのだと思う。

 

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放っておいてもガンガン乗客が乗ってくるという慢心。

そして同時に、あまりにも密度過剰な人、人、人から受けるストレス。

実際のところ、どうなのだろうか? いつか運転手さんたちの本音を聞いてみたい。

どうでしょう? 京都市交通局さま、そんなフリーペーパーとか作ってみては。

 

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3つ目。この活動をしていると「No, thank you」と案内を徹底拒否されることも少なくないのだが、どうやらこの反応は「こいつらは親切なサービスをしておいて後で金を取るに違いない」という警戒心から来ているようだ。

実際、海外ではそういうパターンが当たり前にあるらしいし、尚且つこの警戒心には僕とQ氏の存在がかなり物を言っている気がする。

 

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いつもニコニコ仏のような顔をしているXL氏なら、僕が案内をされる立場でも気を許してしまうだろう。

が、僕とQ氏はこりゃダメだ。人相や外見があまりに良すぎて「金を取られそう」と思われてもまったく不思議ではない。

だって僕が僕に声をかけられたとしたら、迷わず「No,thank you」かますと思うもん。

そう考えたら我々に案内を求めてきたり、我々の案内を拒否しない人たちは逆にすごい。


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……が、もっとすごい人たちが現れた。シンガポールからやって来たというその親子はにこやかに案内を求めてきて、案内が終わったら「アノー、シャシンOKデスカ?」と記念写真をにこやかに撮影し(ここまでは結構よくある)、その後さらに、やはりにこやかに「How much?」と尋ねてきたのである。FREE(=タダ、無料)であることが分かると、2人の顔がmoreにこやかに輝いたことは言うまでもない。

 

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滅多にあることではないが、こういう素敵すぎるピカピカの出会いが生まれることも、この活動の醍醐味のひとつなのである。

ちなみにこの親子は、去る6月15日(土)、朝日新聞夕刊の一面を飾った記事中にも登場している。つまり記者さんの取材にも快く応じはったっちゅーことである。もうなんてなんていい人たち!!! 

この世界は、まだ捨てたものではない。

 

 

というわけで遂にこの活動は、全国紙夕刊の一面を飾るに至り、その反響はなかなかのものがあった。

具体的に言えばFacebookの「いいね!」がめっちゃ多く、「見たよ!」のリアルな声もちょいちょいと寄せられた。

そしてその中には京都市バスの元締め(?)、京都市交通局からのテレフォンもあり、その内容はと言えば「ぜひ現場を見学させてください」という、とっても嬉しい申し出であった(7月22日に実現予定!)。

 

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(予定調和な着地点を嫌って)「そういう質問には答えたくありません」を連発する心の広い僕を相手に、丁寧な丁寧な取材をしてくださった朝日新聞の阪田記者、本当にありがとうございました。

 

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大の大人2人が意味わからんヘンタイ知識を持っていて、平日の真っ昼間に誰に頼まれるでもなく、ヘンタイかましてますよー、アホみたいでしょー、でもこんなんでも結構楽しいですよーというメッセージが美しく、素敵な感じに変換されてゆくのはちょっと怖いし、Q氏とXL氏が「障害者」って言葉にちょっと複雑な表情を浮かべていたのもまた事実だ。

僕ももちろん100%は納得していないし、きっと阪田記者も同じ気持ちなのだろう。

 

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物事というのは一足飛びに、そうやすやすとは変わらない。

多くの場合、変化というのは目に見えないくらいの速度で進んでゆくものだ。

未来に残された宿題を自覚しつつ、ひとまずもう1つの密着取材、マガジンハウスのどんな本の〜? どんなコーナーに〜? どんなふうに〜? 掲載されるのか、すんげー楽しみに待ちたいと思う。

 

木ノ戸

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