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犬の真実

 

天然ボケ vs. 知的障害 vs. 認知症という、三つ巴の戦いを日夜繰り広げているスウィング最高齢、Gさん(81歳)。

最近は「認知症、優勢!」が我々の大方の予想であるが、はてさて、真実はどうなのだろうか?

 

仕事終わりの送迎車内。

信号待ちで停車し、ゆっくりと窓外を眺める時間は、即ち三つ巴の戦いが最も激しさを増す時間だ。

 

「あれ、犬か??」

 

ふいに呟くGさんの、視線の先を追うドライバー西川君。

けれど犬なんてどこにも見当たらない。……ひょっとして遂に四つ巴がはじまったのか??

 

「どれ、ですか??」

 

一応尋ねてみる。

すると、Gさんは迷うことなく、ある方向をはっきりと指さす。

 

「あれや。犬か??」

 

思わず息を呑み、動揺を抑えるために大きな深呼吸をひとつつくドライバー。

OK。おかしいのはおれの目でも頭でもない。

 

あれは絶対に犬ではない。

あれは間違いなく、「三輪車に乗った男の子」だ。

 

 

「……犬ちゃいますよ。……人間の男の子ですよ」

 

Gさんの反発(?)を覚悟しながら、絞り出すように何とか真実を言い切る。

言い切った途端に犬が見えたりするんじゃないかと不安だったが、よし、それもない。

あれはやっぱり人間だ。可愛らしい「三輪車に乗った男の子」だ。

 

しかしながら、このままでは終わらないのが三つ巴の猛者である。

猛者は素直に真実を受け入れたらしいが、今度は独り言のような小さな声でこう言う。

 

 

 

「あれ、人間か。なんて鳴くんや??」

 

 

 

天然ボケ vs. 知的障害 vs. 認知症。

何が優勢なのか劣勢なのか、もはや誰にも知る由はないのだろう。

 

木ノ戸

| THEE G | 16:12 | comments(0) | trackbacks(0)
高齢かつ知的な障害をお持ちの「物忘れする力」を積極的に活用したサバ読み回春大作戦

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スウィング最高齢・Gさん。

先日81歳の誕生日を盛大にお祝いした。

 

Gさんは昨年、長期間に及ぶ入院加療を余儀なくされ、無事に退院をしたものの、すっかり足腰が弱ってしまった。

いや足腰だけでなく、気力、体力とも大幅パワーダウンしてしまって、以前のように仕事中に大声で歌うこともなければ、もう自分の足で立つことさえも難しい。

 

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一般的に80を超える人がこのような状況になった場合、福祉就労であれどうであれ、とにかく「働く場」に来続けることはあまりないんじゃないかと思う。

 

だがGさんの場合、彼を取り巻く多くの関係者たち(病院関係者、成年後見人、ヘルパー等々)は、もろもろのリスクを承知した上で「Gさんにとってはスウィングに行くことが一番!!!」という共通認識を強く持って下さっており、(もちろんGさんの思いがあってこそのことなのだが)すんげー感動している。

 

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が、ただ感動しているだけでGさんの元気が出るわけじゃない。

ピンピンコロリなんて大きなお世話、勝手に死なせろと思っているけれど、でもやっぱり目の前の愛すべき人にはできるだけ笑って生きていてほしい。

 

 

こんなときに「仙豆」があれば最高なのだが、どうやらまだこの世界には存在しないらしい。

ツムラのホームページも見たのだが、やはりない。

 

ではどうするか?

そんなの決まっている。

 

我々が仙豆になるよりほか方法はない。

 

なに言ってんの??? と思われた方に100%共感する。

つまり。つまりGさんにとっての仙豆を僕たちなりに探り考え、実験を繰り返すしかないと言いたいのだ。

 

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さて、Gさんはおよそ2年ほど前から「もう77か〜」とか「ワシもう77やで〜」とか、(1日に10回くらい)語り出しており、それは今もって変わらない。が、既に書いた通りGさんは現在81歳、つまり彼の語りは思い切り間違っている。だからこれまで周囲の人間は「サバ読んどる!」と素早いツッコミを入れたり、正しい年齢を教えたりしてきた。

するとGさんは(現在なら)「そうかあ? 81か〜」と一時は納得するのである。

 

★2018.03.01 ブログ【失われた「ワオ!!!」を求めて】

★2018.04.13 ブログ【続・失われた「ワオ!!!」を求めて】 

★2019.07.11 soarインタビュー【“できない自分”のままで、楽しく生きる。障害のある人が好きなことで自己表現をするスウィング】

 

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が、先日ひょっとしてこのやり取りが仙豆になるんじゃないかとふと思い、早速実行に移してみることにした。

 

その方法はこうだ。

 

Gさんが「もう77か〜」とか言う。

▲ソ真面目に正しい年齢を返すのではなく、「違いますよ。59ですよ!」とか、Gさんのサバ読み(ではないんだけど)より、さらにウンと低い年齢をささやく。

 

するとGさんは、本当の年齢(81歳)の場合と同じく「そうかあ? 59か〜」と納得しちゃうのだ。

 

あれ? ワシ思ってたより全然若いやん? 年寄りの気でいたけどまだまだいけるんちゃう? という錯覚による元気を生み出す、(ちょっと行政風に)題して「高齢かつ知的な障害をお持ちの『物忘れする力』を積極的に活用したサバ読み回春大作戦」である。

 

どこまでいけるか実験を繰り返す。

 

「ワシもう77か〜」「42ですよ!」「42? ワシ42か〜?」

「ワシもう77やで〜」「ち・が・い・ま・す・よ。32!」「んなわけあるかい!」

 

実験の結果分かったのは、さすがに三十代、四十代あたりになってくるとGさんの中に違和感が生じること。

対して五十代、六十代あたりだと「マジで? まあそうやったかなあ」みたいな感じになること。

というわけで集中的に約15〜30歳のサバ読みを積極的に推進した結果、その成果はある日突然、このような形で表れたのである。

 

 

 

 

「ワシもう75か〜」

 

 

 

結論。ヒジョーにビミョー!!! 

でも2歳は回春したんだから地道にサバ読みを続け、「ワシもう55か〜」を当面の目標値としよう。

 

なお、我々が密かに進めている大粒仙豆、「Gうへうへ舞妓プロジェクト」ついては、もろもろ機が熟した後、あらためて本ブログにて報告したいと思っている。

 

木ノ戸

| THEE G | 16:08 | comments(0) | trackbacks(0)
あなたは何を諦め、生きてきましたか?

撮影:成田舞/「親の年金をつかってキャバクラ SWING EXPO」より

 

京都に「あきら幼稚園」という名の幼稚園があります。その「あきら幼稚園」のバスをね、送迎のときにね、よく見かけるわけです。そうするとね、毎度おなじみGさんはね、こう言うんです。

 

 

「ほれ見い。『あきらめ幼稚園』て書いてあるわ」

 

 

「あきらめ幼稚園」て…。そんな哀しい名前の幼稚園があるわきゃないでしょう。確かにときに「諦め」は肝心だけれど、そんな深すぎる幼稚園、子どもが行く場所じゃないでしょう。「諦め」じゃなくって、あ・き・ら。「あきら幼稚園」ですよ。

 

 

「『あきらめ幼稚園』、どこにあんのや?」

 

 

…とまあ、やっぱりさっぱり聞いちゃいねえわけです。このまま話してても仕方ないんでね、疲れるだけなんでね、ドライバー西川くん、さっさと見切りをつけて、Gさんの「文脈に合わせる」というのをやるわけです。この場合はこうです。

 

 

「Gさんも子どものときに諦めたことあるんですか?」

 

 

するとGさん、ぼんやりとね、でもはっきりとね、こう答えはりました。

 

 

 

 

「人生」

 

 

 

 

なるほど!!! それでか!!!

 

木ノ戸

 

「親の年金をつかってキャバクラ SWING EXPO」京都展は8月12日(日)までです!

| THEE G | 18:36 | comments(0) | trackbacks(0)
続・失われた「ワオ!!!」を求めて 

 

 

仕事終わりの送迎車内、Gさんが言う。

 

 

「もう77か〜」

 

 

それ、なんか知ってる、知ってる、知ってるぅ〜!

ドライバー西川くん、激しい既視感に頭がクラクラする。既視感というか割と最近、「これ」からはじまるやり取りをしたのは紛れもない事実だ。ほんで最後はおれが「ワオ!!!」言うてバカにされて終わるんやろ? → 

もう分かっている。もう分かっているが、分かっているのはおれなのであってGさんではない。西川くん、気持ちを切り替え丁重に訂正させていただく。

 

 

「違いますよ。79ですよ」

 

 

するとGさん、まさか! みたいな驚いた表情で言う。割と大き目の声で言う。うん、このリアクションももう知ってる。

 

 

 

「79? ほな来年で80か〜!!!」

 

 

あれ? なんかちょっと違うな…。前は確か「79? ほな次80やんけ!! ワオ!!!」だったはずだ。さすがGさん、ここへ来て「ワオ!!!」抜きプラス微妙なニュアンス変更くわえてきおったな。ん? 来年? 来年で80? 違うよ。今年の6月で80よ。来年は81よ。あかんあかん、このままにしてはおけん。西川くん、想定外の展開に少々動揺しながらも再び丁重に訂正させていただく。

 

 

「違いますよ、今年の6月で80ですよ」

 

 

たかだか「今年」と「来年」の違いですけどどうですか? でも1年の違いってけっこう大きくないですか? するとGさん、真実をすぐに理解したのか、少しがっかりした様子でこう言う。

 

 

 

「なんや〜、80で6月か〜」

 

 

ワオ!!! ワオ!!! ワオ!!!

 

木ノ戸

| THEE G | 18:37 | comments(0) | trackbacks(0)
パトカーと霊柩車

 

仕事終わりの送迎車内、ぼんやりと窓外を見つめるGさんが言う。

 

 

 

「わし、アレ乗ったことあんねん」

 

 

 

ドライバー西川くん、Gさんの視線の先を追う。

そこには前後に並んで停まったパトカーと霊柩車。なかなか目にすることの無い、珍しい風景である。「アレ乗ったことあんねん」か。どっちかと言うとアレはあっちのような気がするけど一応聞いてみるか。「聞いて! 聞いて!」のオーラ、ビンビンやし。

 

 

 

「どっちですか?」

 

 

 

 

するとGさん、「あっち」と迷わずパトカーの方を指差す。

そうか、やっぱりアレはパトカーの方やったか。まあ長い人生、乗ったことあるくらい…な(実は理由も知ってるけどさすがにここでは言えん)。でも、長い人生と言えば誰かのお見送りとか霊柩車の方に乗る機会は一度もなかったのだろうか。

一応もっかい、そこ確認しとこ。

 

 

 

「じゃあ、あっちは?」

 

 

 

(あまり良いことのような気はしないけれど)言いながら西川くん、霊柩車の方を指差す。Gさんは少し首の角度を変え、束の間、霊柩車の方をじっと見つめる。

そしてこう言う。

 

 

 

 

「あっちは、もうちょっと」

 

 

 

よ!! リアルさとり世代!!!

 

木ノ戸

| THEE G | 14:45 | comments(0) | trackbacks(0)
失われた「ワオ!!!」を求めて

 

仕事終わりの送迎車内、Gさんが言う。

 

 

「もう77か〜」

 

 

いやいやいやいや。いやいやいやいや。

なんや“しみじみした感じ”出してるけど違うし。それ、2年前のデータやし。

ドライバー西川くん、丁重に訂正させていただく。

 

 

「違いますよ。79ですよ」

 

 

するとGさん、まさか! みたいな驚いた表情で言う。割と大き目の声で言う。

 

 

「79? ほな次80やんけ!! ワオ!!!」

 

 

「ワオ!!!」て…。79歳が「ワオ!!!」て…。

そうですよ。Gさん、今年でもう、80になるんですよ。「傘寿」(「傘」の略字が八と十を重ねた形になり、八十と読めることに由来)ですよ。

まだまだ長生きしてくださいね。

 

 

 

そうしてしばしの沈黙の後、再びGさんが口を開く。

 

 

「もう77か〜」

 

 

コラコラコラコラ。コラコラコラコラ。

なんやはじめてみたいに“しみじみした感じ”出してるけど、それついさっき終わったとこやし! 「ワオ!!!」で終わったとこやし!

…けれどGさん、ふざけているわけではないようだ。うむ、しゃあない、しゃあない。切り替えていこ。

ドライバー西川くん、再び丁重に訂正させていただく。

 

 

「(さっきも言うたけど)違いますよ。79ですよ」

 

 

さて。どんなリアクションが返って来るのか?

ちょっとドキドキする。

 

 

「79? ほな次80やんけ!!」

 

 

すごいな、おい…。鮮度120%やないか…。

あれ? でも、なんか足りんな…。鮮度は申し分ないけどなんか足りんな…。

 

あ! 「ワオ!!!」は? 「ワオ!!!」は言うてくれへんの? 

なんで〜? え〜? なんで〜? ちゃんと「ワオ!!!」言うて〜な〜。

 

西川くん、しばらく待ってみるがGさんから「ワオ!!!」は出てこない。

もう、な〜んも無かったような顔をして、ちんまりと座っている。

あかん、このままではスッキリせ〜へん。ぜったい今晩眠れへん。…これはもう、…自分でやるしか、…ない。

 

 

「ワオ!!!」

 

 

Dear Mr. G。

失われた「ワオ!!!」を取り戻すため、在るべき場所に在るべきものを正しくおさめるため、あなたに代わって捨て身の勇気を見せた男の、男・西川の美しい姿を見ましたか? 見てくれましたか? え? どうなのよ??? 

 

 

 

「何がワオ!!! や」

 

 

何がて、何がじゃ!!!

もともとはアンタが!!!

 

木ノ戸

| THEE G | 14:57 | comments(2) | trackbacks(0)
ほとんどアート!! 現代クルマ最前線!!!

 

最近のGさんは観察眼鋭く、曇り空の日には「今日、天気悪いやんけ!」となぜか怒っていたり、さまざまな表現活動をしている面々を横目に見ながら「こん中で仕事してるん、ワシだけや!」と自慢げに毒づいてみたりしている。

 

そして鋭い観察眼はもちろん仕事終わり、帰りの送迎車内でも思う存分発揮される。

はい、こんな感じである。

 

 

「なんと!! 最近のクルマは人が乗らんでも走るんか!??」

 

 

「いつもの見慣れた風景に全く新しい何かを発見する」という、この素晴らしい視座。

これはもう「アート」と言っても過言ではないだろう(流行りのジャンル分けをするなら「障害者&高齢者&ちょっと認知症&そもそも天然アート」といったところか)。

しかしドライバー西川くんは極めて冷静である。

 

 

「…乗ってますよ」

 

 

うおう!!! いつもの見慣れた風景は、やっぱりいつもの見慣れた風景だったようである。

しかしGさんの観察眼、そしてアーティストとしての視座は凡人のそれを悠々と凌駕する。

じっとクルマを見つめ続けるGさん。再びいつもの見慣れた風景に全く新しい何かを発見する。

はい、どうぞ。

 

 

 

「なんと!! 最近のクルマは“前に”人が乗るんか!??」

 

 

その時、ドライバー西川くんの目にはうっすらと涙が滲んでいたという。

 

木ノ戸

| THEE G | 14:39 | comments(0) | trackbacks(0)
日本昔ばなしの破壊

 

最近、華やかな第8教室に、華やいだ声が響く。Gさんである。

 

「ウサギとカメ、どっちが勝ったか知っとる〜?」

 

 

はいはい、例の「ウサギとカメ」の話な。例の説教臭いヤツな。しかしあまりにも唐突である。唐突であるが、皆この唐突さにはもう馴れている。ミサさんが即座に「カメ〜!」と答える。するとGさん、こう応じる。

 

 

「よー知っとったなー! そや! カメが“負けた”んや! 」

 

 

…ざわつく第8教室。…おいおい、このジ××、なに言っちゃってんの? …勝ち負け真逆になっちゃってるし、カメは勝ったはずでっせ? …どこでどうねじ曲がったらそんな風になっちゃうの?

 

 

「なんで負けたんか知っとる〜?」

 

 

…やっぱそっちでいくんかい。しゃあない。なんかよう分からへんけど、皆なんかよう分からへん状況にもすっかり馴れている。ミサさんが親切に「寝てたから?」と答える。するとGさん、こう応じる。

 

 

「ちがう! 竜宮城いきよったからや!」

 

 

 

…再びざわつく第8教室。…おいおい、このモウ××ジ×イ、マジでヤベーよ。…「ウサギとカメ」がこの超短時間で「浦島太郎」に丸々代わってもうてるやん。…もうどう答えたらええのやら。するとGさん、ざわつきをよそにこう歌い出す。

 

 

「もしもしカメよ〜♪ カメさんよ〜♪ 世界のうちにおまえほど〜♪

歩みののろいものはない〜♪ どうしてそんなにのろいのか〜♪」

 

 

だーーー! だーーー! だーーー! また「ウサギとカメ」に戻っとる!!! 

混乱に包まれる第8教室! 間髪入れずにハイ! Gさん!

 

 

 

 

「ほれ見てみい!!!」

 

 

 

ど! こ!! を!!! 

な! に!! を!!!

 

木ノ戸

| THEE G | 17:27 | comments(0) | trackbacks(0)
「京都市バス」と「赤い車」のカオス

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皆さんは「京都市バス」をご存知だろうか? 

もちろん京都市民、あるいは京都を訪れる観光客の方々に欠かせない例のアレのことである。

 

帰りの送迎車内、今日もいつものように1日の仕事を終えたGさんが、いつものようにボンヤリと窓外を見つめながらこう言う。

 

「バスは今、ナンボすんのや?」

 

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なるほど。Gさんの視線は今日もたくさんの人々を乗せて走る、京都市バスに向けられている。

運賃ね。時代とともに段々と上がってゆく運賃ね。今度便利な1日乗車券も値上がりするそうね。

 

「230円です」

 

ドライバー西川くん、なんのボケも加えず真実のみを伝える。

Gさん(現在、御年79歳)が若い頃は一体いくらだったんだろうか? きっと随分値上がりしたと感じていることだろう。

するとGさん、しみじみとした様子でこんな風に言う。

 

 

 

「230円いうたら……ナンボや???」

 

 

 

西川くん、貧血を起こすまいと懸命に自分を保ちながら「…すみません、分からないです」と正直に答える。

 

 

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皆さんは「赤い車」をご存知だろうか? 

もちろん町中を走りまくっている、赤く塗装された“普通の”車のことであるが、中には「消防車」を思い浮かべた人もいるかもしれない。

 

帰りの送迎車内、今日もいつものように1日の仕事を終えたGさんが、ハッと思いついたようにこう言う。

 

「あれ! 「救急車」! …ちゃうなあ、なんやったかいなあ」

 

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なるほど。Gさんの視線は目の前を走り行く、赤い“普通の”軽自動車に向けられている。

どうやら、(違うのだが)「消防車」と言いたかったところを「救急車」と言ってしまった…けど、なんとか踏みとどまったらしい。

ドライバー西川くん、ここは何も口をはさまず、しばらく「待つ」ことにする。果たしてGさんは(違うけど)「消防車」と言い直すのだろうか? それとも新たな答えを導き出すのだろうか? すると程なく、Gさんの表情がパッと明るく輝く。

 

 

 

「ああ! “赤いような”車や!!!」

 

 

 

ドライバー西川くん、意識を失うまいと懸命に自分を鼓舞しながら「…そうですね、赤かったですね」と無理やり答える。

 

「そやろ〜! わしは車のことはよー分からんけど、“赤いような”車のことはよー分かるんや!」

 

皆さま、“赤いような”車について何か知りたいことがあれば、なんなりとGさんにお問い合わせ下さい! 

 

木ノ戸

| THEE G | 18:33 | comments(0) | trackbacks(0)
アレじゃない方の奈良の動物???

 

78歳、Gさんがトバしている。

生き急ぐかのようにトバしている。

(もうそれほどアレなんだから、できればトバさないでほしい。)

 

しかし、送迎車はトバさない。

安全第一、トバさないから今日も窓外の景色がよく見える。

 

お、奈良ナンバーの車が見える。ここは京都、奈良は隣県。

決して珍しいことではないが、Gさんが言う。トバしてるから言う。

 

 

 

 

「鹿といえば何の動物か?」

 

 

 

…すごい。…質問の最初に堂々と答えが盛り込まれている!!!

ドライバー西川くんは考える。恐らくGさんは「奈良といえば何の動物か?」と言いたかったのではないか。

 

 

 

「鹿…ですか?」

 

 

「おお〜!!!」

 

 

 

拍手喝采するGさん。

うん、やはり当たった。答えというより読みが当たった。

しかしこんなもんでトバしているGさんは終わらない。

一発で当てられた(アンタが答え言うてもうたからや…)のが悔しかったのか、続けてこんな風に言う。

 

 

 

「鹿ともう1個は?」

 

 

 

もう1個???

はて、鹿のほかに奈良といえば! の動物なんていたっけな?

わからない。正直に答えよう。

 

 

「わからないです」

 

 

今回も残念ながら読みどおり。

Gさんは意地悪そうに、そして得意げにこうのたまう。

 

 

 

「そんなんもわからんのか〜。

 

ああ、情けなぁ!」

 

 

 

クッソ…。出だしからおかしいのはアンタの方やで。

まあいい。ここは素直に教えを請うてみよう。

 

 

「はい。わからないです。教えてください」

 

 

しゃあないなあ…みたいな雰囲気を全身全霊をかけて醸し出すGさん。

こんなところで命の無駄遣いはぜひとも辞めていただきたい。

 

 

 

「イノ! イノや!!」

 

 

 

…イノ!? …イノ!?? …何それ???

まあ、でも、アレしかないか。

 

 

 

 

 「イノシシ…ですか?」

 

 

「違うわ! そんなもん、どこでもおる!!」

 

 

 

そんなもん、どこでもは絶対おらんわ!!!

なんや、なんや、「イノ」って一体なんなんや?

すると窓外をキョロキョロ見回すGさん。何かを見つけたようだ。

 

 

 

「お! あれや!!」

 

 

 

あれ? どれ? 

指差すGさんの、視線の先を辿ると〜…そこには〜……イヌ!!! 

 

 

どこでもおるわ!!!!!

どこでもおるからそこにもおるんや!!!!!

 

木ノ戸

| THEE G | 18:14 | comments(0) | trackbacks(0)
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