Swingy days Enjoy! Open!! Swing!!!

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<新説>信号機の色の意味

 

帰りの送迎車内、81歳Gさんが順調にバグる。
 

 


「なんで信号、3つ付いとるんや??」

 

 

 

え〜っと、何を見て言ってるのかな? って普通に信号見て言うとんな。

 

 

赤、青、黄。

え〜っと、3つが普通なんだけど、そうじゃなきゃすげ〜危ないと思うんだけど、ちょっと詳しく聞いてみるか。

 

「3つありましたか?」

 

よせばいいのに一歩踏み込むドライバー西川君にGさんはこう返す。

 

 

 

「信号は赤、白、黄の3つあるの」

 

 

 

すげー。

さっきまで「知らん人」やったのに一瞬で「めっちゃ知ってる人」の言い方になってる。

それでいて、ものすごく間違ってる。

すげー。

 

 

即座に後部座席のちなさんが反応し、「白ちゃうな」とささやくように呟く。

しかしその声は(もちろん)届かず、Gさんの冒険は続く。

 

 

 

「赤は止まれ。黄色はなんやったか……『進め』やったか……」

 

 

 

おお、なるほど。今度は信号の色にはどういう意味があるか? ですね。

赤は正解。黄色も「進め」ではないけど迷ってはる感じが意外にも正解に近い感じ。

残るは気になる、気になる、気になる、シ〜ロ!!! 

アハ! だってないから!! この世界にはないからね!!!

 

……あれ、でも赤は「止まれ」、白は「進め」でもなんか綺麗に辻褄が合うな。

実はいい線ついてはるのかも。

ま、とにかく聞いてみよう。Gさん、白はなんですか??

 

 

 

 

 

 

 

「まんじゅう」

 

 

 

 

 

 

 

それは近年稀にみる即答であったという。

 

木ノ戸

 

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NPO法人スウィング

木ノ戸昌幸

| THEE G | 18:48 | comments(0) | -
G-RISC(=Gさんらしく生きる生がcontinue) > G-RISE

 

新型コロナウィルス感染拡大防止のため、4月13日(月)より「できる人は在宅ワーク(在宅利用)」をスタートした(→)。

しかしながら、そうした変更が理解できなかったり受け入れ難い人や、かえってこの機にメチャクチャ出歩いてしまう人(あまり「多動」という言葉は使いたくない)は変わらずスウィングに来ており、今現在、利用者、職員合わせて平時のおよそ半数、約15名が日々を送っている。

 

スウィングの長老、Gさんもそのひとりである。


間もなく82歳という高齢に加え、糖尿病という持病もある彼は重症化リスクが最も高いと思われたため、真っ先に4月1日から在宅生活を送ってもらっていた。が、多くの人が在宅ワークへと移行し、逆に感染リスクがグッと下がった(と思われる)15日(水)より現場復帰したのだ。

 

 

Gさんは2018年6月、奇しくも80歳の誕生パーティーの最中に結核を発症。およそ半年間に渡る入院生活によって認知機能や身体機能が著しく衰え、もともとの天然ボケ&知的障害&認知症のトリプルパンチに加え、自力で歩くことさえできなくなってしまった。


常識で考えるならば、身体的な安全が保たれやすい在宅生活や高齢者施設へと移行するのがセオリー。しかしながら退院時、数多くの関係者が例外なく、「働く」場であり、あまりバリアフリー化もされていないスウィングへの復帰を望んだのは、(大雑把に言えば)彼にとっては「細く長く」よりも「太く短く」のほうがベター。つまりスウィングで若い人に囲まれ、笑って生きるほうが幸せだと考えたからだろう。

 

 

個人的には今度何かあったらもうダメかもしれないと、決して悲観論ではなく冷静に考え続けてきた。だからこそ舞妓さん(に扮した女優さん)を月に2回くらい呼んで接待してもらい、昼食後には彼のオムツ交換のために世界文化遺産・上賀茂神社のトイレへと向かうチームが毎日結成され続けている。ちょっとでも楽しい時間を過ごして欲しいし、彼の「楽しい」に僕たちも便乗したいからだ。

 

今回の復帰についても、そりゃあ「身体的な生」を長らえるためだけなら在宅生活を続けたほうが良かったのかもしれない。でも、それは「精神的な死」、言い換えれば「G-RISE」(=Gさんらしく生きる生のend)を早めることになるだろう。


もちろん出来るだけ長生きして欲しいのはやまやまだが、寝たきりの在宅生活が長期化すればするほど、あの、彼を一気に弱らせた入院生活の二の舞になるんじゃないか、と。


もっとも彼自身の意思はもう確かめることが難しく(いや、そもそも難しく)、僕たちが勝手にベターと思い込んでやっていることだが(もちろん、彼の後見人やケアマネージャーも含めて)。


正解は分からない。

 

 

上手くいってもいかなくても、何かと文句を言いたがる人はいるし、そもそもどうなることが「上手くいく」ということなのだろうか。


Gさんは今、主に任侠物の映画や昔のスウィングのDVDを見て過ごしている。元気いっぱいとは言えないが、僕を見ると「クルクルパー」の失礼なジェスチャーをしてくれるから、少なくとも今のところは「G-RISC」(=Gさんらしく生きる生がcontinue)のようだ。

 

 

もう一度、もう一度、兵庫・篠山のご実家を見せてあげたい(→)。

きっとそのとき、彼はこう言うだろう。

 

 

「ここ、誰の家や???」

 

 

木ノ戸

 

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木ノ戸昌幸

| THEE G | 15:30 | comments(0) | -
GJ2H 2020

 

昨日、のっぴきならない事情があり京都府福知山市へと向かった。

京都縦貫自動車道を使って約2時間。

用件を済ませ、お昼ご飯を食べ、ささっと帰路について2時間で帰るはずが……どこかで道を間違ってしまったようだ。

 

おお、おお、「篠山」(ささやま/兵庫県丹波篠山市)のほうに向かっちゃってる。

 

 

懐かしいな。篠山って言えばGさんの故郷じゃないか。

忘れもしない。もう10年くらい前に一度いっしょに行ったことがある。

当時、入院していた彼のお姉さんのお見舞いをして(その後亡くなられた)、ご実家も訪ねた。

そうそう、山を登ってお墓参りもした。まだ土葬の文化が残っていて強烈に驚いたなあ、あんときは。

 

懐かしい思い出話を旅の同行者である友人たちに話していると、寄るはずだったサービスエリアを、すす〜っと通り過ぎてしまう。

 

やってしまった。


ナビの表示とリアルな景色がズレていたので、「ここじゃない」と思ってしまったのだ。

間もなくなくなるガソリンを入れるはずだったのに、ナビ頼りはあかんね、ホントに……。

 

「篠山で降りたらありますよ」

 

父方の実家が篠山であるという、若い友人がそう言ってくれる。

え? Gさんと同郷なの?? それもまた奇遇だねー。

 

「丹南篠山口」という出口で降りると、すぐにガソリンスタンドは見つかり、事なきを得る。

ガス欠の心配を回避し、(やっぱりナビ頼りで)あらためてルートを再探索すると、あれ? 高速乗っても下道で行ってもほとんど時間が変わらないじゃない?

じゃあ、もちろんお金かかんないほうで行くに決まっている。下道のほうが断然、運転も楽しいしね。

 

そして再び、なんたる偶然。

 

途中、車は友人のおじいちゃんのお墓のすぐそばを、かすめるように通ったのだ。

「篠山」ってひと言で言っても随分と広い。総面積は377.59平方キロメートルもあるんだから。

道を間違えて、ガソリン入れ損ねなかったら絶対にこうはならなかった。

いやあ、いろいろ間違えてみるもんだね。

間違えるから人生は面白いんだな。

 

 

でも、さすがに、この十数分後にGJ2Hが起こるなんて、神様にだって分からなかったに違いない。

 

なんとなく、なんとなく。

車窓を流れる景色が、あの日見たGJK(Gさん実家の記憶)と重なるようになってきたのだ。


まさか……。


でも興奮して「ここかもしれない! ここかもしれない!」とかしきりに言い出したもんだから、さしずめ僕は狼少年のようなものだったろう。

 

 

しかししかし、「西野々」(にしのの)と書かれた標識を見た途端、僕は思わずハンドルを左に切る。

だってGさん、「にしのの、にしのの」言うてはってんもん! 

普段からよー言うてはったし、あんときも確かに「西野々」を目印にしててんもん!

 

のどかな里山の風景の中を行く。

確信はないが、不思議と迷いもない。

 

 

 

「着いた。たぶん、ここや」

 

 

ひとり車を降り、家の敷地へと入る(勝手に入ってスミマセン!)。

胸を高鳴らせながら、「畑」(Gさんの名字)を期待して表札を見るが、まったく違う。……勘違い、なんだろうか?

 

 

でも、やはりこれは、あの日見た景色とクリソツのように感じる。

およそ10年前。それもたった一度。しかもGさんの案内で来たきりだが。

 

100パーセントの自信は持てないまま、数枚写真だけ撮らせてもらう(勝手にスミマセン!)

胸の高鳴りはそのままだ。もう覚えてないかもしれないが早くGさんに確認したい。

 

いや、その前にあのときの写真がないか、スウィングで確かめてみよう。

 

 

そしてつい先ほど。

 

まずは過去のブログにそれらしい写真を発見し、「やはり」の思いが更に高まる。


写真は2011年、9年前だ。

 

 

これが昨日撮らせてもらった写真。

似ている、似ている。

 

 

ほら、これも!!

 

図書館工事の最中にどこいったか分かんなくなっていた、過去の写真データが入った外付HDDを発見する。

しかし、よりにもよって2011年については【別USB内にアリ/コピー不可】とある。

別USB、あった。でも、コピー不可どころかほぼぶっ壊れていて、ちっちゃ〜いデータが一瞬見えるのみだ。

 

その一瞬をなんとか逃さずスクリーンショットをかまして、拡大した1枚が1番上の写真である。

 

 

これのこと。  

Gさん、ピースしてはる。

 

 

これが昨日のほぼ全景。

 

 

そしてこれが、2011年の。


ああ、もう間違いない。

こりゃあ、スゴい……。

 

こうして期せずしてGJ2H(Gさん実家、2度目の訪問)と相成ったわけだが、なんか理由があるんじゃないかと思ってしまう。

 

ただの偶然にしてはできすぎている。

つまり、何かに導かれたような気がしてならないのだ。

 

 

なぜだろう? Gさん、もっかい実家が見たいのかな?

それともご先祖様に呼ばれたのかな?

 

とにかく、もう場所は完璧にインプットした。

折を見て、ひとときの里帰りをお誘いしてみようと思う。

 

GJ2H 2020.

 

木ノ戸

 

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・時間、料金、定員、プログラム等の詳細については下記ブログをご覧ください。

 

2019.03.04 Monday

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http://garden.swing-npo.com/?eid=1400635

 

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木ノ戸昌幸

| THEE G | 22:26 | comments(0) | -
犬の真実

 

天然ボケ vs. 知的障害 vs. 認知症という、三つ巴の戦いを日夜繰り広げているスウィング最高齢、Gさん(81歳)。

最近は「認知症、優勢!」が我々の大方の予想であるが、はてさて、真実はどうなのだろうか?

 

仕事終わりの送迎車内。

信号待ちで停車し、ゆっくりと窓外を眺める時間は、即ち三つ巴の戦いが最も激しさを増す時間だ。

 

「あれ、犬か??」

 

ふいに呟くGさんの、視線の先を追うドライバー西川君。

けれど犬なんてどこにも見当たらない。……ひょっとして遂に四つ巴がはじまったのか??

 

「どれ、ですか??」

 

一応尋ねてみる。

すると、Gさんは迷うことなく、ある方向をはっきりと指さす。

 

「あれや。犬か??」

 

思わず息を呑み、動揺を抑えるために大きな深呼吸をひとつつくドライバー。

OK。おかしいのはおれの目でも頭でもない。

 

あれは絶対に犬ではない。

あれは間違いなく、「三輪車に乗った男の子」だ。

 

 

「……犬ちゃいますよ。……人間の男の子ですよ」

 

Gさんの反発(?)を覚悟しながら、絞り出すように何とか真実を言い切る。

言い切った途端に犬が見えたりするんじゃないかと不安だったが、よし、それもない。

あれはやっぱり人間だ。可愛らしい「三輪車に乗った男の子」だ。

 

しかしながら、このままでは終わらないのが三つ巴の猛者である。

猛者は素直に真実を受け入れたらしいが、今度は独り言のような小さな声でこう言う。

 

 

 

「あれ、人間か。なんて鳴くんや??」

 

 

 

天然ボケ vs. 知的障害 vs. 認知症。

何が優勢なのか劣勢なのか、もはや誰にも知る由はないのだろう。

 

木ノ戸

| THEE G | 16:12 | comments(0) | trackbacks(0)
高齢かつ知的な障害をお持ちの「物忘れする力」を積極的に活用したサバ読み回春大作戦

DSCF1010.JPG

 

スウィング最高齢・Gさん。

先日81歳の誕生日を盛大にお祝いした。

 

Gさんは昨年、長期間に及ぶ入院加療を余儀なくされ、無事に退院をしたものの、すっかり足腰が弱ってしまった。

いや足腰だけでなく、気力、体力とも大幅パワーダウンしてしまって、以前のように仕事中に大声で歌うこともなければ、もう自分の足で立つことさえも難しい。

 

DSCF1017.jpg


一般的に80を超える人がこのような状況になった場合、福祉就労であれどうであれ、とにかく「働く場」に来続けることはあまりないんじゃないかと思う。

 

だがGさんの場合、彼を取り巻く多くの関係者たち(病院関係者、成年後見人、ヘルパー等々)は、もろもろのリスクを承知した上で「Gさんにとってはスウィングに行くことが一番!!!」という共通認識を強く持って下さっており、(もちろんGさんの思いがあってこそのことなのだが)すんげー感動している。

 

DSCF1100.JPG

 

が、ただ感動しているだけでGさんの元気が出るわけじゃない。

ピンピンコロリなんて大きなお世話、勝手に死なせろと思っているけれど、でもやっぱり目の前の愛すべき人にはできるだけ笑って生きていてほしい。

 

 

こんなときに「仙豆」があれば最高なのだが、どうやらまだこの世界には存在しないらしい。

ツムラのホームページも見たのだが、やはりない。

 

ではどうするか?

そんなの決まっている。

 

我々が仙豆になるよりほか方法はない。

 

なに言ってんの??? と思われた方に100%共感する。

つまり。つまりGさんにとっての仙豆を僕たちなりに探り考え、実験を繰り返すしかないと言いたいのだ。

 

DSCF1109.JPG

 

さて、Gさんはおよそ2年ほど前から「もう77か〜」とか「ワシもう77やで〜」とか、(1日に10回くらい)語り出しており、それは今もって変わらない。が、既に書いた通りGさんは現在81歳、つまり彼の語りは思い切り間違っている。だからこれまで周囲の人間は「サバ読んどる!」と素早いツッコミを入れたり、正しい年齢を教えたりしてきた。

するとGさんは(現在なら)「そうかあ? 81か〜」と一時は納得するのである。

 

★2018.03.01 ブログ【失われた「ワオ!!!」を求めて】

★2018.04.13 ブログ【続・失われた「ワオ!!!」を求めて】 

★2019.07.11 soarインタビュー【“できない自分”のままで、楽しく生きる。障害のある人が好きなことで自己表現をするスウィング】

 

DSCF1087.JPG

 

が、先日ひょっとしてこのやり取りが仙豆になるんじゃないかとふと思い、早速実行に移してみることにした。

 

その方法はこうだ。

 

Gさんが「もう77か〜」とか言う。

▲ソ真面目に正しい年齢を返すのではなく、「違いますよ。59ですよ!」とか、Gさんのサバ読み(ではないんだけど)より、さらにウンと低い年齢をささやく。

 

するとGさんは、本当の年齢(81歳)の場合と同じく「そうかあ? 59か〜」と納得しちゃうのだ。

 

あれ? ワシ思ってたより全然若いやん? 年寄りの気でいたけどまだまだいけるんちゃう? という錯覚による元気を生み出す、(ちょっと行政風に)題して「高齢かつ知的な障害をお持ちの『物忘れする力』を積極的に活用したサバ読み回春大作戦」である。

 

どこまでいけるか実験を繰り返す。

 

「ワシもう77か〜」「42ですよ!」「42? ワシ42か〜?」

「ワシもう77やで〜」「ち・が・い・ま・す・よ。32!」「んなわけあるかい!」

 

実験の結果分かったのは、さすがに三十代、四十代あたりになってくるとGさんの中に違和感が生じること。

対して五十代、六十代あたりだと「マジで? まあそうやったかなあ」みたいな感じになること。

というわけで集中的に約15〜30歳のサバ読みを積極的に推進した結果、その成果はある日突然、このような形で表れたのである。

 

 

 

 

「ワシもう75か〜」

 

 

 

結論。ヒジョーにビミョー!!! 

でも2歳は回春したんだから地道にサバ読みを続け、「ワシもう55か〜」を当面の目標値としよう。

 

なお、我々が密かに進めている大粒仙豆、「Gうへうへ舞妓プロジェクト」ついては、もろもろ機が熟した後、あらためて本ブログにて報告したいと思っている。

 

木ノ戸

| THEE G | 16:08 | comments(0) | trackbacks(0)
あなたは何を諦め、生きてきましたか?

撮影:成田舞/「親の年金をつかってキャバクラ SWING EXPO」より

 

京都に「あきら幼稚園」という名の幼稚園があります。その「あきら幼稚園」のバスをね、送迎のときにね、よく見かけるわけです。そうするとね、毎度おなじみGさんはね、こう言うんです。

 

 

「ほれ見い。『あきらめ幼稚園』て書いてあるわ」

 

 

「あきらめ幼稚園」て…。そんな哀しい名前の幼稚園があるわきゃないでしょう。確かにときに「諦め」は肝心だけれど、そんな深すぎる幼稚園、子どもが行く場所じゃないでしょう。「諦め」じゃなくって、あ・き・ら。「あきら幼稚園」ですよ。

 

 

「『あきらめ幼稚園』、どこにあんのや?」

 

 

…とまあ、やっぱりさっぱり聞いちゃいねえわけです。このまま話してても仕方ないんでね、疲れるだけなんでね、ドライバー西川くん、さっさと見切りをつけて、Gさんの「文脈に合わせる」というのをやるわけです。この場合はこうです。

 

 

「Gさんも子どものときに諦めたことあるんですか?」

 

 

するとGさん、ぼんやりとね、でもはっきりとね、こう答えはりました。

 

 

 

 

「人生」

 

 

 

 

なるほど!!! それでか!!!

 

木ノ戸

 

「親の年金をつかってキャバクラ SWING EXPO」京都展は8月12日(日)までです!

| THEE G | 18:36 | comments(0) | trackbacks(0)
続・失われた「ワオ!!!」を求めて 

 

 

仕事終わりの送迎車内、Gさんが言う。

 

 

「もう77か〜」

 

 

それ、なんか知ってる、知ってる、知ってるぅ〜!

ドライバー西川くん、激しい既視感に頭がクラクラする。既視感というか割と最近、「これ」からはじまるやり取りをしたのは紛れもない事実だ。ほんで最後はおれが「ワオ!!!」言うてバカにされて終わるんやろ? → 

もう分かっている。もう分かっているが、分かっているのはおれなのであってGさんではない。西川くん、気持ちを切り替え丁重に訂正させていただく。

 

 

「違いますよ。79ですよ」

 

 

するとGさん、まさか! みたいな驚いた表情で言う。割と大き目の声で言う。うん、このリアクションももう知ってる。

 

 

 

「79? ほな来年で80か〜!!!」

 

 

あれ? なんかちょっと違うな…。前は確か「79? ほな次80やんけ!! ワオ!!!」だったはずだ。さすがGさん、ここへ来て「ワオ!!!」抜きプラス微妙なニュアンス変更くわえてきおったな。ん? 来年? 来年で80? 違うよ。今年の6月で80よ。来年は81よ。あかんあかん、このままにしてはおけん。西川くん、想定外の展開に少々動揺しながらも再び丁重に訂正させていただく。

 

 

「違いますよ、今年の6月で80ですよ」

 

 

たかだか「今年」と「来年」の違いですけどどうですか? でも1年の違いってけっこう大きくないですか? するとGさん、真実をすぐに理解したのか、少しがっかりした様子でこう言う。

 

 

 

「なんや〜、80で6月か〜」

 

 

ワオ!!! ワオ!!! ワオ!!!

 

木ノ戸

| THEE G | 18:37 | comments(0) | trackbacks(0)
パトカーと霊柩車

 

仕事終わりの送迎車内、ぼんやりと窓外を見つめるGさんが言う。

 

 

 

「わし、アレ乗ったことあんねん」

 

 

 

ドライバー西川くん、Gさんの視線の先を追う。

そこには前後に並んで停まったパトカーと霊柩車。なかなか目にすることの無い、珍しい風景である。「アレ乗ったことあんねん」か。どっちかと言うとアレはあっちのような気がするけど一応聞いてみるか。「聞いて! 聞いて!」のオーラ、ビンビンやし。

 

 

 

「どっちですか?」

 

 

 

 

するとGさん、「あっち」と迷わずパトカーの方を指差す。

そうか、やっぱりアレはパトカーの方やったか。まあ長い人生、乗ったことあるくらい…な(実は理由も知ってるけどさすがにここでは言えん)。でも、長い人生と言えば誰かのお見送りとか霊柩車の方に乗る機会は一度もなかったのだろうか。

一応もっかい、そこ確認しとこ。

 

 

 

「じゃあ、あっちは?」

 

 

 

(あまり良いことのような気はしないけれど)言いながら西川くん、霊柩車の方を指差す。Gさんは少し首の角度を変え、束の間、霊柩車の方をじっと見つめる。

そしてこう言う。

 

 

 

 

「あっちは、もうちょっと」

 

 

 

よ!! リアルさとり世代!!!

 

木ノ戸

| THEE G | 14:45 | comments(0) | trackbacks(0)
失われた「ワオ!!!」を求めて

 

仕事終わりの送迎車内、Gさんが言う。

 

 

「もう77か〜」

 

 

いやいやいやいや。いやいやいやいや。

なんや“しみじみした感じ”出してるけど違うし。それ、2年前のデータやし。

ドライバー西川くん、丁重に訂正させていただく。

 

 

「違いますよ。79ですよ」

 

 

するとGさん、まさか! みたいな驚いた表情で言う。割と大き目の声で言う。

 

 

「79? ほな次80やんけ!! ワオ!!!」

 

 

「ワオ!!!」て…。79歳が「ワオ!!!」て…。

そうですよ。Gさん、今年でもう、80になるんですよ。「傘寿」(「傘」の略字が八と十を重ねた形になり、八十と読めることに由来)ですよ。

まだまだ長生きしてくださいね。

 

 

 

そうしてしばしの沈黙の後、再びGさんが口を開く。

 

 

「もう77か〜」

 

 

コラコラコラコラ。コラコラコラコラ。

なんやはじめてみたいに“しみじみした感じ”出してるけど、それついさっき終わったとこやし! 「ワオ!!!」で終わったとこやし!

…けれどGさん、ふざけているわけではないようだ。うむ、しゃあない、しゃあない。切り替えていこ。

ドライバー西川くん、再び丁重に訂正させていただく。

 

 

「(さっきも言うたけど)違いますよ。79ですよ」

 

 

さて。どんなリアクションが返って来るのか?

ちょっとドキドキする。

 

 

「79? ほな次80やんけ!!」

 

 

すごいな、おい…。鮮度120%やないか…。

あれ? でも、なんか足りんな…。鮮度は申し分ないけどなんか足りんな…。

 

あ! 「ワオ!!!」は? 「ワオ!!!」は言うてくれへんの? 

なんで〜? え〜? なんで〜? ちゃんと「ワオ!!!」言うて〜な〜。

 

西川くん、しばらく待ってみるがGさんから「ワオ!!!」は出てこない。

もう、な〜んも無かったような顔をして、ちんまりと座っている。

あかん、このままではスッキリせ〜へん。ぜったい今晩眠れへん。…これはもう、…自分でやるしか、…ない。

 

 

「ワオ!!!」

 

 

Dear Mr. G。

失われた「ワオ!!!」を取り戻すため、在るべき場所に在るべきものを正しくおさめるため、あなたに代わって捨て身の勇気を見せた男の、男・西川の美しい姿を見ましたか? 見てくれましたか? え? どうなのよ??? 

 

 

 

「何がワオ!!! や」

 

 

何がて、何がじゃ!!!

もともとはアンタが!!!

 

木ノ戸

| THEE G | 14:57 | comments(2) | trackbacks(0)
ほとんどアート!! 現代クルマ最前線!!!

 

最近のGさんは観察眼鋭く、曇り空の日には「今日、天気悪いやんけ!」となぜか怒っていたり、さまざまな表現活動をしている面々を横目に見ながら「こん中で仕事してるん、ワシだけや!」と自慢げに毒づいてみたりしている。

 

そして鋭い観察眼はもちろん仕事終わり、帰りの送迎車内でも思う存分発揮される。

はい、こんな感じである。

 

 

「なんと!! 最近のクルマは人が乗らんでも走るんか!??」

 

 

「いつもの見慣れた風景に全く新しい何かを発見する」という、この素晴らしい視座。

これはもう「アート」と言っても過言ではないだろう(流行りのジャンル分けをするなら「障害者&高齢者&ちょっと認知症&そもそも天然アート」といったところか)。

しかしドライバー西川くんは極めて冷静である。

 

 

「…乗ってますよ」

 

 

うおう!!! いつもの見慣れた風景は、やっぱりいつもの見慣れた風景だったようである。

しかしGさんの観察眼、そしてアーティストとしての視座は凡人のそれを悠々と凌駕する。

じっとクルマを見つめ続けるGさん。再びいつもの見慣れた風景に全く新しい何かを発見する。

はい、どうぞ。

 

 

 

「なんと!! 最近のクルマは“前に”人が乗るんか!??」

 

 

その時、ドライバー西川くんの目にはうっすらと涙が滲んでいたという。

 

木ノ戸

| THEE G | 14:39 | comments(0) | trackbacks(0)
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