Swingy days Enjoy! Open!! Swing!!!

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ヘルパーのヘルパー

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「親の年金をつかってキャバクラ SWING EXPO」の象徴的人物でもある増田さんは、およそ4年前からとあるマンションの一室でひとり暮らしをしている。いろいろあって、ありすぎるくらいに本当にいろいろあって、ようやく辿り着いた穏やかなひとり暮らしである。とは言え彼のひとり暮らしには多くの他者が関与している。増田さんは繊細すぎて「ちょっとしたつまずきにもド凹みして長期に渡って引きこもる」という性質があるため、スウィングには「即座に救出する用」のカギが、元気な時の彼の意思によって常時預けられているし、あればあるだけ使ってしまうお金の管理を委ねている居住区の社会福祉協議会には、週に1回、1週間分の生活費を受け取りに行っている(正確には支援者といっしょに銀行口座のお金を下ろしに行っている)。

 

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そして調理と掃除のサポートのため、週に2回ホームヘルパーもやって来るのだが、その際の彼の行動がちょっと、いや、随分と変わっているのである。ヘルパーさんの来訪前、決まって彼は部屋を片づけ綺麗にし、そして時には料理の下ごしらえも済ませ、空調もバッチリ快適! の状態でヘルパーさんを迎え入れ、さらにはヘルパーさんが買い物に出かける隙間時間を縫ってお風呂とトイレの掃除までしてしまうというのだ。増田さん曰く、「ヘルパーさん大変なんで、できるだけ仕事減らしたいんですよ」。対して「助かります」とヘルパーさん。どどど、どっちがヘルパーやねん! けれどこうした彼の振る舞いからは、どこかお堅い「サービス」という名のもとに【助ける側/助けられる側】とに一刀両断、二分化してしまった関係性を解きほぐす、温かな人間臭さのようなものが感じられやしないだろうか ー僕は猛烈に感じるー 。そんなわけで僕はいつの頃からか増田さんのことを、敬意を込めて「ヘルパーのヘルパー」と呼ばせてもらっている。

 

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「いやいや、そんなことならヘルパー要らへんやん!」と思う人もいるかもしれない。しかしながら増田さんは、ヘルパーが来るからこそ、そしてヘルパーが大変だと思うからこそ「ヘルパーのヘルパー」に身を転じ、自分ができることを、できる範囲で(けれどMAXで)しているのであり、仮にもしこうしたきっかけがなかったならば、手が付けられないほどに住処を埃まみれにし、心を内へ内へと閉ざして生気を失ってしまう増田さんという人を、僕たちは、そして彼自身も痛いほどによく知っている。彼に2人の後見人がいるという事実がその証左になるかどうかは分からないが、少なくとも増田政男という人の、非常に見えにくい「生きづらさ」を知る手掛かりにはなるだろう。恐らく増田さんにとっては、「定期的に他者が訪れること/関わること」がこの上なく大切なのであり、そしてその他者が「家族」でも「友人」でもなく ― つまり近すぎる関係性にある他者ではなく ― 、接する時間も距離感も絶妙にちょうどいい「ヘルパー」という他者であることも重要なポイントなのだと思う。

 

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良い悪いの話ではないし、先のことは分からない。ただ、決まって毎週2回、とある小さなマンションの一室で繰り広げられるちょっと奇妙な助け合いの風景と、そこに漂う増田さんの弱さと優しさと美徳を思うとき、僕の心はいつもほんの少し、ニンマリにやけてしまうのである。

 

木ノ戸

| スウィンギン・ドキュメント | 14:59 | comments(2) | trackbacks(0)
わたしはマネキン

 

「親の年金をつかってキャバクラ SWING EXPO」京都展に向け、バタバタとした日々を送るスウィング。今日は昨晩から7教室にドン! と置かれたゴミブルーマネキンが、1日中ちょっとした波乱を巻き起こし続ける。

 

 

いつも早くに出勤してくるミサさん、ゴミブルーマネキンに向かって元気よく言う。

 

 

 

「おはようございま〜す!」

 

 

 

…何かがおかしいとは思わんかったんか!!!

 

 

毎日「岩木紙」(主に見学者へのお土産の包装紙として使用されるスウィング原産の紙。EXPOでは来場者全員にこの「岩木紙」に包まれたお土産を用意しております!)の制作に忙しいそうちゃん。インクの「出」が悪くなったので、近くにいた人の肩をちょんと叩いて「ペンの交換」を依頼しようとする。しかしその人はゴロンと横転してしまい、そして首がポキッと折れてしまう。そうちゃん、驚いて目を丸くする。

 

 

 

…そうちゃん、その件、次から人間に頼も!!!

 

 

 

毎日、お世辞やあいさつが「くどい」アッキーは、マネキンに対しても分け隔てなく「くどい」。

 

 

 

「沼田さん、よく似合ってますねー!」

 

 

 

…沼田さんちゃうよ、よー見て。…マジでよー見て。こんな微動だにしない人、基本おらんよ。

しばらく後、再びゴミブルーマネキンのかたわらを行きすぎるアッキーが言う。

 

 

 

 

「沼田さん、よく似合ってますねー!」

 

 

 

マジか!!! どんな節穴!??

 

 

今日は京都新聞さんの取材もあり、いよいよ盛り上がってきた「親の年金をつかってキャバクラ SWING EXPO」

来る7月31日(火)より、京都「同時代ギャラリー」にて開幕する。

 

木ノ戸

| スウィンギン・ドキュメント | 18:31 | comments(0) | trackbacks(0)
初夏のスウィングは狂いそう。

 

たいとくんが言う。

美味しそうにコッペパンを頬張るゴルゴの様子に触発されたのか、たいとくんが言う。

 

 

「西川さん、コッペパン好き?」

 

 

西川くん、好きかどうかよりもコッペパンの響きにじんわりと懐かしさがこみ上げる。

 

 

「コッペパンかあ、懐かしいなあ」

 

 

するとその思いに共感したのか、たいとくんがこう言う。

 

 

 

「コッペパン、どうしてるかな〜」

 

 

 

旧友か!!! 懐かしい友か!!!

 

 

 

四至本くんが言う。

仕事終わりの送迎車内、何気なくちなさんに言う。

 

 

「ちなさん、好きな食べ物ってなんなん?」

 

 

するとちなさん、間髪を入れずにこう答える。

 

 

「トマトやな!」

 

 

ウソつけ! トマト大嫌いやないか!

じゃあ、逆にこの質問はどうや?

 

 

「じゃあ、嫌いな食べ物は?」

 

 

するとちなさん、少し間をおいてからこう答える。

 

 

 

「ミニトマトやな!」

 

 

 

むふ〜!!! なんかスッキリせん!!!

 

 

かなえさんが言う。

何を言っても言わなくてもいい朝礼で、嬉しそうに言う。

 

 

「今日、本買いに行きます!」

 

 

お、いいね、いいね。でももう少し詳しく聞かせて〜な。

 

 

「何の本買うの?」

 

 

するとかなえさん、「当たり前やん」みたいな感じでこう言う。

 

 

 

「読む本」

 

 

 

誰か!!! もう助けて!!!

 

 

木ノ戸

| スウィンギン・ドキュメント | 17:29 | comments(0) | trackbacks(0)
迷えるヒーロー

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清掃活動「ゴミコロリ」において難しいことのひとつに、「これはゴミか落とし物か? どっちにしよ?」がある。つまり一見ゴミらしく見えたとしても、それが本当にゴミなのか、いやゴミではなくって誰かの落とし物(忘れ物)なのか、その判断をしなければならない場面に時々出くわすのである。吸い殻や空き缶などの分かりやすい「ザ・ゴミ!」は問題無いのだが、例えば公園に脱ぎ捨てられた子ども服や道端に落ちている綺麗な柄のハンカチ等、それが明らかに誰かの私物である場合、つどつどその判断を迫られる。あまり汚れてもいないし、これはまだ落としたて(忘れたて)でしょう! と判断した場合はたたみ直したり、綺麗に置き直したりして落とし主が現れるのを待つことになるし(落とし物認定)、なんかええもんに見えるけれどもこれだけドロッドロのペッチャンコだったらもうゴミでしょう! と判断した場合はゴミ袋にポイッ! とすることになる(ゴミ認定)。いずれにせよ「これはゴミか落とし物か? どっちにしよ?」の判断には当然個人差もあるし、誰も唯一絶対の正解は持ち合わせていない。だからなかなか難しい。

 

そしてさらに難しいのは「落とし物認定」をした場合の、「この場にそのまま置いておくべきか? 貴重品として交番に届けるべきか?」の判断である。中身の入った財布やクレジットカードなど、つまり金がからめば問答無用に交番にGO! になるわけだが、「金はからんでないけど、これはかなり大事なものっぽくね?」、言い換えれば「このままここに置いておいたらパクられるっぽくね?」の場合が時々ある。がしかし、この「ぽくね? ジャッジ」は「これはゴミか落とし物か? どっちにしよ?」よりさらに個人差があるし、やはり誰にも正解は分からない。

 

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ところで京一さんが中身のゴミブルー(以下、京一ブルー)は一発狙いのギャンブラー気質や、人一倍細かいゴミにまで目がいく特性(?)のせいか、落とし物、しかも交番に届ける系の落とし物をよく拾う。クレジットカードを拾ってはじめてゴミブルーのまま交番に行ったのも京一ブルーだったし、一昨日実施した「第114回ゴミコロリ」で文房具がたっくさん詰まったかわいいポーチを畑の中に見つけ「これどや?」と拾ってきたのも京一ブルーだ。「ゴミ認定」するには新しすぎるし、状態もかなりいい。「ぽくね? ジャッジ」は僕(木ノ戸ブルー)が担当させてもらい(京一さんはあらゆる局面において決めるのが苦手)、随分迷ったがこれはパクられる恐れあり! と「落とし物&貴重品認定」、ゴミブルー2人揃って最寄りの「上賀茂交番」へ向かうこととなった。

 

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交番のおまわりさんとも言ってみれば顔馴染みだ。いや、中身の顔を見知っているはずはないが、毎月の積み重ねの甲斐あってゴミブルーのことはよくよく知ってもらっている。今回も「ご苦労さまです」と手続きは着々進み、書類を作成するため「お名前教えていただけますか?」と尋ねられる。すると京一ブルー、少し間をおき、はっきりとしたいい声でこう答える。

 

 

 

「櫻本京一…です…か???」

 

 

 

「…です…か???」てなんじゃい!!!

おまわりさんに尋ね返してどないすんじゃい!!!

 

京一ブルー、どうやら「本名かゴミブルーか? どっちにしよ?」で迷ったらしい。…そりゃこういう時は本名に決まってるやろ。…警察の書類に「氏名:ゴミブルー」って書いたらおまわりさんの方が(位が上の方のおまわりさんに)叱られるわ。しばし笑いに包まれる平和な交番内。おまわりさん、息を整え仕事に戻る。本名・櫻本京一さん、続いてあなたの年齢をお聞きしたいんですけど? すると京一ブルー、やはりはっきりとしたいい声で今度はこう答える。

 

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「数え年…です…か???」

 

 

 

おじいちゃんか!!! 

いや、ひいおじいちゃんか!!!

 

京一ブルー、今度は「数え年か実年齢か? どっちにしよ?」で迷ったらしい。…今日日「数え年」で年齢言うときあるか? …厄年とか死んだときとかそれくらいやで。もはや「ゴミブルー」は一切関係なく「櫻本京一」個人の問題(?)である。おまわりさんも交番内で「数え年」というワードを聞いたのは恐らくはじめてのことだろう。「いや、今の年齢でお願いします」と笑いながら言う。

 

迷えるヒーロー、京一ブルー44歳(数え年46歳)。

来月も上賀茂の地を、目を皿のようにして迷わず闊歩する。

 

木ノ戸

| スウィンギン・ドキュメント | 16:23 | comments(0) | trackbacks(0)
姪っ子ちゃんは難しい

 

とある日曜日、Q氏主催のカラオケ大会(Q氏、イベント主催しがち!)へ向かう道中、助手席のかなえさんととりとめのない話をする。かなえさん、昨日の土曜日は何してたん?

 

 

 

「どっか出かけてた」

 

 

 

「どっか」て。その「どっか」を言うてーな。会話てそうやって広がっていくもんちゃうの? まあおれが聞いたらええことやな。どっかてどこ行ったん? どっか食べに行ってたん? 

 

 

 

「うん」

 

 

 

「うん」て。「どっか」の答えになってないがな。まあ、ええわ。もう「どっか」は諦めてどんどん尋ねたろ。かなえさんが時々家族で外食に出かけるのはよく知っている。じゃあ昨日のメンバーはどんな感じだったの?

 

 

 

「お母さんと妹と甥っ子と姪っ子」

 

 

 

なるほど、なるほど。賑やかでよろしおすな。ところで甥っ子さんには会ったこともあるし、名前も知っているけど姪っ子さんのことは何にも知らない。かなえさん、姪っ子さんのお名前は? なんていうの?

 

 

 

「めいっこちゃん」

 

 

 

…………………。

え〜っと、パニクる、パニクる。落ち着け、落ち着け。じゃ、じゃ、知ってるんやけど一応甥っ子ちゃんの名前を確かめてみよう。かなえさん、甥っ子ちゃんの名前は?

 

 

 

「ひろとくん」

 

 

 

やんな! やんな! ひょっとして「おいっこちゃん」なんか思たけど「ひろとくん」やんな。間違いない。それ間違いない。じゃ、もっかい、もっかいだけ確認のため聞かせて。かなえさん、姪っ子ちゃんの名前は?

 

 

 

「めいっこちゃん」

 

 

 

だ〜!!! マジか〜!!! 甥っ子ちゃんは名前で呼んで、姪っ子ちゃんは姪っ子ちゃんのままか〜。そうか〜、でもいい! そんなんも、なんかいい!  

 

…がしかし、後日気になってかなえさんのお母さんに確認したところ、姪っ子ちゃんの名前は「めいこちゃん」であることが判明。そうか。そういうことか。「なんかいい!」とか偉そうに言ってゴメンよ。でも「姪っ子ちゃん」と「めいこちゃん」がいい感じにごっちゃになってるやんな…。随分昔のこの話(→)と絶妙に重なる。およそ10年前のスウィングの風景。よければどうぞ。

 

木ノ戸

| スウィンギン・ドキュメント | 18:33 | comments(0) | trackbacks(0)
気になる冷蔵庫の大きさ

 

先日、お陰様で大盛況のうちに幕を閉じた展覧会「Enjoy! Open!! Swing!!! Vol.5 みんなあげちゃう♡♡♡」。それはそれとして、とにかく事件はその会期前日、搬入作業へと向かうNEWスウィング号の車内で起こったのである…。

 

今回の搬入メンバーは僕とかめちゃんとあやちゃんの3人。誰がどこを担当するか? 出発早々、役割分担をささっとすませた後、昼食を買うためにコンビニへと車を走らせる。…腹が、ちょっと、減っている。…このまま何も食べずに昼までもつだろうか? …いや、待て、待てよ。この間も同じように考えて朝からパン食べちゃったら、やっぱりちゃっかり下しちゃったではないか。そう、僕は昔から(特に朝)腹を下しやすい体質で、現在、いろいろ試行錯誤の末に朝はスムージー、昼はお粥、晩ご飯は普通に…という食生活を送っており、腹具合がかつてないくらいに安定しているのだ。この話を友人にした時には「モデルか!」と笑われたが、1日3食お腹いっぱい! が合う人もいれば、内村航平さんのように晩ご飯だけ! が合う人もいる。本来、「食」というのはこんな風に「個人個人・色々」が当たり前なんじゃないだろうか…てな話を道中ふたりにしていると、「ふ〜ん」と感心した様子で聞いていたあやちゃんが、今度は「食」の量について、意外な話をはじめる。

 

 

 

「あたし、1回に作るのが、4、5人前がベストなんですよ」

 

 

…分かるだろうか? あやちゃん、「一度に4、5人前を食べます!」と言っているのではなく、あやちゃんにとっての「1回に作る量の適量」が1人前でも2人前でもなく、4、5人前だと言っているのだ。ふ〜む。「食」の回数、内容、食べる量など人それぞれだと思っていたが、「1回に作る量の適量」まではさすがに思い至らなかったぜ…。さすが、あやちゃん…。僕も驚いたが、かめちゃんも「へー!」とかなり驚いた様子である。

 

 

 

「そんなに作るって…。じゃあ、冷蔵庫は大きいんですか?」

 

 

なるほど、ごもっともな質問である。(僕は4、5人前のインパクトに混乱してそこまで頭が回らなかったが)かめちゃんは一度に4、5人前も作るからには食材もたくさん! 冷蔵庫も大容量! というイメージを即座に持ったのだろう。うむ。興味あるある。さて、あやちゃん、その実態やいかに?

 

 

 

 

 

「いえ、冷蔵庫は1人前です」

 

 

 

 

 

て、言わんよね!!!

普通は!!!

 

最近、あやちゃんがミサさんに急接近しているような気がする…。

 

木ノ戸

| スウィンギン・ドキュメント | 17:29 | comments(0) | trackbacks(0)
たぶんフルチンよりフルオープンの方が難しいんだぜ!

 

スウィングには現在、27名の「利用者」と8名の「職員」(うち1名は僕、うち1名は事務員のゆみさん)がいる。「利用者」を言い換えれば「被支援者(=支援を受ける人)」、「職員」を言い換えれば「支援者(=支援をする人)」となり、あるいは福祉サービスという観点から言えば「利用者」は「サービス受益者」、「職員」は「サービス提供者」ということになると思う。

 

スウィングはこのように人間を言葉や立場性で白黒ハッキリ二分化してしまうことに疑問を持ち、こうした構造や関係性(【利用者/職員】とか【被支援者/支援者】とか)の解体を日々の歩みの中で進めてきた。また公的にも「特定非営利活動法人促進法」に基づく定款において「活動会員」(=この法人に所属し、様々な市民活動を主体となって実践する利用者及び職員)という規程を設け、スウィングに属する全ての人が平たく、NPOとして推し進める市民活動の主体者なのだ! という旨を明記している。

 

社会から付与された「利用者(被支援者)性」や「職員(支援者)性」、あるいはその境界を溶かし、「ひとりひとり」がNPOとしての市民活動、そして社会福祉施設としての社会福祉活動の主体者(実践者)となるという試みは、概ねものすごく上手くいっており(なんて雑!)、スウィングという場やそこで培われてゆく文化をイイ感じに醸成してゆく礎になっていると感じている(なんて曖昧!)。ていうか本来「当たり前」であるはずのことを、「当たり前」にしているだけなんじゃないかとも思う。

 

しかしながらその一方で、僕たちが「職員」という立場性や「支援者」という職をもって、「利用者」の何倍もの賃金を得、生活の糧としているという事実も厳然としてあるわけで、僕たちはこの動かし難い現実からも決して目を逸らしてはならない。スウィングは設立以来、フリースクール「わく星学校」さんと仲良くしてきたが、「わく星学校」にも同じような問題(?)があることを数年前に聞いた。即ち、「先生」「生徒」が共に学び合う「わく星学校」だけれども、「先生」はお金(給料)を得、「生徒」はお金(授業料)を払うという、やはり二分化された現実があり、「これってなんかおかしくない?」という議論が巻き起こったりしているらしい。解決しない問題かもしれないけれど、とっても大事なことのように思う。

 

木ノ戸

 

…じゃない! じゃない! 僕が書きたかったのはこれじゃない! 

僕が書きたかったのは四至本くんのことなんだもん! 

四至本くんから食らわされた、あの衝撃(?)のことなんだもん!

 

 

今から8年前、2010年にスウィングの一員となった四至本くんにはあるクセがある。それはほとんど一定周期で「やる気」が失せてゆき、次第に日々の仕事がおろそかに雑になってゆき、明らかにその表情までもがだらしなくなってしまうというクセである。このクセがMAXに、どうしようもないくらいに発揮されたある年、四至本くんはスウィング史上、唯一の「懲戒処分」を受けた。これは「スウィングに来るだけで仕事!」ていうか「生きてるだけで大仕事!」という仕事観が根付いているスウィングにおいてはまさしく異例のことであるが、それはやっぱり四至本くんが「職員」だったからに相違ない。平たく「活動会員」であることを基本としながら、同時にプロの「支援者」(何をもってプロか? は謎!)としてもあり続けなければならない。わお! スウィングって難しいのかも! 

 

話を戻す。

 

この四至本くんのクセが出るたびに僕はどうしているか? その答えは「そのつど四至本くんを叱る」である。すると四至本くんはそれを合図のようにして回復(?)し、翌日から再びいい顔をしてリスタートするというサイクル、いや、むしろシステムを、この8年間、僕たちは採用し続けてきたのだ。

 

先月のことだったろうか。明らかに日々覇気が無くなり、明らかに仕事がおろそかに雑になってゆく四至本くんに気づいた僕は、「もう、そろそろアカンな…」というタイミングで四至本くんを呼んだ。「分かるやんな?」とひと言言うと、即答で「はい」。もちろん僕の中に巻き起こったのは「分かってんにゃん! も〜お!!!」である。そしてこの「分かってんにゃん! も〜お!!!」を無かったことにせず、これまでのように「叱る」ではなく、正直にこう尋ねてみた。

 

 

「おれがこうして話をする時って、自分でもアカンて分かってんの?」

 

「はい、分かってます」

 

 

だと思う。分かっているからこそ「なんのことですか?」ではなく、即答で「はい」なのだと思う。

…しかしここでひとつの疑問が浮かぶ。分かっているならば、なぜ自分自身で改めようとはしないのか? それは果たして四至本くんにはできないことなのだろうか?

 

 

「え〜っと、分かってても自分自身ではどうにもできないの?」

 

「はい」

 

 

正直やなあ、おい! よ! ミスター人任せ!

なんか、段々楽しなってきたわ。よし、もう一歩踏み込ませてもらおう。

 

 

「それはどうして? 自分の中にどんな気持ちがあるの?」

 

 

どちて? どちて? 分かってるのにどうにもできないって、マジでちょっと分かんない。理由が知りたい。

ねえ、どちて? どちて? どちてなの? すると四至本くん、ちょっとはにかみながらこう答える。

 

 

 

 

「いけるんじゃないかって、思ってしまってます」

 

 

 

この答えを聞いた途端、僕は「すっげー!!!!!」と思った。そして思わず大笑いした。「いけるんじゃないか」って!!! つまりこのままではアカンとどこかで分かっていながらも、「いやいや、このままでもいけるかもよ? 誰にも気づかれないかもよ?」という悪魔の囁きにボロ負けし続けていることを、正直に、バカ正直に、この男ははにかみながら言ってのけたのだ。僕はここまで自分を曝け出せるのはマジでスゴい! と感動しながら「でもな、叱る方も疲れるんやんか、やっぱりこのシステム続けなあかんの?」と、「おれを助けてくれ」みたいな感じで正直に尋ねた。正直には正直返しである。すると四至本くんからは更に正直にこう返ってくる。

 

 

「はい、叱ってもらった方がいいと思います。自分ではちょっと…」

 

 

…そ、そうなんや。叱られる側からこう言われてしまっては、一体僕はどうすればいいのか。しばらく考えた末、僕は四至本くんにこう伝える。

 

 

「じゃあ、おれも自分から叱るのはしんどいから、四至本くんの方から叱って欲しいって言ってくれへん?」

 

「はい、やってみます」

 

 

はい! (理論上は)新システム確立! 

この意味の分からないシステムが果たして上手くゆくのかどうか。やってみなくちゃ分からない。しかしながら僕たちはこのやり取りを終始リラックスしながら進め、なんか知らんけど清々しい気持ちで話を終えることができた。

 

この清々しさってなんだろう? 

 

僕は四至本くんを責める気にはなれず、それどころか悪魔の囁きにボロ負けしてしまう自分をフルオープンにした四至本くんに爆笑し、そして感動した。また僕自身も「叱る」ではなく、四至本くんの本当のところを聞きたいと耳を澄ませ、「私、あなたに困ってます!」という自分を露わにした。結局のところ僕たちはウソの無い、素っ裸のコミュニケーションができたのだと思う。そして四至本くんは長い月日のうちに自分の「弱さ」を素直に受け入れ、力に変えつつあるのだと思う。願わくば新旧どちらのシステムも使いたくはない。けれど自分自身を奥の奥まで曝け出し、「弱さ」を他者に委ねた四至本くんの在り方に対し、僕は(余りにもオモシロすぎたので)敬意の念を抱かざるを得ないのである。

 

木ノ戸

| スウィンギン・ドキュメント | 19:58 | comments(0) | trackbacks(0)
緊急特集! 鶴瓶の声のかわし方!

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スウィング第8教室(注1)、今日も1日がんばったクレンジャーズ(注2)の片づけをしながら、男女3人がとりとめのない話をしている。「手が止まることはあっても決して口は止まらない」あちゃみちゃんが言う。

 

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「明日、映画みにいこっかなー」

 

 

ええがな、ええがな、今の季節、涼しい映画館ええがな。

すると同じく「手が止まることはあっても決して口は止まらない」ミサさんがこう尋ねる。

 

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「なにみるの?」

 

 

うん、気になるね。気になるね。

ねーねー、あちゃみちゃん、手は止めてもいいから口は止めずに教えてよ。

 

 

「ミニオンズ。でも鶴瓶が声してるのがイヤやねんな〜」

 

 

「ミニオンズ」ちゃうし。「怪盗グルーのミニオン大脱走」やし。

 

 

ほんでアンタ、文句がホント多い。鶴瓶はん、1作目からずっとやってはるがな。

ミサさん、なんかビシッ! と言ってやって!

 

 

 

「そしたら耳ふさいだらええやん」

 

 

 

そしたら全部聞こえへんなるやんけ!!!!!

 

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ちょっと! ちょっとXLはん! 黙って聞いてへんで、なんか! なんかカモン!

 

 

 

「ほんなら吹き替え版みたらええやん」

 

 

 

あべし!!!!!

もうワケわからん!!!!!

 

木ノ戸

 

(注1)スウィング、8つ目の教室のことではありません。そんなにたくさん教室はありません。スウィングが使用している建物は元・私塾であったため、その当時の名称をそのまま使っているのであります! だからスウィングでは4つある仕事場を教室名で呼ぶのであります!

 

(注2)「THE CLEANGERS」(ザ・クレンジャーズ)とは、自分の部屋とかはほったらかしだけれど、仕事でピカピカにするのは大好き〜♡なメンバーたちによって結成されたクリーニング部隊のこと。京都市内各所へと出向き、今日もいい汗かきながら、あらゆる汚れを落としまくっています! なぜか自分の部屋だけは見て見ぬふりしながら…。

| スウィンギン・ドキュメント | 17:16 | comments(0) | trackbacks(0)
忘れゆく人々

 

ある日の午後、第8教室でGさんがご機嫌に歌っている。

 

 

 

恋する心の〜 し〜あわせを〜♪

そっ〜と教えた ひとの名は〜♪

 

 

 

お、森昌子の「せんせい」や。

いいね、いいね、ラストしめてゆこうぜ。

 

 

 

せんせい せんせい♪  

せんせい せんせい♪

せんせい せんせい♪

 

 

 

 …早よ終われ!!!

 

 

ある日のお昼前、第8教室から出てきたミサさんが、小走りに駆けている。

 

 

 

 「トイレ! トイレ! トイレ! トイレ! …」

 

 

 

そんな急がんでも近い近い。スウィング、そんな広〜ない。

あっという間にトイレの前に着いたミサさん。ほっとしたようにこう言う。

 

 

 

 「あれ? なんしに来たんやったっけ?」

 

 

 

…トイレや!!!

 

木ノ戸

| スウィンギン・ドキュメント | 17:56 | comments(0) | trackbacks(0)
「失禁会場」へようこそ!!!

 

はいはい今日もお疲れ様。

帰りの送迎車内、 いつものようにぼんやりと窓外を見つめているGさんが言う。

 

 

 

「あれ見い。失禁会場や」

 

 

 

失禁会場??? そんな会場あるわけないわ…。

ドライバー西川くん、グッとこらえてGさんの視線をたどると、そこには小さな教会がある。

なるほど、なるほど。ほんとは「結婚式場」って言いたかったんやな(違うけど)。

「ケッコン」と「シキジョウ」がなんかグッチャグチャになって「シッキンカイジョウ」言うてしもたんやな。

 

 

「失禁会場じゃなくて、結婚式場ですよ(違うけど)」

 

 

努めて冷静に返す西川くんに対し、はてさてGさんはどう反応するのか?

 

 

 

「じゃじゃじゃ、じゃ〜ん♪」

 

 

 

まあ、珍しい! 否定されずにすんなり通じた様子だ。

こんなこともたまにはあるんやな。やっぱり人間、諦めたらアカンもんや。

すると、それまで2人のやり取りを黙って聞いていたかなえさんがこう言う。突然こう言う。

 

 

 

 

「じゃーじゃーって、Gさんダダ漏れやなあ」

 

 

 

はい!!!

「失禁会場」に逆戻り!!!

 

木ノ戸

| スウィンギン・ドキュメント | 17:31 | comments(0) | trackbacks(0)
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